2013年11月19日火曜日

ポール・マッカートニー Out There Japan Tour

2013年11月11日(月)京セラドーム 大阪

2013年11月12日(火)京セラドーム 大阪

2013年11月15日(金)福岡ヤフオク!ドーム

2013年11月18日(月)東京ドーム

2013年11月19日(火)東京ドーム

2013年11月21日(木)東京ドーム

開場17:00 開演19:00

S席16500円 A席14500円 B席12500円

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先行予約でチケット入手。S席限定で2枚以内という縛り付き。チケットに当選したとはいえ、かなり納得できない座席番号。故に、一般販売での入手を試みるも、電話とネットでは不可能であった。数分で東京公演は完売。というわけで、11月18日(月)東京ドーム、入手したS席というのは、ステージ真正面とはいえ物凄く遠い2階席であった。

すでに、大阪、福岡とまわってきていたので、セットリストの大方の予想はついていた。そしてその予想通り、ほとんど同じ演目であった。

最悪の音、ドームだから仕方のないことなのか、しかし音楽を聴きに来て音が最悪ならば致命的ではなかろうか、普通はそう思う、しかしながらである、あんな酷い音でありながら過去に経験したことのないような感動をしてしまう。何なんでしょう、これは・・・。

11年前、2002年の東京ドーム公演ですでに生ポールは体験済みであり、歌唱力と演奏の能力に関して文句のつけようのないことは分かっている。現に、今回も最悪の音でありながら最高の歌唱力と演奏を堪能出来た。しかし、11年前より遥か上をゆくこの感動は何なのか。きっと、演目が違うからだろう、今回は40曲前後もやったのだから─、そう思っていた、そう思いつつも今回と前回のセットリストを改めて見比べてみる

2013

1.Eight Days A Week
2.Save us
3.All My Loving
4.Listen To What The Man Said
5.Let Me Roll It/Foxy Lady (instrumental)
6.Paperback Writer
7.My Valentine
8.1985
9.The Long And Winding Road
10.Maybe I'm Amazed
11.I've Just Seen A Face
12.We Can Work It Out
13.Another Day
14.And I Love Her
15.Blackbird
16.Here Today
17.NEW
18.Queenie Eye
19.Lady Madonna
20.All Together Now
21.Lovely Rita
22.Everybody Out There
23.Eleanor Rigby
24.Being for the Benefit of Mr. Kite!
25.Something
26.Ob-La-Di, Ob-La-Da
27.Band on the Run
28.Back in the U.S.S.R.
29.Let It Be
30.Live And Let Die
31.Hey Jude

アンコール1

32.Day Tripper
33.Hi, Hi, Hi
34.Get back

アンコール2

35.Yesterday
36.Helter Skelter
37.Golden Slumbers / Carry That Weight / The End

2002

1.Hello Goodbye
2.Jet
3.All My Loving
4.Getting Better
5.Coming Up
6.Let Me Roll It
7.Lonely Road
8.Driving Rain
9.Your Loving Flame
10.Black Bird
11.Every Night
12.We Can Work It Out
13.You Never Give Me Your Money~Carry That Weight
15.Fool On The Hill
16.Here Today
17.Something
18.Eleanor Rigby
19.Here, There And Everywhere
20.Michelle
21.Band On The Run
22.Back In The U.S.S.R
23.May'be I'm Amazed
24.Let 'Em In
25.My Love
26.She's Leaving Home
27.Can't Buy Me Love
28.Live And Let Die
29.Let It Be
30.Hey Jude
アンコール1
31.The Long And Winding Road
32.Lady Madonna
33.I Saw Her Standing There
アンコール2
34.Yesterday
35.Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band(Reprise)~The End

確かに曲目は違って入るものの、質やボリュームなどは、これを見るかぎりはそれほど変わりがないように思う。

やはり71歳というその年齢をもとにした驚嘆こそが大きな感動を呼んでいるのか、なぜそれほどまでに歌い続けることができるのか、ただ歌うだけでなく何故その歌唱力を保つことができるのか、アコギ・エレキ、ベースにピアノ、なんでその歌唱力でありながらそんな演奏ができるの、古希を過ぎているというのに!!とはいえ、演奏しているポールを、常に年齢を意識しながら見ていたわけではない。確かに最初はその年齢を強く意識したが、いつのまにか、ただ史上最高のアーティストの演奏を堪能するのみになっていた。

