♪庭の千草という曲をご存知でしょうか。アイルランド民謡で小学校の唱歌にもなっているこの曲、僕は全然記憶にありませんでした。
Andre Rieu&His Johann Strauss Orchestraのアルバム「Andre Rieu in Concert」の中に♪The last roseという曲名で収録されていたのを、僕は初めて聴きました。
アンドレ・リュウ(Andre Rieu)、オランダ出身のバイオリニスト兼指揮者。自らヨハン・シュトラウス・オーケストラを結成し、ウインナワルツの演奏を中心に活動をしています。世界的にかなり有名なので、このような説明など必要ないかも知れませんが一応─。
♪The last roseは観客の大勢がハミングしていて、観客とオーケストラが一体となってひとつの作品を創り上げているので、とても感動的です。なぜこれほどまで、自然に観客が口ずさむのだろうと疑問に思い調べてみたら、それはアイルランド民謡だからだ、と分かったのです。
♪The last rose of summerはケルト音楽のアーティストらによってよく演奏されているみたいですが、クラシック音楽としてもよく演奏されているようです。
アイルランド民謡というと♪ロンドンデリーの歌(Londonderry Air)が一番有名だと思います。これも唱歌として載っているし、よく様々な形で演奏されていますが、やはり僕は幼いころに聴いたという記憶がありません。♪ダニー・ボーイ(Danny boy)としてこの曲を知ったのは、ビル・エバンス(Bill Evans)のアルバム「エンパシー(Empathy)」からでした。この曲の素晴らしさに感動した僕は、それからちょくちょくほかのアーティストが演奏している♪ダニー・ボーイを聴いては、ビル・エバンスは素晴らしい曲を残してくれたなーなんて勘違いしたものです。
時代を越えて歌い継がれてきたメロディーに心を惹きつけられるのは、当然なのかもしれません。しかし、どんなに曲が素晴らしくても、その曲に心を揺り動かさなければ、その曲はただ目の前を通り過ぎていくだけなのです。
僕が♪庭の千草、♪ロンドンデリーの歌を覚えていなかったのは、心を動かされなかったからかもしれません。また、♪ダニー・ボーイが素晴らしい曲であると自覚しても、すべての♪ダニー・ボーイが無条件に良いわけではありませんでした。有名が歌手が歌っていても、聴くに耐えない♪ダニー・ボーイもありました。
♪The last rose もしかしたら、観客のハミングがなかったら気に留めなかったかもしれません。クラシックのコンサートというのは、雑音など全く出してはいけないというイメージがあって、共に歌うなど僕は実際にできそうもありません。
欧米のクラシックコンサートの映像を見ると、結構一緒になって歌ったり踊ったりしていて、非常に楽しそうにみえます。
ヨハン・シュトラウス・オーケストラのコンサート映像などをみても、総指揮をしているアンドレ・リュウ自体がバイオリンを弾いたり踊ったりしているわけで、自然と観客も演奏に参加してくるわけなのです。しっかり指揮者としての務めを全うできているのか疑問ではありますが、♪The last roseの録音を聴くと、アンドレ・リュウという人は素晴らしいクリエーターなのだということがよく分かると思います。
民謡というのは誰でも鼻歌交じりで歌われてきたはずです。ゆえに大勢の人が共に歌うことによって、最高の♪The last rose of summerが出来上がっているのでしょう。
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