音楽を題材にした映像作品もまた、楽しいものです。
僕は、グレン・グールドに関してピアニストであるということぐらいの知識しかありません。その知識は、「グレン・グールドをめぐる32章」というカナダの伝記映画を見て知ったものです。
映画「グレン・グールドをめぐる32章」は、グレーン・グールドという人物を描いた映画ではありますが、構成が非常に変わっていて、もしかしたらグールドの伝記映画だと思って見てしまうと、頭が混乱するかもしれません。その構成は、グールドにまつわる32話をオムニバス形式で組み合わせていて、再現ドラマやインタビューがランダムに入り混じっています。
グールドのことを知らない僕でも、グールドという人物像が非常によくイメージできて、いい映画だと思ったものですが、グレーン・グールド映画と題されていると、やはり見る人の多くはクラッシク音楽ファンやグールドが好きな人が多いわけで、そういう人たちの感想はあまり芳しくないみたいです。
32話の中には必ずしも事実ではない話、もしくは過剰演出の話もあったと思います。しかし、それゆえグールドの真実に近づいていたのではないかと思うのですが…、なにせ僕は、グールドの音楽をほとんど知らないので、強くはいえません。
コンサート活動を一切しなくなってしまったとか、株式投資に長けてたとか、レコーディングへのこだわり方とか、ドキュメンタリー映画の作成をしたりとか…、32章に分類せざるを得なかった気がします。映画「グレン・グールドをめぐる32章」は多面的なグールドの物語を、インタビューなどの事実をうまくボンドにして、1つにまとめ上げた秀作だと思います。
監督:フランソワ・ジラール
主な出演者:コーム・フィオール/ユーディ・メニューイン
公開年:1994年10月
製作国:カナダ
ジャンル:ドラマ/伝記
僕はこの映画を見たあと、初めてグールドの録音を聴きました。そのメロディは非常に美しくて、映画での奇抜なグールドとは全く違った印象を受けましたが、これがグールドがこだわった音なのかと非常によく理解できました。
音楽には音楽以外の面白さもたくさんありますよね。
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