一つだけ確かなものとして感じたのは、その演出の素晴らしさ。見晴らしのいい席であったのも幸いして、映像と照明、そして時には火薬を駆使しての派手な演出は、大スターにふさわしいものであったし、大スターが大スターらしからぬ片言の日本語を終始一生懸命語っていたことにも共感してしまう。いい音聴きたけりゃクラシックやジャズでも聴きに行け、か─・・・。ブルーノートおなんかで弾き語るポールなんてのも見てみたいんだけど、まぁ無理だな。

個人的には、思わず共に歌ってしまったイエスタデイと映像が格好良かったヘルター・スケルターが一番印象深い。そして最後のジ・エンドを終えた後、「See you next!」というその言葉に、次も何としてでも来なくてはなるまいと決意する。次はサイクルからすると10年後ぐらい?となると、傘寿超えですか。今回が最後とか言われているけれども、次もあるような気がするのは自分だけではないはず。音楽こそが生きる術、生き続ける限りきっと歌い続けるはず。だから、きっとまた「タダイマ!」と叫んでくれることを期待して、とりあえずNEW (Deluxe Edition) でも聴きますか。


2013年9月19日木曜日

イーハトーヴ交響曲 @ オーチャードホール

 


冨田勲×初音ミク
無限大の旅路 ~イーハトーヴ交響曲~

2013/9/15(日)13:30開演/18:00開演
2013/9/16(月・祝)13:30開演
Bunkamura オーチャードホール
料金:S¥9,500 A¥8,500 全席指定(税込)
【指揮】
 河合尚市
【管弦楽】
 東京フィルハーモニー交響楽団
【出演】
 初音ミク(ヴァーチャルシンガー)
 ことぶき光(エレクトロニクス)
 梯郁夫(パーカッション)
 鈴木隆太(シンセサイザー)
【合唱】
 慶応義塾ワグネル・ソサィエティー男性合唱団
 聖心女子大学グリークラブ
 シンフォニーヒルズ少年少女合唱団
【プログラム】
 新日本紀行
 山田洋次監督映画音楽集
  たそがれ清兵衛~隠し剣鬼の爪~武士の一分~おとうと
 子供のための交響詩
 新・ジャングル大帝2009年版 ジャングルの朝~動物たちのつどい
 勝海舟
 イーハトーヴ交響曲
 リボンの騎士(アンコール)
 青い地球は誰のもの(アンコール)

 


S席1階6列目10番、ステージ向かって左側からやや見上げる位置、弦楽と指揮者の表情はよく見えたが、管楽などステージ全体を見ることができなくて多少不満。

新日本紀行から勝海舟までが前半、15分の休憩をはさんで、イーハトーヴ交響曲から最後まで演奏というプログラム。

前半部は新日本紀行のほかは耳慣れない曲ばかり。映画やテレビのための音楽というのは、もともと映像ありきで作られているためか、音楽に集中できずに聞き流してしまった。

後半、交響曲が始まる前に冨田勲氏の御言葉あり。東京フィルが新作を演奏してくれることを喜び、その低音部の鳴りを非常に褒めていた。同時に、初音ミクというバーチャルシンガーと生の演奏が融合したこの新しい芸術を自画自賛していた。冨田氏が客席に着席すると間もなく、メインの演奏がスタート。

シンフォニーヒルズ少年少女合唱団が歌う宮沢賢治作詞作曲の「牧歌」を拝借したコーラスから始まったその演奏は、全てにわたって満足がいくもの。初音ミクの絡みや動き、溶け込みといったものも至極自然で、まさに質の高い総合芸術であった。特に、第5楽章というべきなのか「銀河鉄道の夜」の部分は、ステージ上部に大きく投影されたイメージ映像が効果的で、ラフマニノフの交響曲第2番を拝借しているそのメロディーと相まって、大きな感動を呼び起こす。この交響曲のために専用のステージをしっかり組んで欲しい─もっとイメージ映像がしっかりと映し出されるようなスクリーンなどを設置するなどし、より音と映像が融合するような仕組みを作り上げて演奏されるべきなのではと、夢想してしまった。

