2012年5月7日月曜日

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2012の記録

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「熱狂の日」 音楽祭2012

Le Sacre Russe -サクル・リュス-

東京・丸の内エリア 4月27日(金)-5月5日(土)

東京国際フォーラム 5月3日(木)-5月5日(土)

 

112

5月3日(木) 12:15-13:00
ホールA プーシキン

演目

モソロフ:交響的エピソード「鉄工場」 op. 19

ストラヴィンスキー:春の祭典

演奏

読売日本交響楽団

指揮

下野竜也
  初めて聴いたモソロフ「鉄工場」がなかなか良かった。指揮も演奏も素晴らしいながらも、2階席で管弦楽の編成が小ぶりなためか、やや弦の音が弱かった


134

5月3日(木) 16:45-17:30
ホールB ツルゲーネフ

演目

クレーク:夜の典礼

作曲者不明:賛歌「沈黙の光」(ズナメニ聖歌)

ペルト:カノン・ポカヤネンより(オードⅠ、オードⅢ、オードⅥ、コンタキオン、イコス、カノンの後の祈り)

合唱

ヴォックス・クラマンティス

指揮

ヤーン=エイク・トゥルヴェ
  癒やしの歌声、睡魔との闘い
アンコールをしてくれた公演

ヴォックス・クラマンティス

1996年創立。歌手・器楽奏者から成り、中世の多声声楽曲と現代音楽を得意とする。エストニアの作曲家ペルトからの信頼が厚く、多くの作品を献呈され初演している。ペヌティエ、古楽アンサンブルのホルトゥス・ムジクス、現代音楽アンサンブルNYYD等と共演。

ヤーン=エイク・トゥルヴェ

タリン音楽学院卒業後、パリ国立高等音楽院でグレゴリオ聖歌の指揮法を学び、仏ソレル修道院のドム・ダニエル・ソルニエにも師事。96年にヴォックス・クラマンティスを設立。パリ・グレゴリオ聖歌合唱団を定期的に指揮。ヨーロッパ中でグレゴリオ聖歌を指揮している。

 

177

5月3日(木) 19:30-20:15
G409 ゴーリキー

演目

チャイコフスキー:四季 op. 37bis

ピアノ

エマニュエル・シュトロッセ

チャイコフスキーはいい。
軽やかなピアノ。

エマニュエル・シュトロッセ

ストラスブール出身。パリ国立音楽院にてJ-C.ペヌティエ、C.イヴァルディ、M.J.ピリスらに師事。フィレンツェ国際室内楽コンクール、クララ・ハスキル・コンクール入賞。

 

147

5月3日(木) 21:45-22:45
ホールC ドストエフスキー

演目

渋さ版「サクル・リュス」

演奏

渋さ知らズオーケストラ

白鳥の湖、展覧会の絵、このメロディーが鳴っていたような、そして火の鳥を会場のみんなで歌ったような─、バレエリュスを意識したようなパフォーマンス、完全にバレエリュスを超えていた。あくまで個人的見解。

渋さ知らズオーケストラ

その音楽はジャズ、ロック、歌謡曲、フォークなどが混在し、既存のジャンル分けに収まらないという特異性を持つ。さらに舞踏、ダンス、美術など音楽以外の表現要素が加わり、渾然一体となる演劇的祝祭感のある空間を創出していく。日本以外でもヨーロッパ各国で高い評価を受け続ける。

不破大輔/立花秀輝/佐藤 帆/松本卓也/鬼頭 哲/吉田隆一/北 陽一郎/辰巳光英/高橋保行/オデオン ジュークス/太田恵資/斉藤“社長”良一/ファン テイル/小野 章/小林真理子/磯部 潤/山本直樹/関根真理/室舘 彩/渡部真一/南波トモコ/山口コーイチ/ペロ/松原東洋/東野祥子/安田理英/ケンジルビエン/長谷川宝子/霜村佳宏/若林 淳/南 加絵/ねねむ/広田清子/とっくん/田中篤史/青山健一/横沢紅太郎

 

247

5月4日(金) 20:15-21:00
ホールB5 ツルゲーネフ

演目

リムスキー=コルサコフ:弦楽六重奏曲 イ長調
ボロディン:弦楽六重奏曲 ニ短調

演奏

ブラジャーク弦楽四重奏団
ジェラール・コセ(ヴィオラ)
エドガー・モロー(チェロ)
  いかにも難しそうな弦楽器の絡み合い。奏者の熱演に熱い拍手。

ブラジャーク弦楽四重奏団

パヴェル・フーラ(ヴァイオリン)

ヴラスティミル・ホレク(ヴァイオリン)

ヨセフ・クルソニュ(ヴィオラ)

ミハル・カニュカ(チェロ)

1972年、プラハ音楽院在学中に結成。スメタナ四重奏団、ラサール四重奏団、ヴラフ四重奏団のメンバーに師事。78年エヴィアン国際コンクールで優勝しラジオ・フランス特別賞にも輝く。翌年プラハの春音楽祭でも受賞。これまでプレスラー、スークらと共演。

