2007年10月31日水曜日

惑星(The Planets Op.32)

教えられるのではなく、自らすすんで聴こうとしたクラシック音楽は
グスタフ・ホルスト作曲の「惑星組曲」だった。

クラシックの世界で宇宙をテーマにした音楽があるのか─
と興味本位で聴いたものだったが
内容も素晴らしく気に入ってしまった。

普段は「火星」と「木星」をよく聴くのだが
ほかはあまり…
久々に7つの惑星すべて聴いてみようか─

火星、戦争をもたらす者
Mars, the Bringer of War


金星、平和をもたらす者
Venus, the Bringer of Peace


水星、翼のある使者
Mercury, the Winged Messenger


木星、快楽をもたらす者
Jupiter, the Bringer of Jollity


土星、老いをもたらす者
Saturn, the Bringer of Old Age


天王星、魔術師
Uranus, the Magician


海王星、神秘主義者
Neptune, the Mystic


2007年10月30日火曜日

ニニ・ロッソで黄昏て

♪皆殺しの歌 で少しだけトランペットの魔力に引き込まれ
トランペット奏者のCDをちょっとだけ手にとってみたり─

そして、ニニ・ロッソのCDなど買ってみたり…

水曜ロードショー オープニング
♪水曜日の夜 by ニニ・ロッソ


だんだん陽の傾き大きくなっている今日この頃
大いに黄昏てみてはいかがかと─

♪夜空のトランペット


2007年10月29日月曜日

ライフルと愛馬 皆殺しの歌

ジョン・ウェイン主演のウェスタン映画「リオ・ブラボー」
面白かったという印象は残っているけれども
残念ながらそのストーリーはあまりよく覚えていない。
リオ・ブラボー(1959) - goo 映画

しかし、映画の中で流れていた音楽はよく覚えている。
リッキー・ネルソンディーン・マーチンが出演していて
素晴らしい歌声で何曲か披露していたが
中でも2人が一緒に歌っていた
♪ライフルと愛馬
という曲が最も気に入っている。

My Rifle, My Pony and Me



この曲以上にインパクトがあったのは
映画全体のキーであり、終始流れ続けていた
♪皆殺しの歌
という曲だった。

Deguello


ひどいタイトルなのだが
非常に格好いい響きをしていて
これを四六時中流されたのならば
ハーメルンの笛吹きの音色のごとく
気持ちよく死への淵へと誘われていくような…
危ない魅力を持っている。

2007年10月27日土曜日

主よ、人の望みの喜びを

クラシックギターの楽曲に興味を持ちだしたころ
「主よ、人の望みの喜びを」という曲を懸命に練習した。
ゆったりとしていて、ほどよい長さだったので
頑張れば何とか弾くことができるだろうと思ったのだ。

しかし

非常に苦労して、きちんと弾けるんだか弾けないんだか
曖昧なままにこの曲から離れていった。

左手が非常に痛かったんです。

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guitar:David Russell
とてもじゃないですけど、こんな素晴らしい音色は出せません。

この曲はJ.S.バッハが作曲したものだと思っていましたが
厳密には
カンタータ147番 心と口と行いと生活で (BVW147)
という1部と2部で構成された計10曲の大カンタータを
バッハが作曲し
最後にあたる10曲目のコーラル合唱
ヘスという作曲家がピアノ曲に編曲したものが
「主よ、人の恵みの喜びを」なのだそうです。

カンタータ147番 コーラル合唱


主よ、人の望みの喜びを


��つのメロディーを同時に奏でるような
そういう感覚が必要で
それを身につけるまで
かなり苦しい思いもしました。


さて、この曲をもっと紐解いていくと
実はバッハがオリジナルではなくて
本当のオリジナルは
ヨハン・ショップという作曲家の
「我が気分よ、愉快なれ」
という曲らしい。
バッハがショップを拝借し
ヘスがバッハを拝借したという構図。
深過ぎる…

キリエ

高校時代、街を自転車でゆったりと走っていると
突然、前方から自転車で勢いよく現れた白人男性2に
行く手を阻まれた。

��0代前半と思われるその2人は
終始、にこやかに、親しげに話しかけてきた。
もっとも、それがかえって気持ち悪かったりしたのだが…

彼らはモルモン教徒だった。
その時点では、僕はそのことをもちろん知らない
彼らはとくかく、人々との交流を欲していたようだった。

数日後
指定された日時に
指定された場所へと足を運んでみた。

その場所が近所で
そこでは常になにかにぎやかに人々で溢れていたので
不安はあったが、恐怖は全く感じることはなかった。

白人男性2人と子供から大人まで十数人の日本人が
僕を温かく迎えてくれた。
そして、みんなで輪を作りお話が…

そのとき何を話していたか、ほとんど記憶がない。
キリストがアメリカの地に天から舞い降りたとか
僕は理解し難いことばかりだったからだろう。

僕が理解しようがしまいが
彼らはとにかく、まずは交流ありき、という姿勢だった。
「来週ハ、ミナでボーリングしまショウ」

ボーリングにも行きました。
楽しくなかったのか、その時の記憶が全くない。
唯一、1000円借りたのは覚えている。

そして、また来週、と…
正直、面倒に思えてきてしまい
それからしばらく、そこへは行かなかった、

��、3週間たったころだろうか
彼らから僕のところへ電話があった。
あ、そういえば1000円借りていた─

すぐさまお金を返しにいったが
彼らはお金などは問題ではなくて
もっと話を聴きにきてほしいということを言った。

時間がないという言い訳をして
彼らの誘いを断ると
��冊の本を僕にくれた。

モルモン書』とその表紙に題されていた。
それを少し読んでみて初めて
彼らが何をしているのか理解できた。

『モルモン書』はほとんど読むことなかった。
捨てはしなかったと思うのだが
その所在はいまはもう分からない。

しばしばMR.ミスターというバンドの
キリエという曲を聴くのだが
当時の記憶を少し思い出す。



追記─
僕はキリスト教徒ではない。





2007年10月26日金曜日

中島みゆき なんてどうでしょう?

