ビートルズ、4人が一緒だったころの最後のシングル♪レット・イット・ビー
ポールの印象的なピアノと歌声で始まり、もうそのフレーズだけで感動してしまう。
アルバム「レッド・イット・ビー」が発売されたころ、ビートルズはどろどろの法廷闘争の只中にあったのだが、音楽にはそんなけがれたものは少しも感じない。それはアーティストとしてのビートルズの力量を示しているのか、あるいは音楽の響きというのは常に純粋であるからなのか─…。
映画「レット・イット・ビー」を見ても、これからこの4人がばらばらになっていくなど感じないくらい、音楽に対する熱い思いが伝わってくる。お偉い専門家が書いたレビューでは、この映画のことを「ビートルズが崩壊していくさまを見事に描いたドキュメンタリーの傑作」などと称しているが、僕には素晴らしい4人の才能しか読み取ることができなかった。なぜこの4人が解散せねばならなかったのか、逆に大いに疑問を持ったほどだ。
もっとも、「レット・イット・ビー」は制作し出して完成するまでかなり時間がかかっていて、映像収録時の4人の関係というものはそれほど悪くなかったはずなのだ。
その後、アビー・ロードを収録・発売し、1970年3月にようやく「レット・イット・ビー」をリリースして、その1ヵ月後ポールが独立宣言をする。
もはや目も当てられない4人の泥仕合の中、最後を飾るにふさわしく♪レット・イット・ビーは劇的に響き、彼らの醜態を少しはかき消してくれたのではないだろうか。
1987年3月、英仏海峡で航行中のイギリスのフェリーが転覆事故を起こし、百十数人が死亡するという大惨事が発生した。イギリス大衆紙ザ・サンの呼びかけで、Ferry Aidというチャリティープロジェクトが立ち上げられた。Ferry Aidがチャリティーの曲として選んだのが♪レット・イット・ビーだった。ポールも参加アーティストの一人で、オリジナルマスターテープを提供した。だから、あの感動的な曲の出だしがここでも再現されている。
ラストで大勢のアーティストが斉唱しているシーンを見ていると、アップル社を立ち上げたころにビートルズがテレビ出演をして♪ヘイ・ジュードを歌っていた映像を思い浮かべてしまう。
音楽で世界をつないぐ、そんな理想がアップル社にはあったかもしれない。しかし、理想に反して4人自体がばらばらになってしまった。4人が一緒であった時の最後の曲、レット・イット・ビー…それは4人にとって別れの曲ではあるが、時を越えてもっと多くの人々を結びつける曲となっている。4人が自らを犠牲にしてまでまいた種は、決して無駄ではない。そしてまた、4人がまいた種はまだまだ無数に世界中に散らばっている。
解散の直前だったのでは?
返信削除ポールだけがビートルズを存続させたいと思っていたけど、みんなの気持ちがバラバラになっていたようです。
特にジョンはヨーコに夢中だったし・・・
それで、ヨーコが悪者呼ばわりされていた。
でも、とてもチャーミングな女性。
ジョンが夢中になるのもわかるような気がする。
やはり、何事にも潮時があるんだな。
ひどい解散の仕方ですけど、終わりも普通とは違った形で、最後の最後まで人々を楽しませてくれたビートルズに乾杯。
返信削除ジョンが日本人女性を愛したことって、昔から思っていたことなんですけど、日本人としてちょっと誇らしいですよね。