2006年11月13日月曜日

アニメ「岸辺のふたり」

岸辺のふたり
2000年 イギリス・ベルギー合作 / カラー・8分画像

監督・脚本・デザイン
 マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット
音楽監督
 ノルマン・ロジェ
 ドゥニ・シャルラン
音楽:「ドナウ川のさざ波」
 ヨシフ・イヴァノヴィッチ作曲




どこかのレビューに、ノルシュテインが見て「涙が止まらなかった」とコメントしている、と書かれてあったので、それなら見る価値あるでしょう思って、見てみました。
��分という短さが最高です。しかも、字幕など言葉が一切出てこないので絵に集中できます。
全編、逆光の設定、ワルツ曲・ドナウ川のさざ波が物悲しいピアノの独奏…カラー作品なのに、ほとんどモノトーン、話の出だし自体が別れるシーンからで…期待はずれのような気持ちで見始めました。
8分間終了。期待はずれだったのでは、という思いがはずれました。全てが地味であるといっていいこのアニメ、いったい何に心を揺さぶられたのか理解できませんでした。そしてもう一度8分
16分間終了。最初から悲壮感が漂っていて、ドナウ川のさざ波を敢えてピアノの独奏にしたのだろうと認識すると、逆光・モノトーン映像も悲壮感を出すための演出だと分かり、ハッピーエンドのようなラストも実は強烈な悲しみを描いていたのだということに気づかされ、涙が出ちゃいました。
ノルシュテインがある本に、「いつも父への想いが私を追っているのです」ということを語っていたのを思い出し、この作品に対し「涙が止まらなかった」というのが理解できました。
言葉や説明がないのに、これほどまでに気持ちが伝わってくる作品は貴重だと思います。

音楽と映像だけで楽しめる作品っていいですよね。

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