中島みゆき などいいと思いますけど─、あ、いや…日本の第二国歌のことなんですけど。

きょう、TBSで“金八先生”を放送していたので
世情 をちらりと思い出しちゃいました。

いろんな意味ですごい音楽だと、改め思ってしまいます。
重すぎますが…

テレビ番組で中島みゆきの音楽がよく流れていますが
NHKの「プロジェクトX」での曲が良かった気がします。オープニングよりもエンディングのほうが気に入っているのですけど─…
ヘッドライト・テールライト



熱烈な中島みゆきファンでもなく─
ましてや、中島みゆきの曲をあまり知らないのですけれど…


「君が代」は寂し過ぎるので、ちょっと明るく
ファイト!などはどうでしょう。日本の第二国歌の件ですけど。

個人的には─
ホームにて という曲がものすごく好きなのですが…

どれも結構湿っぽいですかね。でも♪君が代 自体が湿っぽいわけなのだから、とことん哀愁を追求してもよいかと─
ブラジル国歌のような陽気さは、日本国歌には向いていないと思うのです。

─ですので…
中島みゆき でお願いします。

でじなみ DIGI-NAMI
中島みゆき研究所



第二の国歌とは─
決めるものじゃなくて
いつの間にかそう呼ばれるようになる
のでは?
……。

2007年10月25日木曜日

第二の国歌

イギリスではエルガー♪威風堂々
イタリアではヴェルディ♪ナブッコ
オーストリアではヨハン・シュトラウス♪美しく青きドナウ
フィンランドではシベリウス♪フィンランディア

というように、ヨーロッパなどでは第二の国歌というものが数多く存在しています。それらは、国歌以上に有名であり、もしかしたら国歌以上に国民から愛されているのかもしれません。


Pomp and Circumstance No.1


Nabucco Va, pensiero


An der Schoenen - Blaen Donau


Sleepy Sleepers - Finlandia Hymni


日本の第二国歌は何がいいのだろう…

2007年10月24日水曜日

世界の国歌

日本国歌である♪君が代
歴史的背景から、歌う・歌わないという議論が絶えませんが、僕はこの曲の歌詞とか内容とかという前にメロディーが全く好きになれません。なんでこのメロディーが国歌に使われ続けてきたのか理解できないのです。もっとよいメロディーを厳選したのであれば、歌詞の内容における論議もこんなにも深刻なものにならなっかた─、と思うのは、安易な考えなのでしょうか。

国歌の始まりはオランダ国歌♪ヴィルヘルムス・ファン・ナッソウエから
��9世紀のヨーロッパでは、ナショナリズムが台頭してしてくる中で、独立国家の象徴として国歌を採用するようになったそうです。
クラシック音楽の土壌であるヨーロッパ各国の国歌は、ナショナリズムを越えて、音楽鑑賞として楽しめるものが多い─、と思うのは、西洋音楽に慣らされてしまったということなのでしょうか。

画像カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー演奏
「ヨーロッパ国歌集」

ヨーロッパ国歌は大作曲家の作品を採用している国もあり、カラヤンとベルリンフィルが演奏すると一層素晴らしいものに聴こえてしまいます。

しかし─

偉大なるカラヤンは過去に、日本の♪君が代を“世界の国歌のうち最も荘厳なもの”と称えたという逸話があります。
さらに─
「君が代」は、1903年、ドイツで行われた世界国歌コンクールなるもので一等を受賞しているという事実がありました。
そんなにも♪君が代は素晴らしいものなのでしょうか。


画像小澤征爾 指揮
新日本フィルハーモニー演奏


世界の国歌 WORLD ANTHEM


2007年10月23日火曜日

カンティガス・デ・サンタ・マリア

ナルシソ・イエペス(Narciso Yepes)の「愛のロマンス」というアルバムを聴いたとき、1曲目に収録されている♪聖母マリア頌歌集(アルフォンソ10世)に大変感動してしまいました。
画像ナルシソ・イエペス
「愛のロマンス」
(1998)

ケルトのようなアラブのような西洋音楽─
民族音楽っぽくも聴こえるこの音楽は、13世紀にカスティーリャ王国アルフォンソ10世という王様が編纂したものでした。

カスティーリャ王国は10世紀前半から13世紀前半にイベリア半島に存在した王国。8世紀から10世紀にかけてイベリア半島を席巻していたイスラム王朝の後ウマイヤ朝にとって代わって、カスティーリャ王国が半島の中央部を支配するようになり、キリスト教国によるレコンキスタにおいて重要な役割を果たしました。つまり、イスラム文化と西洋文化が最も入り混じっていた時代だといえるのかもしれません。
アルフォンソ10世は、1251年から1282年まで在位して、政治面・軍事面においては失敗の連続だったものの、それとは逆に文化面において多大なる功績を残して、「賢王 (El Sabio)」と称されているほどです。そして、そのひとつが「聖母マリアのためのカンティガ(頌歌)集」という音楽集を編纂したことなのです。
編纂され現在まで伝わっている「聖母マリア頌歌集」は400曲以上もあるそうです。聖母マリアを称えた音楽はもちろんのこと、スペイン各地に伝わっている俗謡まで含まれているそうです。

アラブのような民族的な響きの所以は理解できました。

しかし─
イエペスが弾いていた♪聖母マリア頌歌 は「聖母マリア頌歌集」の中のどの曲なのだろう。400以上ある曲すべて録音されているわけではないというから、なかなか確認するのは難しいかなぁ…

画像Winsome Alfonso X (El Sabio)
「SPAIN Of Numbers and Miracles

Cantigas de Santa Maria - Por que

2007年10月22日月曜日

クラリネット三重奏曲

ドイツの三大B(バッハ、ベートーベン、ブラームス)など言われている作曲家のうち、個人的にではあるけれど、ブラームスだけはなぜか馴染みが薄いように思う。たまたまブラームスの音楽に触れる機会が少なかっただけかもしれないが─。

それでもやはり好きな音楽はあるものだ。


クラリネット三重奏曲 イ短調 作品114
Trio for Piano, Clarinet and Cello in A minor, Op. 114

第1楽章 アレグロ
I. Allegro
第2楽章 アダージョ
II. Adagio
第3楽章 アンダンティーノ グラツィオーゾ
III. Andantino grazioso
第4楽章 アレグロ
IV. Allegro



第2楽章を非常に気に入っている。正直なところ、第2楽章以外はほとんど聴かないのだが─


Washington Musica Viva
Trio in A minor, Op. 114 for clarinet, cello, & piano
(from the first rehearsal)
Adagio


