2006年11月29日水曜日

メタリカ Metallica

1986年、NHK-FMで♪ボヘミアンで有名な葛城ユキDJのラジオ番組を聴いていたら、メタリカ♪メタル・マスターが流れてきました。

その衝撃たるものすさまじく、なんでこんなに重くて金属質の音が出せるのか─メタリカにのめり込み、ヘビーメタルにのめり込んでいったのです。
この年はメタリカの3rdアルバム「メタル・マスター(Master of Puppets)」が発売され、同時にボン・ジョヴィのアルバム「ーtワイルド・イン・ザ・ストリーツ(Slippery When Wet)」が全米ナンバー1になり、続く1987年にはガンズ&ローゼズの「アペタイト・フォー・ディストラクション」、デフ・レパードの「ヒステリア」、ホワイトスネイクの「サーペンス・アルバス ~白蛇の紋章~」とヘビメタのアルバムが次々と全米ナンバー1となり、’80年代初期のヘビメタブームについで第二期ヘビメタブームと言われたものでした。

メタル・マスター」収録時のメンバー
ボーカル/ギター:ジェームズ・ヘッドフィールド
ドラムス:ラーズ・ウルリッヒ
ギター:カーク・ハメット
ベース:クリフ・バートン

ヘビメタバンドはメンバーの入れ替えが激しくて、先にあげたホワイトスネイクなどを例にあげると、「サーペンス・アルバス」制作前のメンバーは─
ボーカル:デービッド・カバーデイル
ドラムス:コージー・パウエル
ギター:ジョン・サイクス
ベース:コリン・ホッジキンソン

制作後─
ボーカル:デービッド・カバーデイル
ドラムス:トミー・アルドリッヂ
ギター:ジョン・サイクス(アルバム完成後、脱退)
ギター:エイドリアン・バンデンバーグ
ギター・ビビアン・キャンベル
ベース:ルディー・サーゾ

と総入れ替え状態です。ボーカルのデービッド・カバーデイルのワンマンバンドで、アルバムごとにメンバーを変えているのもありますが、ボン・ジョヴィのようにほとんどメンバー入れ替えがないバンドのほうがまれなのです。ついでにいうと、ビビアン・キャンベルは現在デフ・レパードのギターを担当しています。誰がどこへ行った、ということもヘビメタの楽しみ方なのかもしれません。

メタリカの場合も、結成当時のギタリストはデイブ・ムスティーン(現・メガデス)であったし、4thアルバム「メタル・ジャスティス」以降のベースはジェイソン・ニューステッドで、現在のベースはまた違う人らしいです。
ベースだったクリフ・バートンは、3rdアルバム完成直後、交通事故で亡くなっています。彼の損失はメタリカにとって非常に打撃だったはずです。4thアルバムでは低音が抑えられていて、ベースの音があまり聴き取れません。いかにクリフを重要視していたかが伺えます。
皮肉なことにクリフ亡き後、メタリカはどんどん成功していったのですが…。

1993年、僕は代々木第一体育館でのメタリカ・ライブへ行きました。ボーカルのジェームズがあまり歌わずに、なぜか新加入ベーシストのジェイソンが歌っていて、それほどうまくないし、ただ爆音だけが鳴り響いていて、その時、僕の中でメタリカは終わってしまいました。5thアルバム「METALLICA(通称:ブラック・アルバム)」までは聴きましたが─まさかスラッシュ・メタルメタリカが全米のトップになるなど想像すらしていなくて、驚きと拍手の意味を込めてアルバムを購入したのです。
その後、メガデスが売れる、イングベイ・マルムスティーンが売れる─頑張れば報われるものだなぁ、なんて思ってしまいます。

僕はすっかりヘビメタに興味を失ってしまいましたが、メタリカは順調に売れていて、「金に走っている」などと言われたりしています。
でも、彼らはスラッシュ・メタルという枠にはまることなく、自由に自分たちの音を探っているように思います。サンフランシスコ交響楽団と共演したライブアルバム「S&M シンフォニー&メタリカ」の映像を見ると、あの代々木体育館のころとは比べものにならない演奏で、確実に成長しているのだなぁと感心してしまいました。最新アルバムでは並行してドキュメンタリー映画を製作させたりして、常に何かを追い求めているように思うのです。
彼らがデビューしたてのころのインタビューで、憧れのバンドはモーターヘッドでそれを目指すんだ、というようなことを言っていました。確かに1stアルバム「キル・エム・オール」はモーターヘッドのような音楽を目指していたと思うのですが、2nd「ライド・ザ・ライトニング」以降、独自の音を追求しだして、今では、デビュー当時思っていたこととだいぶ違うものを追い求めているように思います。
多少自分たちを見失っている感もありますが、何か今までにないような音楽を作り出してくれることを、少しだけメタリカに期待いたしましょう。



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