その衝撃たるものすさまじく、なんでこんなに重くて金属質の音が出せるのか─メタリカにのめり込み、ヘビーメタルにのめり込んでいったのです。
この年はメタリカの3rdアルバム「メタル・マスター(Master of Puppets)
「メタル・マスター」収録時のメンバー
ボーカル/ギター:ジェームズ・ヘッドフィールド
ドラムス:ラーズ・ウルリッヒ
ギター:カーク・ハメット
ベース:クリフ・バートン
ヘビメタバンドはメンバーの入れ替えが激しくて、先にあげたホワイトスネイクなどを例にあげると、「サーペンス・アルバス」制作前のメンバーは─
ボーカル:デービッド・カバーデイル
ドラムス:コージー・パウエル
ギター:ジョン・サイクス
ベース:コリン・ホッジキンソン
制作後─
ボーカル:デービッド・カバーデイル
ドラムス:トミー・アルドリッヂ
ギター:ジョン・サイクス(アルバム完成後、脱退)
ギター:エイドリアン・バンデンバーグ
ギター・ビビアン・キャンベル
ベース:ルディー・サーゾ
と総入れ替え状態です。ボーカルのデービッド・カバーデイルのワンマンバンドで、アルバムごとにメンバーを変えているのもありますが、ボン・ジョヴィのようにほとんどメンバー入れ替えがないバンドのほうがまれなのです。ついでにいうと、ビビアン・キャンベルは現在デフ・レパードのギターを担当しています。誰がどこへ行った、ということもヘビメタの楽しみ方なのかもしれません。
メタリカの場合も、結成当時のギタリストはデイブ・ムスティーン(現・メガデス)であったし、4thアルバム「メタル・ジャスティス
ベースだったクリフ・バートンは、3rdアルバム完成直後、交通事故で亡くなっています。彼の損失はメタリカにとって非常に打撃だったはずです。4thアルバムでは低音が抑えられていて、ベースの音があまり聴き取れません。いかにクリフを重要視していたかが伺えます。
皮肉なことにクリフ亡き後、メタリカはどんどん成功していったのですが…。
1993年、僕は代々木第一体育館でのメタリカ・ライブへ行きました。ボーカルのジェームズがあまり歌わずに、なぜか新加入ベーシストのジェイソンが歌っていて、それほどうまくないし、ただ爆音だけが鳴り響いていて、その時、僕の中でメタリカは終わってしまいました。5thアルバム「METALLICA(通称:ブラック・アルバム)
その後、メガデスが売れる、イングベイ・マルムスティーンが売れる─頑張れば報われるものだなぁ、なんて思ってしまいます。
僕はすっかりヘビメタに興味を失ってしまいましたが、メタリカは順調に売れていて、「金に走っている」などと言われたりしています。
でも、彼らはスラッシュ・メタルという枠にはまることなく、自由に自分たちの音を探っているように思います。サンフランシスコ交響楽団と共演したライブアルバム「S&M シンフォニー&メタリカ
彼らがデビューしたてのころのインタビューで、憧れのバンドはモーターヘッドでそれを目指すんだ、というようなことを言っていました。確かに1stアルバム「キル・エム・オール
多少自分たちを見失っている感もありますが、何か今までにないような音楽を作り出してくれることを、少しだけメタリカに期待いたしましょう。