あまりに素晴らしい交響曲の演奏で、申し訳ないがアンコールの曲が非常に煩わしいものに感じる。称賛の拍手はどうしてもアンコールを求めるものになってしまうか。

イーハトーヴ交響曲の演奏終了後にも冨田氏の御言葉あり。氏によると、新しい芸術の始まりとしてこの交響曲が位置づけられると言っていた。確かに、それくらいの作品であり演奏であった。しかし、バーチャルと生演奏の融合というのは想像以上に難しいものだと思うわけで、この作品は奇跡的に生まれたようなものかもしれない、そう思うとこのような作品が後に続くことが想像できない、まさに唯一無二のアートであると思えるのだが、果たしてどうだろうか。想像を超えることがアートであるとも言えるのであるけれども…。

終わってみて、やはり、ステージ全体を見渡せなかったことが非常に残念だった。できることなら、初音ミクをどのようにリアルタイムで演出しているのか、その端緒などを確認したかった。

音楽は文句のつけようのないくらい完璧、それというのもクラシック音楽の歴史を考えたならば当然ではあるけれども、歴史が浅い映像やCGに関していえばまだまだ改善の余地はあり、そして、また洗練された総合芸術を鑑賞したいものである。

いまはただ、この新しいものを生み出した全ての人に対して、惜しみない拍手を贈りたい。


2013年9月9日月曜日

HELGE LIEN TRIO @ 東京ジャズ “the CLUB”

蒸し暑く、大雨の降るなか、久々の音楽観賞─

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2013. 9.8.sun COTTON CLUB コットンクラブ
��東京JAZZ "the CLUB"]
��JAZZ CRUISE NORWAY>
HELGE LIEN TRIO
[1st. show] open:4:00pm / start:5:00pm
[2nd. show] open:7:00pm / start:8:00pm
Charge ¥3,000 《全席自由席・税込》

2ndを選択。1ドリンクオーダー制とはいえ、かなりお得。しかも全席自由とあって、開場前から行列が…30人ほど後につく。既に、前回彼らを見聴きした際に確認した観客数を超えているかもしれない。

ここはインターネットなどで予約すると、チケットではなく名前確認のみで入場となる。ステキなシステムではあるけれど、明確に証明する物を自らが持っていないとなぜか不安になるものだ。そんな心配をよそに、無事に入場─

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ステージ向かって右側のカウンター状の席に着席。手前にベースがくる位置。悪くはないが、少々狭い。やはり複数人数で来てボックス席を選ぶのが賢明だったか…何せすべてが自由席で早い者勝ちなのだから。

開演まで1時間あるということは、ゆっくり食事ができるということであり、これで腹ぺことなると美味しそうなものに飛びついてしまう─

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フォアグラとポルチーニ茸を詰めた 福島県産 伊達鶏モモ肉のロティ ジャガイモのニョッキ添え 松の実風味のソース、ポークリエット、ダージリンティー、以上3品の注文でライブ自体の値段を余裕で超えてしまうという恐ろしさ…。反面教師と記憶しておこう。

料理が全部出揃ったころ、ようやく開演時間が迫ってくる。180席あるという会場はほぼ満席状態。正直、こんなに入るとは思いもしなかった。事前にみんなが知るということが重要なのだと、再認識。

さて、食事半ばでメンバー登場。というわけで食事しながらの観賞。なんとオシャレ、とはいかないもので、なかなか演奏に集中できない。あまり調子に乗ってナイフとフォークを持つべきじゃないと肝に銘ず。

全体を通して何を演奏していたのかあまり記憶していないが、直近のアルバム「Natsukashii」からの曲が多かったように思う。ライブの始まりはアルバムラストの曲♪Living In Different Livesで、ライブの最後のアンコールの曲はアルバム最初のタイトル曲♪Natsukashiiだったということしか明確に覚えていないが、随所にインプロビゼーションを絡めたその演奏は素晴らしいもの。このトリオはライブでは音質重視なのだということが、よく伝わってくる。こんな演奏を聴いてしまうと、その後で彼らのアルバムを聴いても何か物足りなさを覚えてしまう。それが良いことなのか悪いことなのか判別できないところだが、それほどライブの音が素晴らしいトリオだということだ。

