2007年4月7日土曜日

ミシェル・ンデゲオチェロ MESHELL NDEGEOCELLO

個人的に、少しでもヒップポップとかラップの香りがする音楽が非常に苦手で、アーティストの解説などに、ヒップポップ、ラップとか載っているとそれだけで聴くのをためらってしまう。
ミシェル・ンデゲオチェロもその一人だった。発音するのも難しいし、聴かなくてもいいかなと勝手に排除していた。
ふとしたきっかけから、ミシェル・ンデゲオチェロザ・スピリット・ミュージック・ジャミア(The Spirit Music Jamia)というプロジェクトを知った。カサンドラ・ウィルソン、レイラ・ハザウェイ、ジャック・ディジョネット、ウォレス・ルーニー、ケニー・ギャレット、ニール・エヴァンス(Soulive)、ブランドン・ロスなど素晴らしいアーティストが参加しているジャズ・プロジェクト。

画像The Spirit Music Jamia: Dance of the Infidel
Artist: Meshell Ndegeocello
Release Date: 2005/06/21
  


1. Mu-Min
(Oliver Lake, Don Bryon, Joshua Roseman)
2. Al-Falaq 113
(Mino Cinelu, Gene Lake, Michael Cain, Wallace Roney)
3. Aquarium
(Sabina, Ron Blake, Meshell Ndegeocello)
4. Papillon
(Matthew Garrison, Federico Gonzalez Pena, Kenny Garrett)
5. Dance of the Infidel
(Oran Coltrane, Kenny Garrett, Chris Dave)
6. The Chosen
(Cassandra Wilson, Brandon Ross, Michael Cain)
7. Luqman
(Jack De Johnette, Oliver Lake, Don Byron, Gregoire Maret)
8. Heaven
(Lalah Hathaway, Neal Evans, Chris Dave)

非常によかった。参加しているアーティストの個性が十分に発揮されているし、1つ1つの楽曲も非常によい。
ミシェル・ンデゲオチェロミシェル・ンデゲオチェロ…呪文のように繰り返して、まずは名前をしっかり覚えなければ。


 ミシェルは、1969年に米軍に所属していた父親(サックス奏者でもあった)の赴任先だったベルリンで生まれている。本名はメアリー・ジョンソン。ミシェル・ンデゲオチェロは、"鳥のように自由"という意味のスワヒリ語である。ミシェルは70年代の初めに家族と共にベルリンから米国のヴァージニア州に移り、それからワシントンD.C.で暮らすようになる。ワシントンD.C.では、地元のゴー・ゴー・ミュージック・シーンに加わり、クラブで演奏しながらベースの腕を磨いた。加えて、彼女は名門ハワード大学で音楽を学び、本格的にプロのミュージシャンを目指すようになった。ハワード大学は全米でもっとも有名な黒人大学で、ダニー・ハサウェイやロバータ・フラック、リロイ・ハトスンなども、この大学の出身者である。やがてミシェルは、ニューヨークに進出し、さまざまなバンドのオーディションを受ける。そのバンドの中には、リヴィング・カラーも含まれていて、一時はバンドに加入するという噂も流れた。しかし、ミシェルはソロ・アーティストとして活動する道を選択する。ミシェルが制作したデモ・テープは、メジャーのワーナー・ブラザーズ、マドンナのマーヴェリック、プリンスのペイズリー・パークによる争奪戦を巻き起こした。その結果、ミシェルは、マーヴェリックと契約。これまでに計5枚のアルバムをリリースしてきた。『Plantation Lullabies』(93年)、『Peace Beyond Passion』(96年)、『Bitter』(99年)、『Cookie:The Anthropological Mixtape』(02年)、『Comfort Woman』(03年)の5枚である。

ミシェルの才能は、単に優れたベーシストという枠にとどまるものではない。彼女は自分で曲を書き、歌も歌う。また、ベースのみならず、キーボードやギターなども演奏するし、自らアレンジもする。すなわちシンガー・ソングライターにしてマルチ・インストゥルメンタリストである。だからこそミシェルは、これまでソロ・アーティストとしての道を歩んできたと言ってもいいが、彼女自身はバンドで活動することを夢見ていたという。たぶんこうした気持ちを常に胸に秘めていたということが、これまで積極的にセッション活動を行なってきた要因のひとつなのだろう。実際にミシェルは、これまで数多くのレコーディングやライヴのセッションに参加し、多彩なアーティストと共演を重ねてきた。マドンナ、ローリング・ストーンズ、サンタナ、プリンス、チャカ・カーン、ジョン・メレンキャンプ、スクリッティ・ポリッティ、アラニス・モリセット、ジョー・ヘンリー、サラ・マクラクラン、ベースメント・ジャックス、ハービー・ハンコック、スティーヴ・コールマン、マーカス・ミラー、ハーヴィ・メイスン……これらはほんの一部に過ぎない。ちなみに近年のミシェルのセッション・ワークの中で、もっとも重要なアルバムとして、フェラ・クティのトリビュート・アルバム『Red Hot + Riot:The Music and Spirit of Fela Kuti』(02年)、ジェルバ・ブエナの『President Alien』(03年)、RHファクターの『Hard Groove』(03年)を挙げておこう。なお、RHファクターはジャズ・トランペッターのロイ・ハーグローヴのプロジェクトで、ミシェルはエリカ・バドゥやQティップらと共演している。

UNIVERSAL MUSIC より


6 件のコメント:

  1. 私もラップ、ヒップホップ系は殆ど聴きません。
    マッシブ・アタック、PMドーンくらいかな・・・
    小澤健二+スチャダラパーの「今夜はブギーナイト」も好きですが・・・
    スワヒリ語って“ン”で始まる単語が結構あるようですね。
    鼻にかかる音が多いのかな?

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  2. ダニー・ハサウェイと 同じ大学なんですね。ダニー・ハサウェイの娘も活躍していると聞いてます。 実力がないと 一流とセッションはできませんものね。

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  3. この作品を試聴してみました。
    なかなかいい雰囲気でていて興味深いですが、全部聴かないと全体像はつかめなそうな作品ですね。
    でもこの人ってヒップポップ風味ありなんですか?

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  4. シュリンパー2007年4月8日 11:57

    みずねこさん
    “ン”で始まるとやっぱり覚えづらいです。どうしても“ウデ…”あれ?なんだっけ?っとなってしまうんだなぁ…。
    僕はランDMCというのがラップの印象です。あとは皆無...。

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  5. シュリンパー2007年4月8日 12:07

    まりさん
    彼女はちょっとしたエリートなんでしょうね。
    このプロジェクトのメンバーをみても、彼女の能力の高さをうかがえるような気がします。

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  6. シュリンパー2007年4月8日 12:13

    けんさんからの記事でこのアルバムを発見できて幸いでした。ありがとうございます。
    この後、デビューアルバムをちらり聴いてい見たら、ヒップポップの香りが微塵も感じませんでした。別のアルバムを聴くとまるっきり違う音楽になっている─彼女の場合、そんなにおいんがぷんぷんします。

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