2007年10月21日日曜日

D956 Op.163

中学校のころ、音楽の授業でシューベルトを描いた映画「未完成交響楽」を見た。貧困の中で作曲し続けて、挙句の果てにはよく分からない独りよがりな失恋と─、あまりにも悲しいその物語のせいでシューベルトの音楽すべてがあまりに悲しく聴こえるようになってしまい、以来、素直にその音楽を受け入れられなくなってしまった。
シューベルトは数多くの歌曲を作曲しているため歌曲王と呼ばれている─、そういえば「魔王」も授業で聴かされ、その悲劇的なストーリー展開とおどろおどろしい響きをどうしても受け入れ難かった記憶がある。
「魔王」には作品番号1(Op.1)がつけられている。つまりは、シューベルトの作品の中で一番最初に出版されたもので、つまりデビュー作といえる。シューベルトが18歳ころの作品。若いのにずいぶんと大人びた作品で世に出たものだと思ってしまう。もっとも、ドイチュ番号は328(D328)ではあるけれど─。
オットー・エーリッヒ・ドイチュがまとめたシューベルト年代順作品表題目録であるドイチュ番号はD998まで存在する(参:trovar.com)。中にはドイチェ番号もついていないシューベルトの作品も存在し、すなわち、シューベルトは31年という短い生涯の間に最低でも1000以上は作曲しているわけだ。ブラボー…
これだけ偉大な作品を残しているのならば、1つぐらい気に入る曲があるわけで、自分にとってそれは、弦楽五重奏曲 ハ長調(D956 Op.163)であった。
弦楽四重奏(通例:バイオリン2、ビオラ、チェロ)にもうひとつ弦楽器を加えると弦楽五重奏となり、多くの弦楽五重奏曲の場合、バイオリンかビオラを加えるところをこのシューベルト弦楽五重奏曲ではチェロが加えられていて、それゆえ低音域の響きが充実している…ということなのだが、正直、弦楽四重奏自体ほとんど聴かないし、五重奏などこの作品しか知らないわけで、その違いがよく理解できていない。しかし、その低音の響きは聴いていて非常に心地よいものであり、それゆえにこのD956 Op.163を気に入ったのだと思う。


弦楽五重奏曲 ハ長調
String Quintet in C Major D956 Op.163

 第1楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ
       Allegro ma non troppo
 第2楽章 アダージョ
       Adagio
 第3楽章 「スケルツォ」(プレスト) -
       「トリオ」(アンダンテ・ソステヌート)
       Scherzo: Presto - Trio: Andante sostenuto
 第4楽章 アレグレット
       Allegretto


第2楽章が評価が高く、知名度も高いということだが、個人的には第3・第4楽章のほうを好んでいる。


第3楽章 「スケルツォ」(プレスト)
        - 「トリオ」(アンダンテ・ソステヌート)


第4楽章 アレグレット




2007年10月20日土曜日

魔笛の主題による変奏曲

��8世紀後半から19世紀前半、モーツァルトらが活躍していたヨーロッパ音楽・古典派の時代、バルセロナ生まれのフェルナンド・ソルという素晴らしいギタリスト兼作曲家もまた、活躍していました。ソルが残した数々のギター曲や、教則本までもが、ギターの基本として重宝されています。

ソルが同時代にモーツァルトの「魔笛」を聴いて、衝撃を受けたのか、「魔笛の主題による変奏曲」というギター曲を作っています。1つの主題を5つの変奏パターンで構成されています。
僕はこの曲を、現代クラシック・ギター奏法の父と呼ばれているアンドレス・セゴビアが演奏しているバージョンで、初めて聴きました。5つの変奏曲で分かれて構成されているにもかかわらず、すべてが一体となって流れるように演奏されるこの曲・この演奏は非常に素晴らしいものです。おそらく、この曲の中にも1/f揺らぎが含まれていることでしょう。ぜひ癒やされてください。

魔笛の主題による変奏曲
作曲:F.ソル 演奏:A.セゴビア 


ちなみに─
この曲の主題となっている部分は、モーツァルトの『魔笛』第一幕で歌われている「Das klinget so herrlich(なんと美しい音)」という歌曲なのだそうです。本物の1/f揺らぎも聴いてみてはいかがでしょうか。→ Das klinget so herrlich

2007年10月19日金曜日

モーツァルト ベスト20

第1位 「レクイエム」より“ラクリモーザ”
第2位 「トルコ行進曲」
第3位 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
第4位 「魔笛」より“復讐の心は地獄のように”
第5位 「フィガロの結婚」序曲
第6位 「交響曲第40番」
第7位 「フィガロの結婚」より“恋とはどんなものかしら”
第8位 「交響曲第25番」
第9位 「きらきら星変奏曲」
第10位 「フルート四重奏曲」
第11位 「交響曲第41番『ジュピター』」
第12位 「ディベルティメント第17番」
第13位 「春への憧れ」
第14位 「フルートとハープのための協奏曲」
第15位 「アヴェ・ヴェルム・コルプス」
第16位 「クラリネット協奏曲」
第17位 「ピアノ協奏曲 第21番」
第18位 「アレルヤ」
第19位 「そりすべり」
第20位 「魔笛」序曲

題名のない音楽会21」で2005年に発表されたものらしいです。実際にベスト3でも聴いてみましょうか─

「レクイエム」より“ラクリモーザ”


「トルコ行進曲」


「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」第1楽章


どうです?元気になりましたか?

2007年10月18日木曜日

モーツァルトで癒やされよう

モーツァルトの音楽を聴くと癒やされると、世間で盛んに言われています。高周波であることと、1/f揺らぎという効果があることが大きな要因だそうです。
癒やし効果ばかりではなく、様々な事柄に大変よい影響を与えるということなので、どんな効果があるのか少し調べてみました。

難聴、脳神経系の病気の治癒
免疫力を高め、がんに対し威力を発揮
インフルエンザやアトピー、感染症などの改善
過食を防ぎ、ダイエット体質の改善
美肌力
睡眠障害解消
集中力や発想力
お酒がおいしくなる
うどんがおいしくなる
植物が早く育つ
納豆菌が繁殖する   など─

表面上のピーアール文章だけを羅列しただけなので、真意はどうなのか分かりませんが、これだけのことが書かれるということは、やはり何かしらの効果はありそうな気がします。

ともかくも、少しでも心を癒やすためにも、モーツァルトを聴いてみましょう。

“癒” “モーツァルト” という冠がついたCDもたくさん発売されています。その中、「癒しのモーツァルト ベスト・ランキング20!」というCDが気になりました。

画像癒しのモーツァルト
 ベスト・ランキング20!

ハンガリー国立歌劇場合唱団
崔岩光 (演奏), グッリ(フランコ) (演奏), グラーフ(ペーター=ルーカス) (演奏), ヤンドー(イエネ) (演奏), その他

ウェブ投票で20位に入った曲を集めたらしいです。順位と曲順は一致しているわけではなく、本当の順位はCDを買うまで分からないとか。

��枚組みCD、その1曲目は、♪ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調K.364(320d)~第3楽章 という曲。
偶然にも、僕が昼に買い物に行ったスーパーの食堂広場でその曲が流れていました。何となくうれしくなって、食堂には用もないのにふらふら歩いていると、ベビーカーに乗った子供が、口を半開きにした状態ですやすや眠っていました。その開いている口をよく見ると麺が少々入っているではありませんか。ああ、なんと至極の子供だろう…。
モーツァルトの音楽には、何かに夢中になっている者をも眠らせてしまうくらい、癒やしの効果があるのでしょうか。ならば自分もモーツァルトに癒やされるとしますか─。

