2007年1月29日月曜日

あきらめ節

僕が初めて音楽をダウンロード購入した音楽─
高田 渡♪あきらめ節
高田 渡の名前は知っていましたが
♪あきらめ節は知りませんでした。
曲数がまだ全然少なかったころで、目に付くのはヒット曲とか耳馴染みのあるものばかり─。明らかに♪あきらめ節は浮いた存在─、そういうものになぜか惹かれてしまうんです…僕は…。


あきらめ節


地主金持ちはわがままもので 役人なんぞはいばるもの
こんな浮世へ生まれてきたが わが身の不運とあきらめる

お前この世へ何しにきたか 税や利息を払うため
こんな浮世へ生まれてきたが わが身の不運とあきらめる

米は南京おかずはひじき 牛や馬でもあるまいし
朝から晩までこきつかわれて 死ぬよりましだとあきらめる

汗をしぼられ油をとられ 血を吸い取られてその上に
ほうり出されてふんづけられて これも不運とあきらめる

苦しかろうが又つらかろが 義務はつくさにゃならぬもの
権利なんぞをほしがることは できぬものだとあきらめる

たとえ姑が鬼でも蛇でも 嫁は素直にせにゃならぬ
どうせ懲役するよなものと 何も言わずにあきらめる

借りたお金は催促されて 貸したお金は取れぬもの
どうせ浮世はこうしたものと 私しゃいつでもあきらめる

長いものにはまかれてしまえ 泣く子と資本家にゃ勝たれない
貧乏は不運で病気は不幸 時世時節とあきらめる

あきらめなされよあきらめなされ あきらめなさるが無事であろう
私しゃ自由の動物だから あきらめきれぬとあきらめる




この曲で完全に高田渡ワールドへと引き込まれてしまいました。


この歌詞─

添田唖蝉坊

(そえだあぜんぼう 1872-1944)

明治・大正に活躍した演歌師の作品であると、最近知りました。

明治・大正の世相を皮肉った歌詞が現代の世相をも皮肉っている─
驚き、ショック、つながり、痛快、普遍…
─実に複雑な思いです。

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4 件のコメント:

  1. 演歌師・・・またすごいものを発掘してきましたね。
    明治の世も、昭和の世も、そして平成というか21世紀になっても、持てる者と取られる者の関係は変わらず・・・
    一億総中流意識が崩れてきた今、こういう歌に自分の境遇を当てはめる人も出てくるのではないでしょうか。

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  2. シュリンパー2007年1月30日 6:11

    この曲、ずーっと前からシュールでいいなぁといつもニンマリしながら聴いていて、まさか自由民権運動当時の歌詞だったなんて知らなかったわけで、もしかして笑いながら聴いている場合じゃないのでは?と思ったりして─。
    歌の背景なんぞ知らないほうが楽しめるということもあるのかもねー。

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  3. 高田渡はダンナがファンなのでなんと十代から聴いておるのですよ。『汽車が田舎を通るその時』の「ボロボロ」の枯れた脱力した歌で年寄りかと思ったら♪私は22♪というところにづっこけました。武蔵野たんぽぽ団のジャグバンドも好きです(^○^)

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  4. シュリンパー2007年1月30日 14:53

    まりさん、あなたは筋金入りの高田っ子なんですね。
    高田渡って、たくさんずっこけあるのだけれど「炭鉱夫のうた」のように超シリアスな歌があったりして、それだけに、シリアスはよりシリアスに、ずっこけはよりずっこけに聴こえて、いいんですよねー。

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