残念ながら、自分が最も気に入っている曲♪Snurtの演奏はなかったものの、お気に入りのアルバム「Halla Troll」からも何曲か演奏してくれた─

※上の映像は2008年のベルリンでの演奏、それを拝借

今回はベースの近くということもあって、フローデ・バルグが奏でるメロディアスなベースラインにも魅了された。ヘルゲ・リエン・トリオ、またPA共々来日して素晴らしい音を聴かせてほしい。



2時間ぶりに外に出ると雨は止み、心地よい空気に包まれる。


2012年11月11日日曜日

Walkman と iPod

2012年10月、新型Walkmanと新型iPodが発売される。Walkman派の僕はもちろん、どんなにappleが大々的にiPhoneやiPadを発表しようとも、全く気にならないわけではあるけれども、新しいiPodの姿形が非常に気になったので、初めて両方買ってみた。
Walkman派といっても、別にブランドなどにこだわっているわけではなく、良いと思える方を常に選択している結果、現在はウォークマンを愛用しているということだけ。実際に、過去にはiPadを愛用したこともあった。そこのころは、iTunesの便利さとSonicStageの不便さを思っての選択であった。Xアプリに変わって、Wi-FiやAndroidが導入されてきたWalkmanは今のところ最強のように思える。
漠然と比較される(というか単に僕が勝手にそうしているだけなのかもしれないが)、WalkmanとiPod、何がどう違ってどちらがどう優れていて、本当はどちらが僕にとって最良なのか、この機会に比べてみたい、と、こじつけの両方購入である。

さて、今回購入したの下の2つ。どちらも姿形は非常に良い。絵で見るように、Walkmanの方が少し小さくて、がっちりとした印象。一方、iPodは少し大きめで非常に薄い。

SONY ウォークマン Fシリーズ
[メモリータイプ]
64GB ビビッドピンク NW-F807/P
最新モデル
第5世代 Apple iPod touch
64GB ブルー MD718J/A

僕は音楽を楽しむために、WalkmanやiPodを持ちたいわけで、ゲームやソーシャルという機能を使いたいのなら他の端末を使えばいいという考え。iPodにカメラがついていて、Walkmanにはついていないということは、僕にとってそれほど重要なことではなくて、むしろついていない方がいい。過去に「SONY ウォークマン Xシリーズ」を購入したときは、テレビ機能が不必要だと思ったものである。あらゆる機能や開発の力を、操作性や音の質の向上に捧げて欲しいものである。

容姿の次は機能や操作性。僕がiOSを使用するのはこれが初めて。意外と自由度がないんだなという印象。まあ、アプリケーションをほとんど使い慣れていないし、ダウンロードもしていないわけだから、それだけで判断するのは早計なのかもしれないが、見飽きたAndroidのほうがアクション的に楽しいのではと思ってしまった。iPodは所詮appleでしかないわけだから、致し方ないのかも。ただ、電池の持ちはiPodではないかと思った。そうは言っても、iPodをほとんど使用していないわけだから当然とは思うのだが、多少の使用で4~5日持つということは、Walkmanではあり得ない。不要なものがたくさん含まれているということなのだろう。別にOSの優劣を吟味しようというわけではないけれど、Androidは進化し続けるだろうが洗練されることはないだろうし、appleは常に洗練され続けるだろうけれど、進化もあれば退化もあるだろうなぁと感じた。

一番の問題は、音。iPodを購入した動機として、あの変わった形のインナーイヤフォンを使ってみたかったということもある。誰の耳にも合う銘打っているあのイヤフォンは、・・・最悪でした。自分の耳には全く合わず、終始ぽろぽろ落ちてきて非常にストレスを感じる。これだけで今回のこのiPodを買って失敗したと思ってしまうほど。一方、Walkmanの方は相変わらずいい音でした。仕方ないから、同じイヤフォンで同じ楽曲を聴き比べてみても、音の差を感じてしまう。音のクリアさというか質感がまるで違う。WalkmanもiPodも低音部を重視していることはよく分かるのだけれど、Walkmanでは低音が響きつつクリアな高音が鳴り響くのに対し、iPodでは重低音ながらも高音も同時にこもってしまうという印象。iPodは容姿も音も薄いです。

