2006年11月26日日曜日

Jessica  ジェシカ

音楽というのは具体的に見えないものであるから、個々人のイメージが非常に重要なものだと思います。
ある曲を聴いて、感じること・イメージするものは人によって違うわけで、故にその曲を大好きである人がいればそれを大嫌いだと言う人も当然いるのでしょう。
また、大嫌いだった音楽がイメージひとつで大好きになる場合もあると思うのです。

僕はオールマン・ブラザーズ・バンド(Allman Brothers Band)♪ジェシカが大嫌いでした。曲そのものが嫌いというのではなく、その曲のイメージが嫌いだったのです。
昔、某スーパーマーケットのテレビCMで♪ジェシカが流れていました。もの心ついたばかりの僕には、それが♪ジェシカだと理解しているはずもないのですが、その静止しているだけのCM画面に♪ジェシカが流れ、「さあおいで」みたいなナレーション…恐ろしいほどに寂しくて、格好悪くて、そのCMの全てが嫌いだったのです。
その後、オールマンを知り、当然♪ジェシカも知るに至ったのですが、あのひどいCMのイメージがあるものですから、積極的にオールマンの音楽を聴くことはありませんでした。

それが一転、♪ジェシカを好きになったのは、初夏の陽気のおかげでした。

自転車に乗りながらポータブルプレーヤーで音楽を聴いていると、♪ジェシカが流れてきました。嫌いなはずなのになぜ入っているのだろうと、不機嫌になりつつも、自転車の安全運転を優先にそのまま聴いていると、青空に白い雲─そして♪ジェシカ、それがみごとに一体化してちょっとした感動を覚えたのです。だから、サザン・ロックと言われちゃうのね、なんて思ったりして、それ以来♪ジェシカ含めオールマン・ブラザーズ・バンドをよく聴くようになりました。



オールマン・ブラザーズ・バンドはライブ音源を聴かなければ話になりません。僕はアルバム「フィルモア・イースト・ライブ(Live At Fillmore East)」を聴いて、♪ジェシカを好きになって良かったと改めて実感しました。♪ジェシカが嫌いなままだったら、素晴らしい音楽を見過ごすところだったのです。
そしてまた同時に、亡きデュアン・オールマンを惜しみ、♪いとしのレイラでのデュアンのプレイを再確認し、さらに♪ジェシカデュアンの死後の曲ということを知り、オールマン・ブラザーズ・バンドのすごさを感じるのです。

ライブでのオールマン、個人的には「フィルモア・イースト・ライブ」での♪ユー・ドント・ラブ・ミー(You don't love me)がお気に入りです。



音楽には聴くだけではなく、様々なイメージやドラマを発見していくことも一つの楽しみですよね。

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