クラシック音楽、一番最初に聴くには何がよいのでしょう。
僕が初めてクラシック音楽というものを実感できたのは、小学校の音楽の時間に習ったビバルディの「四季」からです。そのころ音楽には全く興味がなかった僕でも、いいなぁ、と思いました。思えば、小学校のころの音楽への興味は、そのビバルディを聴いたときが頂点で、後はなだらかな坂を下っていくかのように興味を失っていったように思います。素晴らしい音楽を聴くのはいいのですけど、素晴らしい音楽の内容を知ろうとするとかなり大変です。
ビバルディの「四季」にしても、─バイオリン協奏曲であり本来は12曲で構成されている。「春」「夏」「秋」「冬」というのは、第1番から第4番までに付けられた総称。ビバルディ本人が付けたものではない。各章は3つの楽章から成り立っていて、楽章にはビバルディによってソネット(ヨーロッパの定型詩)が付けられていて、それ故ビバルディの「四季」は標題音楽と分類されている。第1番は第1楽章アレグロ、第2楽章ラルゴ、第3楽章アレグロという構成。アレグロというのはイタリア語で「陽気に」と言う意味で音楽用語としては一般に「速く」という意味。ラルゴというのは「幅広くゆるやかに」と意味。…─、と説明されても興味を失っていくようなものです。
チャイコフスキーのピアノ曲にも「四季」という題名のものがあります、と言って聴かせてくれた方が数倍も音楽の興味を駆り立ててくれます。その音楽の背景どうのこうのというのは、音楽に興味を持てば自ら調べていくだろうし、教えられて記憶したとしても音楽を理解する上でどれだけ役に立つのか疑問です。
とにかく、音楽は聴いてみないと始まらないわけなのです。
そのきっかけとして何が良いのか―確かにビバルディはいいと思うのですが、「四季」の後につながるものがないような…。ここから音楽の歴史を学びながら、良いものを全て網羅しつつ…というのが理想なんでしょうけど、聴かなければならない音楽、聴くべき音楽というものを押し付けられる感覚を持たざるを得ません。そんな勿体振らないで、古典音楽の頂点であるベートーベンとかをいきなり聴いてもいいのではないでしょうか。
ベートーベンだったら、素らしいとされている音楽がたくさんあるし、演奏される機会も多いので、興味がどんどん膨らんでいくと思うのです。
ただ、ベートーベンの音楽もたくさんあるわけで、さあ何から聴いたものやら……。とりあえず、9つある交響曲を順番に聴いていくのもいいかもしれません。
そう言いつつ僕は最近まで交響曲第1番は聴いたことがありませんでした。それで聴いてみたらあまりにも素晴らしくて、これだったら順番に9つ聴いてみたくなるかも…そしてそれがさらにほかの音楽への興味へ発展していくのかも…と思ったのです。
今まさに、ベートーベン交響曲第1番を聴いています。これがクラシック音楽を聴いた最初であったならば、どんなに素晴らしかったことでしょう―。
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