Walkmanを使用していながら、「mora」を全く使用していなかったのだが、10月のリニューアルで配信楽曲がATRAC132kbpsからAAC320kbpsに高音質化し、DRM(デジタル著作権保護)も外されたので、これからかなり使いそうな予感がしている。実際、moraから初めて購入した「機動戦士ガンダム トリビュートアルバム」などを聴いても、明らかに音の良さが伝わってくる。これをiTunesに取り込めばiPodでも聴けるわけだ。が、そんな面倒で無駄なことはやりません。Walkmanならばmusicファイルへ入れればそれで済むのにね。音楽を聴くのだったら、音も使い勝手もやっぱWalkmanでしょう。

個人的にはWalkmanにmoraではなく「Music Unlimited」をくっつけて欲しいのだが、まぁ今のUnlimitedの質なら勘弁だ。ちょくちょくフリーズや音飛びあり、何よりも接続がやたら遅い。まだあまり安定性のないLTE経由などでは安心して聴いていられない。PCのライン接続で聴いていてもたまに止まる。これが今のmora並みの音質で、接続も安定してくれれば、無敵だろうなあと思うわけだが、これはないかな。

僕の検証では、iPodは美しいおもちゃであり、Walkmanは優れた音楽プレーヤーだという結論になる。とはいっても、iPodをまだ全然使いこなしていないわけで、現段階の偏見的見方で公平性は欠く。それでも、iPodを音楽プレーヤーとして使うことは当分ない。

 

 


2012年11月10日土曜日

Helge Lien Trio in 新宿 PITT INN

 仕事で忙殺の毎日。なかなか更新できない・・・というより、音楽自体を楽しめていないような気がするのだが、久々、無理クリにライブへ赴いたら、めちゃくちゃ空いていて落ち着いた空間ですぐ目の前で演奏を見ることができて、しかも素晴らしいPA陣のおかげで、耳から体中に至るまで感動することができた。演奏も音もこんなに素晴らしいのに、人が全然周りにはいなくて、非常にもったいないような気もした。わざわざノルウェーから来てるっていうのに─。

 ヘルゲ・リエン・トリオが来日したのは9年ぶりだとか。つくづく、見てよかったと思う。そうは言っても、この公演を知ったのは公演の直前。音楽を愛する親切な方が、このブログにコメントしてくれて、ソッコーチケットを予約した。直前なのによく取れたものだとホットしたのだが、そんな焦る必要はなく、当日でも良い席で見ることができたなあ、とライブハウス内を何度も見回した。なんで?

2012年11月3日(土)- 11月4日(日)
両日とも 
会場:東京 新宿 Pit Inn
開場 19:30 開演 20:00
自由席 整理番号付 前売 5,000円  当日 6,000円 ドリンク付

Helge Lien   ヘルゲ・リエン     piano
Knut Aalefjær クヌート・オレフィヤール drums
Frode Berg フローデ・バルグ bass
   (専属エンジニア来日)

企画制作 Office Ohsawa
協力 Disk Union
後援 ノルウェー王国大使館


 土日のうち見たのは日曜日。日曜の夜だから空いていたのだろうか?一向に満杯にならない会場に、なんで自分がそわそわしなければならないのか、そう思っているうちに3人が静かに登場、初めて生で目にするヘルゲ・リエンは、案外スリムなんだという第一印象。

 一曲目はアルバム「Natsukashii」の最後の曲、♪Living In Different Lives
 なんと音質の良いこと。上手いとか曲がいいということもさることながら、音そのものが良いのである。そんな特別な音響設備であるとは思えないのだが─。その音質の良さは、専属PA陣も帯同しての公演だからなのか、しかし技術陣の帯同などということは特段珍しいことではないが、メンバー紹介の際にPA陣にも言及していたことは珍しいかなと思えたので、やはりこのトリオの音作りはバックアップがあってこそだということなのだろう。

