2007年10月14日日曜日

Before We Were Born

ビル・フリゼールというギタリストを非常に気に入っている。
自分が最初に読んだ彼の解説は「浮遊感がある」とか「ふわふわしている」と表現されているもので、事実、比較的初期の作品ではボリュームペダルを多用しているために、そのように形容されるのは必然なのだろう。
しかし、彼の最大の魅力といったら、なんと言ってもその幅広い音楽性にあるのではなかろうか。
ジャズにカテゴライズされているだけあって、スタンダードはもちろんこなし、一方でジョン・ゾーンとよくコラボレートしているように、フリー系統の作品も多い。
そうかと思えば、カントリー音楽を追究したアルバムを出してみたり、バスター・キートンの無声映画のためのアルバムを作ってみたり、抽象画家の作品のための音楽を作ったり、マドンナやボブ・ディランのカバー曲を弾いてみたり、ブラスバンドからジャズそして時にロック・時にポップス…とにかく技をいろいろと持っている人なのだ。

ビル・フリゼール名義アルバムで最も気に入っているのが
「Bfore We Were Bron」である。

画像Bill Frisell
Before We Were Born
(1989)

彼の特徴である浮遊感はもちろん、ジャズ・ロック・ポップス(はないかもしれないけれど…)あらゆる要素がごった煮状態で、なおかつ最高にはじけた音を奏でている。彼の穏和な容姿からは想像もできない音が、突如として表れる。
彼のアルバムの中で一番やかましく、アバンギャルド性が最も高いので、これだけを聴いたら彼の音楽そのものを勘違いして捉えられかねないのだが、彼の本質はこのアルバムの中に収まっているはずだ。


2 件のコメント:

  1. ビル・フリーゼルっぽいギタリストをアップしてる割には、ビル・フリーゼル本人のアルバムをあまり聴いてない、けんです。(笑)
    この人は結構アルバム出してるんですね。
    確かアルバム持ってたはずなんですけど・・、どこかにしまいこんじゃったようです。
    今度ゆっくり聴きこんでみたいと思います。
    「Bfore We Were Bron」試聴しましたが、結構多彩な楽曲が収録されてますね。
    これがビル・フリーゼルでなければ、驚くかもしれませんが・・、彼ならこのくらい当たり前なんでしょうかね?

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  2. シュリンパー2007年10月14日 22:31

    けんさん、お待ちしておりました。
    ビル・フリーゼルだけじゃなく、ベースのカーミット・ドリスコルもドラムのジョーイ・バロンも、かなり自由な人たちです。現在は、残念ながらこのトリオで活動していませんが、このトリオでのアルバムがとにかくカラフルです。
    けんさんにはこのアルバムと
    Music for the Films of Buster Keaton
    をぜひ聴いてほしいです。

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