ジェラール・コセ(ヴィオラ)

フランスを代表する巨匠。クリヴィヌ、デュトワ、ナガノ、クレメール、デュメイ、ピリスらと共演。ピエール・ブーレーズ主催のアンサンブル・アンテルコンタンポランに1976年の創立時にソロ・ヴィオラ奏者として参加。現代音楽の初演等にも積極的に関わっている。

エドガー・モロー(チェロ)

1994年生まれ。17歳で第14回チャイコフスキー・コンクール2位および現代作品最優秀演奏者賞。パリ国立高等音楽院にてP.ミュレールに師事。ブルネロ、ビルスマ、ゲリンガスらのマスタークラスを受講。ヴェルヴィエ音楽祭アカデミーにも参加している。

 

247

5月4日(金) 21:15-22:15
ホールC ドストエフスキー

演目

チャイコフスキー:弦楽六重奏曲 op. 70「フィレンツェの思い出」
チャイコフスキー:弦楽セレナード ハ長調 op. 48

演奏

横浜シンフォニエッタ

指揮

山田和樹
  演奏前、奇妙な音で公演開始が妨げられるというトラブル発生も、その演奏はそれら嫌なこと全て忘れさせてくれるぐらい見事なもの。これは演奏が故なのか指揮故なのか、楽曲故なのか・・・その全てが合致した結果だろう。それにしても、チャイコフスキーは気持ちいい。


356

5月5日(土) 19:15-20:00
ホールD パステルナーク

演目

ストラヴィンスキー:イタリア組曲 チェロ・ピアノ版

プロコフィエフ:チェロ・ソナタ ハ長調 op. 119

演奏

タチアナ・ヴァシリエヴァ(チェロ)
プラメナ・マンゴーヴァ(ピアノ)
  どちらも初めて聴く楽曲。ストラヴィンスキーのものは非常に気に入った。CDでじっくり聴きたい。プロコフィエフのものは難しそうで難解。二人の女性奏者のすごさを感じた。

タチアナ・ヴァシリエエヴァ(チェロ)

01年ロストロボーヴィッチ国際チェロ・コンクールロシア人初の第1位。驚異的なテクニックと、圧倒的な音楽センスで世界の注目を集める気鋭の若手。使用楽器はフランスLVMH社から貸与された1725年製ストラディヴァリウスの“Vaslin”。

プラメナ・マンゴーヴァ(ピアノ)

1980年生まれ。マドリードのソフィア音楽アカデミーにてパシュキロフに師事。エル=パシャのもとでも研鑽を積む。2007年エリザベート王妃国際コンクール2位。シンフォニア・ヴァルソヴィア、ドレスデン・フィル、クリヴィヌ、デュメイ、ピリスらと共演。

 

316

5月5日(土) 21:00-22:00
ホールA プーシキン

演目

チャイコフスキー:イタリア奇想曲
ボロディン:だったん人の踊り
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ長調 op.18

演奏

ボリス・ベレゾフスキー(ピアノ)
ウラル・フィルハーモニー管弦楽団
カペラ・サンクトペテルブルク(合唱)

指揮

ドミトリー・リス
  会場のど真ん中で聴くことができて、音響は最高。気持ちいいチャイコフスキー、贅沢なボロディン(出来れば合唱無しバージョンのほうを聴きたかったが)、ドラマチックなラフマニノフとお腹一杯の内容。ファイナルにふさわしい演奏に会場はスタンディングオベーション。ピアノもすごかった。

ボリス・ベレゾフスキー(ピアノ)

モスクワ音楽院卒。1990年チャイコフスキー国際コンクール優勝。超絶技巧と力強さ、独自の洞察力と豊かな感性を兼ね備えた才能あふれる音楽家として高い評価を得ている。ミュンヘン・フィル、ニューヨーク・フィル、ロンドン・フィル等世界的オーケストラと度々共演。

ウラル・フィルハーモニー管弦楽団

1936年創設。本拠地はウラル山脈中央東麓のエカテリンブルク。95年に指揮者ドミトリー・リスを迎えた。2010年にゲルギエフよりマリインスキー劇場に招かれ、西欧の国際音楽祭でも度々演奏。これまでロストロボーヴィッチ、庄司紗矢香らと共演。

カペラ・サンクトペテルブルク

1479年に皇帝イヴァン3世がモスクワに設立した世俗合唱団が起源。改称を経て、サンクトペテルブルクに拠点を移す。500年の歴史の中で、パイジェロック、グリンカ、バラキレフらが指揮。1974年以降、指揮のチェルヌチェンコのもとでレパートリーを広げた。

ドミトリー・リス

モスクワ音楽院にてキタエンコに師事。モスクワ・フィルでのアシスタントを経、ロシア最年少でクズパス響の首席指揮者に就任。現在はウラル・フィルの芸術監督・首席指揮者。ロシア国立管の指揮も任されている。クレメール、ロストロボーヴィチ、パシュメットらと共演。