 「Natsukashii」は3月11日以降、初めて購入したアルバム。心にしみた記憶が少し甦る。
 アルバムの全曲を演奏したように思うのだが、見事なインプロヴィゼーションとの組み合わせであったために、明確な判断ができなかった。まぁセットリストなどどうでも良くなってしまうほどの、見事な演奏空間を作り上げていた。20121104inPittInという一つのタイトルだけを記せばそれでいいのではなかろうか。
 現代音楽を彷彿とさせる自由すぎる演奏が展開する場面もありはするのだが、何か得体の知れないグルーブ感が終始トリオを包み込んでいた。どんなに音が壊れていようと、このトリオのリズムは決して崩れることはない。それが、どんな不協和音を奏でようとも、不思議な安心感を聴いているこちら側に与えてくれているのだろう。演奏している側はどうなのか?相当の熟練度を感じるし、完成度を感じるのだが、決して堅苦しくはなく、常に自由。常に自由でありながら、確固とした楽曲を重んじている印象。兎に角すごいなという─。
 9年ぶりの来日ということは、その時はまだアルバム「Hello Troll」のリリース前か─。ぜひともあの曲も演奏してもらいたいものだと、大きな期待。そしてそれに近づくように「Hello Troll」からの演奏も始まる。
 はや演奏もすべて終わった様子。はて最後の曲なんだったか・・・覚えていないのは待ち望んでいるあの曲を演奏しないから。当然のアンコールを少数の聴衆が頑張って求める。そして!お決まりのようにアンコールのためプチカーテンコールの中3人登場。曲は!?♪Natsukashii。なんとこの曲もまだだったのかと驚きつつも、いい曲だけどこれじゃないんだよヘルゲ君などと突っ込みたくなるのだが、じっと待つ。そしてまた、プチカーテンコール。さあ絶対アンコールするぞと心に決めたその時、ドラムが業を煮やしたようにリズムを刻むと、仕方がないとばかりに立ったままお行儀悪くヘルゲ君があのメロディーというかリズムを刻みだした!これでございます!!ヘルゲ様!!!

Snurt


 そして皆満足のもとに家路につく。すぐまた見たい・聴きたいけれども、なかなかオスロは遠いから・・・

2012年8月29日水曜日

SENSOU HANTAI, TEO TORRIATTE

「コードギアス 反逆のルルーシュ」をまとめて見た。非常に面白くて、R2まで一気に見てしまったのだが、どうも不思議な後味の悪さがずっと残ったままだ。多くの命が奪われてしまうからなのか、“差別的に占領されている日本国”という設定のためなのか・・・。現実社会で日本を狙っているとしか思えないロシア、中国、韓国といった国々で自国が占領されていると仮想したアニメやドラマなど存在し得るのか、存在したとしてそれが公の場で多くの人に受け入れられているということがあるのだろうか─、そんな重々しい思いが下腹部のあたりに溜まったままだ。

第二次大戦後の日本は米国に占領されていたわけで、コールドギアスの構想も間違いなくそれにならっているはずだ。いまの日本は米国から与えられたものなのだろうか─、コードギアスを見た中2はそう思うに違いない、そんな悪夢が頭をめぐり続ける。

そういえば自分の10代はどうだったか思い出してみると、中2らしくというべきか、洋楽ばかり聴いていた。ふと、カルチャー・クラブの「戦争の歌」という曲があったなぁと思い出す。「SENSOU HANTAI, SENSOU HANTAI」というフレーズを鮮明に覚えていて、自分には明らかに憲法第9条よりも心に響いていた。

「平和憲法を誇りなさい」と学校の先生から言われるよりも、外国人が外国語で「平和憲法は素晴らしい」と言う方が説得力がある、少なくとも自分にとってそんな気持ちは常にある。