2007年10月17日水曜日

Ubu Web

 UbuWeb  というサイトをご存知でしょうか。
Kenneth Goldsmithという人が設立した、アバンギャルドな作品(映画、音楽、詩など)をアーカイブしているサイトです。
Englishサイトなので読み解いていくのは非常に苦しいのですけれど、中身は宝の山なのです。
フルクサス、ミニマル、シューレアリスム、ダダ…現代芸術の作品がたくさんため込まれています。
ジョン・レノンの映像作品なんかもありまして、非常に珍しくて面白いものでした。
日本人の作品も含まれています。小野洋子の作品はもちろん、「寺山修二&谷川俊太郎のビデオレター」といった作品などもありました。

「インプロヴィゼーション―即興演奏の彼方へ」(デレク・ベイリー著)という本について少し記述したことがありましたが、その内容に基づいて作成されたようなテレビ番組映像などもアーカイブ化されていて、かなり興奮してしまいました。

 Ubu Web : Derek Bailey 

変なものに大いに興味をお持ちの方は、ぜひ覗いてみてはいかがでしょうか。もっとも、すでに知っているという人のほうが多いかもしれませんが─。

U B U W E B
http://www.ubu.com/


2007年10月16日火曜日

絵と音楽

普段聴いている音楽は、何層にも音が重ねられているものが多いもので、そんなものばかり聴いていると、その反動というのでしょうか、ものすごくシンプルな音楽を聴きたくなります。
ギターソロとかピアノソロといった、器楽の独奏ものがよいのかもしれませんが、音の動きを極力抑えたミニマル音楽などが最もシンプルに聴こえると勝手ながら思っているので、耳から頭の中が飽和状態の今、モートン・フェルドマン(Morton Feldman)の「ロスコ・チャペル(1971年)」を聴いています。

画像Morton Feldman
Rothko Chapel
; Why Patterns?

抽象画家のマーク・ロスコに捧げられたというこの作品─
シンプルで不可思議な旋律で、いかにも現代音楽という響き。
ジャケットのロスコの絵を見ながらロスコを聴くと、何となく統一されたイメージが沸いてくるような気が…。

モートン・フェルドマンは図形楽譜を提唱したと解説されてありました。
後に彼は「結局は演奏家に好き勝手に楽譜を解釈され、自分の意図と違うものを聞かされる」と不満を抱いて、図形楽譜を放棄したらしいのだが─。

図形楽譜というのは、見ている分には面白くて自分勝手に様々なイメージを浮かべることができるのではあるけれど、これがいざ楽譜だと思い始めると、戸惑いから逃げることができなくなってしまいます。


「ピアノのためのコロナ」 作曲:武満 徹
画像


「Sixty-two Mesostics Re Merce Cunningham」
作曲:ジョン・ケージ

画像



「+ -」 作曲:小杉武久

画像



面白いとは思いますが─
どうやって弾けばいいのでしょう。
解釈は自由なのでしょうけれど、一つ一つにかすかな指定などもあるので、それら一つ一つ覚えていかなければならないとするならば、非常に面倒です。
面白いとは思いますが…

さて、どんな音楽が聴こえてくるのか─
それは各自で確かめてください。
ごめんなさい…

2007年10月15日月曜日

壊れかけの Yankees

大リーグもプロ野球もプレーオフで盛り上がっています。
アメリカでは、最大年俸を支払っているニューヨーク・ヤンキースが、今年も、早々と姿を消してしまいました。日本では、巨人がこれからプレーオフに登場してきますが、さてどうなることやら─。

ヤンキースが敗退し、今年のオフに注目されるのは、監督から選手全員に至るまでの去就でしょう。トーリ監督はもちろん厳しい立場にあります。そして、やはり今年も噂されるのは松井秀喜は放出されるのではないかということ。また、Aロッドはどうするのか─、ということも騒がれているようです。個人的には、トーリも松井もAロッドも、みんなよくやったと思うのですが…。
いずれの話も強くてお金持ち球団ならではの噂でしかなく、現在のヤンキースはチャンピオンになってないとはいえ、非常に強くて魅力なチームであることには変わりないと思うのです。
シーズン前半はプレーオフも考えられない状態だったチームが驚異の粘りを見せて、あわや大逆転優勝にもなろうかという巻き返しには、興奮した人も多いと思います。
糾弾されるべきは、その投手陣であって、監督でも松井でも、ましてや大活躍したと言っていいAロッドでもないのです。

��982年から1995年まで、ヤンキースはプレーオフにも出場できなかった状態が続き、1996年にトーリ監督が就任するとプレーオフ常連チームとなり、1998年から2000年まで3年連続でワールドチャンピオンにもなっているのです。80年代の低迷期に比べたら、現在はまだ黄金時代だと言っていいのです。

そんなヤンキースが低迷している時代に、「Yankees 」というタイトルのアルバムがリリースされています。

画像Yankees
Derek Bailey
George Lewis
John Zorn
(1982)

フリージャズ、インプロビゼーションの応酬…
構築しようというものは何一つ感じられず、ただただ破壊があるのみ…
デレク・ベイリーの旋律なしのギター音…
ベイリーに憧れる若きジョン・ゾーンの歓喜のサックス、もちろんメロディーなどない
さらには、ジョージ・ルイスのトロンボーンまでもが雄叫びを…
��つの曲全てに曲名がついているが、何故タイトルがついているのか全く分からないくらい、壮絶なフリーインプロビゼーションが続く─。

このアルバムがリリースされた年からニューヨーク・ヤンキースの低迷が始まるのですが、その低迷がこのアルバムに反映されているのか、あるいは、このアルバムがヤンキースの低迷を招いたのかは分かりません。
さすがに、このアルバムのせいでヤンキースが低迷したなどとは誰も思わないことでしょうけれど、このアルバムを聴きながら、ヤンキース低迷の理由はこのアルバムのせいだという説明されたとしたならば、もしかしたら信用してしまう人もいるかもしれません。それくらい「Yankees」は壊れたアルバムなのです。

ニューヨーク・ヤンキースはもはや駄目になってしまっていると思っている方は、このアルバムを聴いてみてはいかがでしょうか。


ちなみに─
昔、僕は一度だけこのアルバムを聴いてすぐに手放しました。

2007年10月14日日曜日

Before We Were Born

ビル・フリゼールというギタリストを非常に気に入っている。
自分が最初に読んだ彼の解説は「浮遊感がある」とか「ふわふわしている」と表現されているもので、事実、比較的初期の作品ではボリュームペダルを多用しているために、そのように形容されるのは必然なのだろう。
しかし、彼の最大の魅力といったら、なんと言ってもその幅広い音楽性にあるのではなかろうか。
ジャズにカテゴライズされているだけあって、スタンダードはもちろんこなし、一方でジョン・ゾーンとよくコラボレートしているように、フリー系統の作品も多い。
そうかと思えば、カントリー音楽を追究したアルバムを出してみたり、バスター・キートンの無声映画のためのアルバムを作ってみたり、抽象画家の作品のための音楽を作ったり、マドンナやボブ・ディランのカバー曲を弾いてみたり、ブラスバンドからジャズそして時にロック・時にポップス…とにかく技をいろいろと持っている人なのだ。

