2009年11月17日火曜日

東京交響楽団 東京オペラシティシリーズ 第52回

2009年 11/14(土) 6:00p.m.
東京オペラシティシリーズ 第52回

指揮=クリストフ・アーバンスキ
ピアノ=ペーテル・ヤブロンスキ


キラール:オラヴァ~弦楽オーケストラのための
ショパン:ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 作品21
ショパン:マズルカop.68-2(アンコール)
ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 作品95 「新世界より」

S\6,000 A\5,000 B\3,000 C\2,000

東京交響楽団 HPより


��月下旬にチケットを取ったコンサート。会場は超満員というほどでもなかったので、そんなに早く取らなくても良かったか─しかし、満員と呼ぶに等しいほどに人がいたので正解だったか。キラールの「オラヴァ」ということで、かなり焦って購入。5ヵ月も間があくと、気持ちの高まりもほとんどなく、あろうことか、億劫な気持ちにまでなってしまう。
雨風強い土曜日だったが、オペラシティは地下鉄から直結しているので天候関係なくスムーズに会場入り。座席はB席、3階、ステージに向かって右側。位置的にコントラバス方面は全く見ることができないが、コンサートマスター(大谷康子)の姿・指揮者・管楽などよく見える位置。2階・3階の中央席にも座ってみたいが、多少遠すぎないだろうか…。あのホールなら、一番いいのは一番前の中央の先頭だろうか。なかなか座れないだろうが…。

指揮者のクリストフ・アーバンスキ(Krzysztof Urbanski)は、ポーランド生まれ(1982-)の若きホープ。ヨーロッパで活躍、日本ではこの日がデビューとなる。

「オラヴァ(ORAWA)」は、ポーランドの作曲家ヴォイチェフ・キラール(Wojciech Kilar)の作品。オラヴァとはポーランド南部とスロバキア北部にまたがる保養地(スロバキアではORAVA)。その地方の豊かさを表現しているのか、複雑な歴史的背景をうたっているのか分からない。勝手に想像するに─
スロバキア北部の山岳地帯にキスツェーオラヴァ・スイッチバック鉄道軌道(The Kysuce-Orava Switchback Railroad)というものがあり、歴史的価値から文化財に指定されている。世界遺産の登録も目指したが、残念ながら願い叶わず、暫定リストからも削除されてしまっている。現在、短距離ではあるが観光客用に運行している。
─ということから、その地域そのものを表現したものではなかろうか。よく聴けば曲調が機関車のような…飛躍しすぎ・安直…。
演奏そのものはというと、安定したバイオリンで非常に素晴らしかった。耳だけで聴くと、とぎれとぎれのフレーズが巧妙に編集されているような印象なのだが、実際の演奏を目にすると、本当に演奏しているんだぁ、バカな発想…それくらいの驚きと新鮮さを感じる。9分ほどの演奏、まだ管楽も登場していないし、挨拶としてのプログラム1曲目なのだろうが、個人的にはもう目的を果たした感があり、会場に来るまでのテンションの低さとは比べものにならないくらいの満足感。

続いてショパン。ショパンの協奏曲は聴いたことがない。正直興味もそれほどないわけで、第1楽章は全く集中できず、頭に入ってこず。第2楽章の穏やかな曲調になるとようやく引き寄せられ、第2楽章は非常に気に入ってしまった。第3楽章になると、ショパンらしいフレーズが随所に表れ、これはショパンだ!とまたしても当たり前の感想を持ってしまう。面白みがない感想こそが、本当に感動している証拠、だろう…。
ピアノのペーテル・ヤブロンスキ(Peter Jablonski)はスウェーデン生まれ(1971-)。彼もポーランドの人かと思うほどのポーランド魂を感じる─あくまで個人的な感想として。ポーランド魂はともかくとして、演奏の素晴らしさは会場の反応が証明していた。拍手喝采のためアンコールも披露。

��0分の休憩─

最後はメインの「新世界」。第1楽章、第2楽章、さすがの演奏。第3楽章、なんか不思議な…今までに聴いたことがないような─新世界。第4楽章、非常に感動、しかし最後はあのような終わり方でいいのだろうか?と何か不思議な演奏で終了。懸命に拍手を送るが、結局、指揮者自らコンマスを舞台裏に引っ張っていってしまったので、アンコールはなし。やはり、自らは納得できなかったのか─。


以降、川崎、そして大阪フィルでクリストフ・アーバンスキ、ペーテル・ヤブロンスキが登場するとか。いずれも足を運ぶことはできないが、せめてその模様の記録など目にしたいものである。




2009年11月10日火曜日

Discipline

King Crimson / Discipline




Adrian Belew – guitar, lead vocal
Robert Fripp – guitar and devices (Frippertronics)
Tony Levin – Chapman Stick, bass guitar, support vocal
Bill Bruford – drums


キング・クリムゾンに関してはそんなに真剣に取り組んでこなかったが、幸いにも彼らに関して真剣な取り組みをなしているマニアがたくさんいるので、情報には困らない。情報を多く吸収したからといって、クリムゾンをよく聴いたつもりになってはまずいのだが─。
このアルバムが出た1980年代期のキング・クリムゾンは、評価が低いようだ。自分が気に入っているクリムゾンのアルバム、「In the Court of the Crimson King」「Red」そしてこの「Discipline」を聴き比べてみると、明らかに軽いという印象。それがマニアが敬遠する原因なのか分からないが、続いてリリースされたアルバム「Beat」「Three of a Perfect Pair:」に関しては、個人的にあまり好みではない。ジャケットのデザインはこの時期が最も気に入っているのだが─










評価が低い1980年代期のクリムゾンではあるが、「Discipline」は彼らの代表的作品として掲げられることも多いようだ。
以前のクリムゾンに無かった、トニー・レヴィンとエイドリアン・ブリューのトリッキーな演奏。それが最大の魅力であり懸念材料にもなっているのであろう。
自分としては、もうまさにレヴィンのためといっていいほどのこのアルバムは非常に魅力的であり、素晴らしい演奏を十分堪能できる。また、レヴィンやブリューに溶け込むように軽やかに、これまでとはまた違った演奏を繰り広げるロバート・フリップの演奏というか力量というか、その度量の深さに感服してしまう。
あらゆる解説を読むと、1曲目のElephant Talk(※無駄話という意味)に代表されるように、思想的な意味は全くないようで、Elephant Talkの歌詞といえばアルファベット順に言葉をランダムに並べただけのものだという。そこも、マニアにとっては気に入らない点であるようだが、彼らの音遊びを楽しむことができるならば、これほどのアルバムは無いように思う。
個人的には3曲目のMatte Kudasaiが非常に好きな曲。文字通り、日本語の“待ってください”という言葉を歌っているもの。その響きが気に入って、歌にしたらしい。ゆったりとしたメロディーと、バックで漂う装飾音が非常に心地よい。









2009年11月3日火曜日

Wichita Lineman

カサンドラ・ウィルソンのアルバム「Belly of the Sun」の中に
♪Wichita Lineman という曲がある。個人的に非常に気に入っている曲。

少し調べてみると─
��968年にジミー・ウェッブ作曲、同年グレン・キャンベルが歌い大ヒット。今日までに数々のアーテイストがカバーしていた。

Glen Campbell ver.


James Taylor ver.


REM ver.


Cassandra Wilson ver.



��EM、カサンドラのようなシンプルな演奏のほうがいいかな。