いまのこの平和な世の中は、米国が与えてくれたものなのか、あらためて思いをめぐらせてみると、自分の中では答えは“否”となる。戦死していった人達が─、戦争を生き抜いた人達が─、原爆を落とされ散っていった人達、いまだ戦っている人達、そういった日本で暮らしていた人達すべての力で勝ち取った平和だと徐々に思えるようになってきた。そういう考え方であれば、終戦の日に靖国神社に赴くのは至極当然のことだと思える、まぁ自分はそういう習慣はないのだが・・・。

正直、自分は学校教育を終えてからもしばらくは、なぜ靖国神社の参拝が国際問題になるのか全く理解できなかった。それは、そこに戦犯と呼ばれる人が埋葬されていることも、そもそも戦没者がそこに奉納されていることさえも知らなかったからなのだが、そもそもそんなこと誰も教えてくれなかった。それはお前の勉強不足と指摘されても仕方がないかもしれないが、勉強不足な者でも覚えるくらいにしつこく教えることのひとつのように思えるのだが、教えることを避けているようにしか思えない。

そんな愛国的なことを記しつつも、今年の自分の夏はあまりの仕事の忙しさに、久々に終戦の日というものをさらりと流した。なんか、韓国や中国といったところが騒がしかったようだが、煩わしい雑音としか思えなかったくらいだ。そんな雑音ひとつで大きな悲劇を生む可能性を漠然と心配してはいるのだが─。

どうして領土問題というのは、領有権だけに終始するのだろう。共有する発想や議論が全くなされないことが不思議というか、悲しい。まさにジョン・レノンのイマジンは絵空事のごとく、人々は線引きに必死だ。互いの主張を誰かに裁いてもらって済むことなのか、誰も裁いてくれなければどうなるのか、主張を話し合いで解決できると思っているのか、解決できないとどうなるのか、現状を突きつめていけば対立を拭い去ることは皆無だ。

みんな手を取りあって平和を創ろう!

なんと現実味がなく気恥ずかしいと思ってしまうことか。そして、そういう思いが悲しくてならない。自分が生きているうち幸せであればそれでいい、戦争は起こらないだろう、おめでたいものだ。そういう風に考えてしまうこともまた悲しい。

犠牲の積み重ねで現在があるという考え方は分からないでもないが、犠牲なくして真の平和を実現できないのか、とスザクとルルーシュの関係を見て思ったのでした。そう考えると、コードギアスが少年少女が見て平和というものを真剣に考えるきっかけになるかもしれない。それがアニメか─・・・


2012年7月17日火曜日

Nina Simone

ジュリアードという名前を知ったのは、映画「旅立ちの時」を見てからだ。故リバー・フェニックスが音楽の才能を秘めた若者を演じた映画で、爆弾テロを起こしてしまった両親とともに、全米中を逃げ回っているという何とも奇妙な設定ながら、非常に気に入ってしまった作品。リバー演じた若者が目指した進学先がジュリアード音楽院。映画のストーリーはフィクションながら、ジュリアードは実在する学校だと知り、しかも進学した顔ぶれを調べると、マイルス・デイヴィス、チック・コリア、スティーヴ・ライヒ、フィリップ・グラス、イツァーク・パールマン、ヨー・ヨー・マ、バリー・マニロウ、ニール・セダカ、神尾真由子、中村紘子、諏訪内晶子、一柳慧、チョン・ミョンフン等々、すごい名前が並ぶ。要するに名門。しかも、人種も音楽性も様々であることが分かる。

ニーナ・シモンもその名門の出の一人。名門の出だから音楽を聴いてみようと思ったわけではなく、彼女の音楽を聴いて感動し調べてみるとさらに驚いたといった具合。某雑誌の偉大なボーカリスト100人にも選出されているほどに、ニーナ・シモンの歌声は評価されているわけだが、失礼ながらその歌声はいわゆる名門のような響とはほど遠いような印象を覚えてしまう。しかし、そんな飾り物をも凌駕してしまうほどに心を揺さぶるその歌声─

 
The Desperate Ones

ジャック・ブルレ作詞・作曲

 

 

 

Everyone's Gone To The Moon

wiki : Everyone's Gone to the Moon

日本語訳例

 

Feelings

邦題:愛のフィーリング

 

確固たるピアノ技術のうえに魂の歌声。これはくるなー・・・