ビル・フリゼール名義アルバムで最も気に入っているのが
「Bfore We Were Bron」である。

画像Bill Frisell
Before We Were Born
(1989)

彼の特徴である浮遊感はもちろん、ジャズ・ロック・ポップス(はないかもしれないけれど…)あらゆる要素がごった煮状態で、なおかつ最高にはじけた音を奏でている。彼の穏和な容姿からは想像もできない音が、突如として表れる。
彼のアルバムの中で一番やかましく、アバンギャルド性が最も高いので、これだけを聴いたら彼の音楽そのものを勘違いして捉えられかねないのだが、彼の本質はこのアルバムの中に収まっているはずだ。


2007年10月13日土曜日

映画史上の偉大な音楽映画 31位~50位

イギリスの情報誌「タイムアウト・ロンドン」が、「映画史上の偉大な音楽映画ベスト50」を発表

��1位~50位─




31 ストップ・メイキング・センス Stop Making Sense
トーキング・ヘッズのドキュメンタリー
(ジョナサン・デミ  Jonathan Demme, 1984)

32 Charlie is My Darling
ローリング・ストーンズの最初のドキュメンタリー。アイルランドに滞在した2日間を記録したもの
(ピーター・ホワイトヘッド Peter Whitehead, 1966)

33 楽聖ワグナー Magic Fire
リヒャルト・ワーグナーの伝記映画
(ウィリアム・ディターレ William Dieterle, 1955)

34 サン・ラー:ジョイフル・ノイズ A Joyful Noise
(ロバート・ムッジ Robert Mugge, 1980)

35 歌え!ロレッタ愛のために Coal Miner’s Daughter
(マイケル・アプテッド Michael Apted, 1980)

36 ラストデイズ Last Days
ニルバーナのボーカル、カート・コバーンの最後の2日間を描いたドラマ
(ガス・バン・サント Gus Van Sant, 2006)

37 Wonderful Life
クリフ・リチャード&ザ・シャドウズ主演のミュージカルコメディー
(シドニー・J・フューリー Sidney J Furie, 1964)

38 ラウンド・ミッドナイト 'Round Midnight
ジャズ・ピアニスト、バド・パウエルをモデルにしたドラマ
(ベルトラン・タヴェルニエ Bertrand Tavernier, 1986)

39 Watch the K Foundation Burn a Million Quid
テクノユニット、THE KLFが100万ポンドを焼いた行為を記録したもの
(Gimpo, 1995)

40 アンナ・マグダレーナ・バッハの日記 The Chronicle of Anna Magdalena Bach
バッハの半生を、バッハの後妻だったアンナ・マクダレーナ・バッハを語り部として描いたドキュメンタリードラマ
(ダニエル・ユイレジャン=マリー・ストローブ Daniele Huillet & Jean-Marie Straub, 1968)

41 ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ Buena Vista Social Club
ライ・クーダー
とキューバのミュージシャンで結成されたブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのドキュメンタリー
(ヴィム・ヴェンダース Wim Wenders, 1999)

42 魂の詩 Soul to Soul
ガーナで行われコンサートを記録したもの
(デニス・サンダース Dennis Sanders, 1971)

43 ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ Hilary and Jackie
(アナンド・タッカー Anand Tucker, 1998)

44 メイド・イン・シェフィールド Made in Sheffield
ポストパンク・ムーヴメントを追ったドキュメンタリー
(Eve Wood, 2001)

45 真夏の夜のジャズ Jazz on a Summer’s Day
��958年に行われたニューポート・ジャズ・フェスティバルを記録したドキュメンタリー
(バート・スターン Bert Stern, 1959)

46 So You Wanna Be A Rock 'n' Roll Star?
(Mark Kidel, 1976)

47 レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ Leningrad Cowboys Go America
フィンランドのロックバンド、レニングラード・カウボーイズのロードムービー
(アキ・カウリスマキ Aki Kaurismaki, 1989)

48 MC5: A True Testimonial
米ロックバンド、MC5のドキュメンタリー
(David C Thomas, 2002)

49 サイン・オブ・ザ・タイムス Sign O’ The Times
プリンスのコンサートを記録したもの
(プリンス Prince, 1988)

50 5人の週末 Catch Us If You Can
デイブ・クラーク・ファイブ主演のコメディードラマ
(ジョン・ブアマン John Boorman, 1965)



以上、映画史上の偉大な音楽映画50でした。


 1~10位までは─こちら
��1~30位までは─こちら

2007年10月12日金曜日

映画史上の偉大な音楽映画 11位~30位

イギリスの「タイムアウト・ロンドン」という情報誌が、「映画史上の偉大な音楽映画ベスト50」というものを発表

今回は、11位~30位─



11 ラスト・ワルツ The Last Waltz
ザ・バンドの解散コンサートを記録したドキュメンタリー
(マーチン・スコセッシ Martin Scorsese, 1978)

12 ルード・ボーイ Rude Boy
英パンクバンド、クラッシュのドキュメンタリーと虚構を交えた映画
(ジャック・ハザンデービッド・ミンゲイ Jack Hazan, David Mingay, 1980)

13 スコット・ウォーカー 30世紀の男 Scott Walker: 30 Century Man
(スティーブン・キヤク Stephen Kijak, 2006)

14 ウディ・ガスリー わが心のふるさと Bound for Glory
米フォークシンガー、ウディ・ガスリーの伝記映画
(ハル・アシュビー Hal Ashby, 1976)

15 ザ・メタルイヤーズ The Decline of Western Civilization Parts I & II
LAメタルの実情を追いかけたドキュメンタリー
(ペネロープ・スフィーリス Penelope Spheeris, 1981, 1988)

16 悪魔とダニエル・ジョンストン The Devil and Daniel Johnston
シンガソングライターでアーティストのダニエル・ジョンストンのドキュメンタリー
(ジェフ・フォイヤージーグ Jeff Feuerzeig, 2005)

17 スィート・ドリーム Sweet Dreams
米カントリー・シンガー、パッツィ・クラインの半生を描いたドラマ
(カレル・ライス Karel Reisz, 1982)

18 ジャズ・サヴァイヴァー Notes from a Jazz Survivorジャズサックス奏者、アート・ペッパーのドキュメンタリー
(ドン・マクグリン Don McGlynn, 1982)

19 エルガー ある作曲家の肖像 Elgar
英・作曲家、エルガーのドキュメンタリー
(ケン・ラッセル Ken Russell, 1962)

