2009年8月27日木曜日

Raising Sand

ロバート・プラント/アリソン・クラウスのアルバム「レイジング・サンド」について記述するのは、2度目か3度目か・・・。それほど魅惑的なアルバム。

某BSで彼らのライブ映像が放送されていた。非常に素晴らしい演奏で、とりあえずの“ながら”でテレビをつけていたのが、いつの間にか画面に釘付けになっていました。

プラント、クラウスのパフォーマンスはもちろん素晴らしいのですが、マーク・リボーのバンジョー、ギターがものすごく効果的で、彼の多才っぷりが十二分に発揮されていて、これもこのアルバムが大成功した要因なのかもしれないという思いに至り、さらにはこのセットを作り上げ、このサウンドを作り出そうとした中心人物、Tーボーン・バーネットという名プロデュースっぷりにも思いを馳せた─。無理は承知で、このセット…来日してくれないかなといまだに思っている次第です。

レッド・ツェッペリンが再結成されるか否かと騒がれていた時期、プラントはちょうどアリソン・クラウスとのツアーの予定が入っていたために、再結成は実現しなかったそうですが、納得です。
プラントがアリソンに向かって「僕が君たちの世界の音楽を知ることができて、非常にうれしい─歌うことが学習だ─」というようなことを語っていた。60を過ぎてもさらに進化をし続けるプラント。過去に固執するよりもずっと魅力的に感じます。
最後にプラントは「みんな2枚目を待っているだろう。自分たちも頑張らないと!」という意味深な発言をしていました。ロバート・プラント&アリソン・クラウスを生で見る可能性はまだ残されているとみました。マーク・リボーとTーボーン・バーネットも一緒にぜひ!!

2009年8月25日火曜日

風が吹くとき When the Wind Blows

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風が吹くとき デジタルリマスター版 [DVD]

毎年、夏には数々の戦争映像が放映されている。子供のころはそれが嫌で嫌で仕方がなかったが、年齢とともに、漠然とその意義を実感してきた。戦争そのものが醜悪なものであるから、その映像をピュア・マインドで見たならば、それを嫌なものに感じることは必然的なことであろう。だからといって、その映像を流さないわけにはいかないし、それを子供心に映してあげることも必要なことなのだろう。あくまで戦争を本当に醜悪なものと捉えられるよう─、その映像は時として不思議な魅惑を放つこともあるから─。

セルアニメとクレイアニメが融合した映画「風が吹くとき」は、色彩豊かでありながら不思議なリアリティーを感じる作品。現実世界と想像の世界が自由に展開していて、反戦とか教育といった道徳的なことを抜きにしても非常に優れたアニメーション。音楽も、デビッド・ボウイ、ジェネシス、そしてロジャー・ウォーターズといった有名どころが名を連ねていて、それがさらに作品の質を高めている。
When the Wind Blows
もともとレイモンド・ブリッグス著の同名絵本が原作。それ故に、色使いがカラフルになっているのだろう。
風が吹くとき
ストーリーの大部分はある一軒家の中で展開されているのだが、その室内が緑と赤という補色でカラーリングされている。それだけで非日常的で、現実離れした世界であるはずなのに、妙なリアルさを醸し出している。故に、淡々と語られる放射能の恐怖を嫌になるくらい身に染みて感じてしまう。これを全世界の人が見れば、決して核戦争など起こらないだろう、そう考えるのは楽観的なのか…
悲しいかな、これを見終わって、核シェルターを作ってみようかなと思ってしまった自分がいた。核兵器がなくなることは決してない、そう思っているうちはずっと核の恐怖におびえるのであろう。

最期に聴く音楽はこれにしよう─
♪Folded Flags by Roger Waters


2009年8月6日木曜日

without records

2009年7月、大友良英 ENSEMBLES 09『休符だらけの音楽装置宣言』と題した芸術活動(?)が始まっている。その展示第一弾となる「without records」を体感してきた。

without records
大友良英+青山泰知+伊藤隆之/YCAM Inter Lab+α
会場:Vacant
会期:7.4 (Sat) – 8. 9 (Sun) 13:00-20:00
入場料:500円/限定DVD付チケット*:1,000円

約100台の古いポータブル・レコード・プレーヤーを用いた大規模なサウンド・インスタレーション《without records》、初の東京展。会場1階スペースは「ENSEMBLES 09」の映像や写真のアーカイヴをはじめとする展示や今後の情報をオンタイムに発信するなど、「休符だらけの音楽装置」展の情報発信基地となる。(Vacant ホームページより)


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レコード盤が載っていないターンテーブルがランダムに自動回転する。静かなノイズが虫の音のごとく流れ、その音に連動しているのか連動していないのか定かではないが、天井からつるされた蛍のごとき豆電球が明滅を繰り返す。
ソフトがない音楽鑑賞を存分に堪能。

そういえば、前世代のiPodのダイヤルを回す音って、心地よい。





次は映画「KIKOE」を見にいこうか─