20 Rust Never Sleepsライブ録音された同名アルバムをフィルムバージョンとしてヤングがリリースしたもの
(ニール・ヤング Neil Young, 1979)

21 LONDON CALLING/ザ・ライフ・オブ・ジョー・ストラマー The Future is Unwritten
クラッシュのジョー・スマトラーのドキュメンタリー
(ジュリアン・テンプル Julien Temple, 2006)

22 'DiG!'
ブライアン・ジョーンズタウン・マサカーとザ・ダンディ・ウォーホルズという2つのバンドを長年にわたって追いかけたドキュメンタリー
(オンディ・ティモナー Ondi Timoner, 2004)

23 メタリカ:真実の瞬間 Some Kind Of Monster
米ヘビーメタルバンド、メタリカのドキュメンタリー
(ジョー・バーリンジャー&ブルース・シノフスキー Joe Berlinger, Bruce Sinofsky, 2004)

24 ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!  A Hard Day's Night
ビートルズの架空の一日をドキュメンタリータッチで描いたドラマ
(リチャード・レスター Richard Lester, 1964)

25 ジミ・ヘンドリクス Jimi Hendrix
ジミ・ヘンドリクスのドキュメンタリー
(ジョー・ボイド Joe Boyd, 1973)

26 シド・アンド・ナンシー Sid and Nancy
パンクバンド、セックス・ピストルズのベーシスト、シド・ビシャスの恋愛ドラマ
(アレックス・コックス Alex Cox, 1986)

27 ザ・シンガー Elvis
エルビス・プレスリーのドキュメンタリー
(ジョン・カーペンター John Carpenter, 1979)

28 カンザス・シティ・ジャズの侍たち The Last of the Blue Devils
モダン・ジャズ発祥の地、カンザス・シティーを舞台にしたジャズドキュメンタリー
(ブルース・リッカー Bruce Ricker, 1980)

29 ラフ・カット&レディ・ダブド Rough Cut & Ready Dubbed
��0年代後半の英パンク・ドキュメンタリー
(ハーサン・シャー、ダム・ショウ Hasan Shah & Dom Shaw, 1981)

30 アマデウス Amadeus
モーツァルトのドラマ
(ミロス・フォアマン Milos Forman, 1984)



本当に様々な音楽映画が存在するものです。
あらゆるジャンルのドキュメンタリーがずらりと並んでいるので、ひとつひとつ見ていくとかなり音楽というものを吸収できるのかもしれませんが、全てを見ると非常に疲れるでしょうねぇ─、体力的にも精神的にも…。

次回ラスト、31位~50位まで記載します。

2007年10月11日木曜日

映画史上の偉大な音楽映画 1位~10位

イギリスの「タイムアウト・ロンドン」という情報誌が、「映画史上の偉大な音楽映画ベスト50」というものを発表したそうです。
これは、実在のミュージシャンのドキュメンタリーや主演しているドラマを対象にしたもので、架空のミュージシャンを扱ったドラマなどは含まれていないようです。
順位のほうはあくまでも参考程度と捉えたほうがいいと思いますが、この50本は大いに重要な映画であるといえるでしょう。

まずは1位~10位までを─



1 Superstar: the Karen Carpenter Story

カーペンターズのカレンの生涯を、バービー人形を使って描いたもの(日本未公開)
(トッド・ヘインズ Todd Haynes, 1987)

2 ドント・ルック・バック Don't Look Back
ボブ・ディランのドキュメンタリー
(D.A.ペネベイカー DA Pennebaker, 1967)

3 ローリング・ストーンズ・イン・ギミー・シャルター Gimme Shelter
ローリング・ストーンズのドキュメンタリー
(デビッドアルバート・メイズルスシャーロット・スウェリン David Maysles/Albert Maysles/Charlotte Zwerin, 1970)

4 24アワー・パーティ・ピープル 24 Hour Party People
英国マンチェスターで活動したファクトリー・レーベルの全貌を描いたドラマ
(マイケル・ウィンターボトム Michael Winterbottom, 2002)

5 トプシー・ターヴィー Topsy-Turvy

19世紀末のイギリスで人気を誇った喜歌劇を題材にしたドラマ
(マイク・リー Mike Leigh, 1999)

6 モンタレー・ポップ Monterey Pop
1967年に行なわれた野外フェス、モンタレー・インターナショナル・ポップ・フェスティバルの記録映画
(D.A.ペネベイカー DA Pennebaker, 1968)

7 Be Here to Love Meテキサスのシンガー・ソングライター、タウン・ヴァン・ザントのドキュメンタリー(日本未公開)
(マーガレット・ブラウン Margaret Brown, 2004)

8 グレン・グールドをめぐる32章 Thirty Two Short Films about Glenn Gould
カナダ出身のピアニスト、グレン・グールドの伝記映画
(フランソワ・ジラール Francois Girard, 1993)

9 コックサッカー・ブルース Cocksucker Blues
ローリング・ストーンズのドキュメンタリー(日本未公開、上映禁止)
(ロバート・フランク Robert Frank, 1972)

10 バード Bird
チャーリー・パーカーの生涯を描いたドラマ
(クリント・イーストウッド Clint Eastwood, 1988)


��位の「Superstar: the Karen Carpenter Story」は、日本で劇場公開もされてなければテレビなどでも全く放映されていないようです。バービー人形を使ってシリアスに展開しているこのドラマ、ぜひ見てみたいものです。
見てない作品が多いのですが、個人的には8位の「グレン・グールドをめぐる32章」を非常に気に入っています。



次回は11位~30位までを掲載します。

2007年10月10日水曜日

“Spirit in the Sky”祭り

僕が初めて♪Spirit in the Skyを聴いたのが1986年、ドクター&ザ・メディックスというバンドが演じていたもの。
とても格好いいとは言えない奇抜なメイクや衣装には馴染めないものを感じましたが、曲は非常によく、曲だけは好きになりました。

♪Spirit in the Sky / Doctor & The Medics (1986)


時を経て、この曲のオリジナルはノーマ・グリーンバウムが1970年にリリースしたものだと分かりました。

♪Spirit in the Sky / Norman Greenbaum (1970)

��*音量が非常に低いです)

ドクター&ザ・メディックスのバージョンは、カバーではなくコピーに過ぎたかった…

♪スピリット・イン・ザ・スカイは、ほかにも様々なアーティストにカバーされているらしい。
��003年にギャラス・ゲイツがThe Kumarsと一緒に演じたものは、音も映像もなかなか楽しい。
The Kumarsとは、イギリスのドラマ「The Kumars at No.42」で登場するインド人家族・Kumars家の人々だとか。

♪Spirit in the sky/Gareth Gates and the Kumars(2003)


ギャラス・ゲイツはアコースティックバージョンでも♪スピリット・イン・ザ・スカイを歌っているようです。かなりブルージーで、カバーするならこれぐらい変化させるべきだと思うのですけれど…。

♪Spirit in the Sky acoustic / Gareth Gates (2003)


面白いものとしては、DJ Zebraが、ゴールドフラップ♪Ooh La Laと♪スピリット・イン・ザ・スカイをリミックスさせたもの。ZZtopも登場してきたり、かなり楽しめます。

♪Ohh La Grange In The Sky / DJ Zebra


以上、今日の祭りは終了いたしました。

2007年10月9日火曜日

音の記憶

アメリカの神経科医であり作家のオリバー・サックスが書いた「火星の人類学者」という本の中に、脳に障害を負ってしまった青年グレッグの実話が載っている。
画像火星の人類学者
脳神経科医と7人の奇妙な患者

オリヴァー サックス
(1997)

1960年代後半から70年代に、ヒッピームーブメントの中に飲み込まれたグレッグは、宗教団体に参加すると瞑想や精神世界というものにのめり込んでいき、脳に腫瘍ができとことも知らずに瞑想にふける毎日。しかし、さすがに彼の異常に気がついた教団側が彼を両親の元に帰すが、すでに彼の病状はかなり悪化しており、脳からグレープフルーツ大の腫瘍が摘出された。一命は取りとめたとはとはいえ、彼の記憶システムは奇麗に取り去られてしまった。
グレッグの70年代の記憶はすべて無くなって、同時に極度の健忘症になってしまい、現在進行で起こっている出来事も1分と記憶していることができない。
しかし、60年代の記憶はかなり残っているらしく、特に60年代後半の音楽の記憶はかなり鮮明だ。1969年のセントラル・パークでのグレイトフル・デッドのコンサート、フィルモア・イーストでの数々の名演、彼の中では今でも過去が現在のような感覚らしい。
物事を1分と記憶できないために、しっかりとした会話も5分と持たないらしいのだが、60年代後半の音楽の話をすると、ずっと会話が続く。さらに、文章にメローディーやフレーズをつけて教えると、新しい物事を全く記憶できないはずのグレッグが、長い時間を置いてもそれらの文章を思い出すことができるのだという。
音の記憶とは普通の記憶とは違うのだろうか。
��991年、グレッグは久々にグレイトフル・デッドのコンサートを見いく。彼の記憶力の回復、大きな願いが込められていた─…、果たしてグレッグの記憶はどうなったのか!?

気になる方は自分で本を読んでみてください。グレッグの物語を含め7つの興味深い実話が収められています。

2007年10月8日月曜日

キースを聴きながら─

キース・ジャレットの「The Koln Concert」を聴きながら都バスに身を委ねてゆらゆら揺られていました。

素晴らしいインプロビゼーション─、洗練されたアバンギャルド─…

イヤホンをしながらその音楽の世界に浸っていると、これを超える音楽なんてないなという変な確信が生まれてくる。それ故、聴いている曲が静寂になると、周りの雑音がよけいに大きく・強く聞こえてくるのだが…。

キース・ジャレットを超える革命的な音楽など存在しないという錯覚を覚えたころ、ピアノの音が静けさを持つようになり、ふと右斜め前の席に座っている年配の男性に目を向けると、イヤホンをして音楽を聴いているようだった。その視覚とともに、ゴロゴロgろzgROO…ピピピPpp…という音楽に似ても似つかない雑音が聞こえてきた。まさか、前の年配男性が聴いている音楽の音漏れなのか!?それにしても、なんという爆音で聴いていることか─、いやその前になんというアバンギャルドな音楽を聴いていることか!?自分は、果たして、キースで満足していいのか…このさっきまで最強のアバンギャルドだと思っていたものが、急に無難な守りのような音楽に思えてきた。
もはや、メインのはずのキースの音は聴こえない。自分の耳にある片方のイヤホンを外し、必死にアバンギャルドな音を追い求めた。
男性は何を聴いているのか、悠然と居眠りをしているような姿勢─、それが一層自分の心をかきむしる。
しばらくすると、その男性のさらに前の席に親子連れが座っていることに気がついた。子供は何か落ち着かない様子。どうやら携帯ゲーム機に夢中になっているようだ。
おや?ゴロゴロgろzgROO…ピピピPpp…の正体は、お前か!!!アバンギャルドな正体はゲームの音…、なんてアバンギャルドな…。その音だけを録音して、CDなど洗練された媒体に変化させたならば、きっと現代音楽と呼ばれるものが出来上がるに違いない。

それにしても、意識が大きく関与しているとはいえ、本当に偶然の雑音が洗練された音楽をも凌駕してしまうとは─。

そういえば、斜め前の男性、彼はいったい何を聴いているのだろうか。まぁ、そんなのどうでもいいか、と再びキースの世界へと戻っていった。やっぱり素晴らしい、最高だ。


2007年10月7日日曜日

韓国料理店の80’s

毎週土曜の昼は韓国料理店「まだん」という所でランチを取ることが習慣になりつつある。
夏が終わったころに「80’s が流れる韓国料理店」として記事にしたことがあるのだが、そのときに別れを告げたはずの季節限定メニュー“豚肉とキャベツのコチュジャン炒め定食”が、夏がすぎて秋も深まってきた今でも店頭の看板に載っているので、あれれ!?と不思議に思いつつ、本当にまだあるのだろうかと確認するかのように、毎週季節限定メニューを確認しているうちに、土曜の「まだん」ランチが馴染んできてしまった。

今日も席について“豚肉とキャベツのコチュジャン炒め定食”を注文すると、ちょうど38スペシャル♪Like No Other Night(1986)が流れ出した。
ここの魅力は、食事とともに80’sだ。食事が運ばれてくる間、心地よいサザンロックに身を任せられる。
その曲が終わると、聴き慣れないハードロックが流れてきた。しかし、声は聴き覚えがある。そう、これは絶対にデービッド・カバーデイルに違いない。帰宅後すぐ調べてみると、流れていた曲は1981年のヒット曲・ホワイトスネイク♪Don't break my heart againだということが分かった。
渋い曲を流すもんだなぁと感心しつつ、ますます「まだん」を好きになった。
次に流れてきたのがアダム・アント♪Goody Two Shoesだった。この曲も好きだったなぁ。
お気に入りの曲が多いとはいえ、80’sであれば何でも好きだというわけにはいかない。中には大嫌いな曲もある。
昼食も終わりに近づいてくると、フィル・コリンズマリリン・マーティンの♪Separate Lives(1986)が流れ出した。この曲は当時非常に嫌いだったが、改めて聴いても好きにはなれない。映画「ホワイトナイツ」の挿入歌。ライオネル・リッチーの♪Say You Say Me(1985)は結構好きだったんだけど─。
嫌な曲が流れてきたことだし、早々にランチを片付けて会計を済ませようとすると、スターシップの♪We Built This City(1985)が流れ出す。これはかなり好きな曲。もう少し居てもよかったかなぁと思いつつも、また来週来ればいいかなと冒頭部分を聴いただけでお店を後にした。来週も初夏から続いている季節限定メニューを食べに来よう。

2007年10月6日土曜日

ホセ・ゴンザレスが選んだ19曲

ホセ・ゴンザレスが大切な曲として挙げた19曲のプレイリストが、HMVに載っていた。

1.Tropicalia / Caetano Veloso
2.Twice / Little Dragon
3.Road To Nowhere / Carole King
4.Breathe and Stop / Q Tip
5.Inspiration Information / Shuggie Otis
6.Song Of Innocence / David Axelrod
7.Zombie / Fela Kuti
8.Sueno Con Serpientes / Silvio Rodriguez
9.Aguas De Marco / Antonio Carlos Jobim
10.Human After All / Daft Punk
11.Everybody Daylight / Brightblack Morning Light
12.The Platfrom on the Ocean / Arthur Russell
13.Bohuslandsk fanfar / Bjorn Olsson
14.They Will Kill Us All / Bronx
15.Silent Shout / Knife
16.See Line Woman / Nina Simone
17.Can’t Wait One Minute More / Civ
18.These Days / Nico
19.Cell Yielding Cell / Lapse

驚くほどに馴染みがない名前ばかり。しかも、半分以上、全く目にしたことがない。
しかし、よく知っている、キャロル・キング、アントニオ・カルロス・ジョピン、ニコの曲は個人的にも非常に好きなもの。特にジョピンの♪三月の水は格別です。
素晴らしい曲ばかりを選択してくれるではないの、ゴンザレス君─、と全ての音楽を探って聴いてみたのですが、Q Tip とか Bronx などはなかなか受け入れることが難しいなぁ…
Brightblack Morning Light とか Knife などは、今様でも受け入れることができるんですけどね。

好きも嫌いもも全部ひっくるめて、なかなか面白いプレイリストでした。

2007年10月5日金曜日

Veneer

��月26日にニューアルバム「IN OUR NATURE」をリリースした、ホセ・ゴンザレス(Jose Gonzalez)

「IN OUR NATURE」を聴いたところ非常に素晴らしかったので、世界中で大ヒットしたというファーストアルバム「Veneer」も聴いてみた。

画像Jose Gonzalez
Veneer
(2005)


ギターのメロディーが個性的で本当に美しい。
一番最後の曲でちらっとトランペットが入っているものの、あとはギターと歌声だけというシンプルさもいい。このスタイルをセカンドアルバムでも貫いているのが、また好感が持てる。これからあらゆる楽器とコラボレートするかもしれないが、このシンプルで美しいスタイルで大きくなっていってほしい。

♪Heartbeats / Jose Gonzalez

2007年10月4日木曜日

IN OUR NATURE

ローリング・ストーン誌のウェブサイトを見ていると、注目の歌としてホセ・ゴンザレスの♪Down the Lineという曲を一番にあげていた。
なにげなくそれを聴いてみたら結構いい。
ついでのようにその曲が含まれているアルバム「IN OUR NATURE」も聴いてみた。

画像Jose Gonzalez
In Our Nature
(2007)

かなりいい。
アルゼンチン人の両親、スウェーデン育ち、というワールドワイドな人生を歩んできた彼が奏でる音は、なんとも不思議な響きを帯びている。まるで、フォルクローレがヨーロッパへ渡ってその姿を変えたかのようだ。

世界中で大ヒットしたというファーストアルバムをまだ聴いたことがない。だから、これから早速聴いてみよう。

2007年10月3日水曜日

ジョニ・ミッチェルの「シャイン」

スターバックスでコーヒーを買おうとしたら、目の前に
  Joni Mitchell Shine  
という魅力的なものがありました。

画像Joni Mitchell
Shine
(2007)

思わず買ってしまいそうになりましたが、我慢して帰宅、そしてらNapsterで聴くことができました。

このアルバムは、スタバが立ち上げたHear Musicからリリースされていたのです。だからスタバに─。Hear Musicから最初に出たアルバムはポール・マッカートニーの「Memory Almost Full: 追憶の彼方に」でしたが、それは聴いていません。これもNapsterで聴くことができるようです。これは後ほど─。

さて、ジョニ・ミッチェルの「シャイン」は─
��曲目の♪One Week Last Summerのイントロが始まり、ジョニの声をじっと待っていると、その曲からはジョニの声は聞こえてきませんでした。インストゥルメンタルだったのです。ジョニはピアノだけ弾いていたのでした。完全にやられた…。インストは1曲目だけです。
♪ビッグ・イエロー・タクシーの2007年度版も収録されていました。ジョニ曰く、この曲は「自分の作品の中で一番シリアスなもの」なのだそうです。
ほかにも素晴らしい音楽ばかりです。気になる人は、ぜひ聴いてみてください。

それにしても、ジョニ・ミッチェルの声は、若いときと今とではまるっきり違っているので、2つを聴き比べると非常に面白いものです。




2007年10月2日火曜日

「とくダネ!」テーマ曲

��0月1日からあらゆる新しいものがスタートしているみたいですが、フジテレビで午前8時から放送されている「情報プレゼンターとくダネ!」のオープニングテーマ曲も変わったみたいです。
過去を振り返ってみると─

♪ VERONICA / Elvis Costello


♪SHOUT TO THE TOP! / THE STYLE COUNCIL


♪Don't Get Me Wrong / The Pretenders


以上の音楽が使用されていました。
個人的にはどれも好きな曲です。
でも、今度の新テーマ曲♪シスコはロック・シティー が一番好きです。

♪We Built This City / Starship (1985)


このように、「とくダネ」のオープニングテーマ曲は多種多様に変化していますが、スターシップの変化には敵いません。
スターシップは1965年にジェファーソン・エアプレーンというバンドから始まりました。

♪Volunteers / Jefferson Airplane (1969)


��972年にジェファーソン・エアプレーンは解散しますが、1974年にジェファーソン・スターシップとして再結成されます。

♪Jane / Jefferson Starship (1979)


��985年からスターシップという名前になり、音楽スタイルもポップス路線へとがらりと変えて、それが大ヒットにつながっていきました。

♪Nothing´s Gonna Stop Us Now / Starship (1987)


その後、スターシップというバンドが存在している状態で、ジェファーソン・エアプレーンが再結成されて、両バンドは対立して裁判沙汰になったりしています。
その争いが収束すると、今度はジェファーソン・スターシップが再結成されて、現在も続いているみたいです。
この流れから、いずれはスターシップが再結成されるのかも─。



おまけ─
��974年から1987年まで在籍していたベーシスト、ピート・シアーズのジェファーソン・スターシップ時代のソロです。




2007年10月1日月曜日

BRAD MEHLDAU ....

みんな隠し撮りしているものなんですね…









どきどきしながら撮影しているのでしょうけれど、苦労して撮っているわりには、実際の感動というものはなかなか映像そのものに反映されないものです。

せめて、DVDが早く出ないものかと願うばかりです。