2007年5月21日月曜日

Led Zeppelin II

画像LED ZEPPEIN II (1969)
LED ZEPPELIN


1.Whole lotta love
2.What is and what should never be
3.Lemon song
4.Thank you
5.Heartbreaker
6.Livin' lovin' maid (she's just a woman)
7.Ramble on
8.Moby dick
9.Bring it on home



ファースト・アルバムを出した彼らは、その年だけで全米ツアーを3回こなしてその上、母国イギリスではテレビやラジオに出演するなど精力的に活動した。その甲斐あってか、デビューアルバムはセールス的に成功したのだが、彼らが所属するアトランティック・レコードはビジネス的に成功すると見た途端、次のアルバムを早く出すように強く要求するようになる。ハードなスケジュールではあったが、この勢いに乗りたいという思いから、早く新しいアルバムを出したいという気持ちはレッド・ツェッペリンのメンバー全員が持っていたようで、休む暇も惜しんでレコーディングを続けて、年が明けないうちにセカンド・アルバムを完成させる。レッド・ツェッペリンのアルバムの中で、最も勢いがあって力強さを感じるのは、この制作過程によるものであろう。
個人的に思うのだが、このアルバムの曲すべて思いつきで作り始められて、完成させていく中で強引に洗練させていったのではないだろか。考えに考え抜いたものであれば、♪Whole lotta loveのような曲は生まれてこないと思うのだが…

1 胸いっぱいの愛を (5:35)

(Bonham, Jones, Page & Plant)

この曲はマディー・ウォータースが歌ったウィリー・ディクソン作の♪You need loveからの引用が多くみられ、後に訴訟にまで発展した。その後和解し、ディクソンの名前もクレジットに入るようになったようだ。
また、ハウリン・ウルフが最初にレコーディングした、これもまたディクソンの曲♪Back Door Manと♪Shake for Meからの影響もみられるようで、つまり、ブルースを集約させた結果ハードロックの代表曲になったといえるだろう。
ジミー・ペイジの有名なギター・リフから始まり、途中、テルミンとロバート・プラントの雄叫びがフリー・インプロビゼーションのごとく展開して、レコーディングの際、エンジニアのエディー・クレイマーが逆回転やエコー、ミキシング・コンソールの変化などを駆使して、歴史的な録音を作り上げていった。
初期の代表曲としてこの曲がよく挙げられる。

2 強き二人の愛 (4:45)

(Page & Plant)

ロバート・プラントが初めて執筆料を手にした曲で、内容はプラントと彼の奥さんの妹とのロマンスを歌ったものだという。
また、この曲で初めてジミー・ペイジがギブソンのレスポールを使用した。4チャンネルのステレオ・パンを駆使していて、音が上下・左右に動き回って、パワフルで幻想的なギターを堪能できる。

3 レモン・ソング (6:19)

(Bonham, Jones, Page & Plant)

この曲の元になったのはハウリン・ウルフが1964年に発表した曲♪Killing Floorで、後に訴えられてクレジットにハウリン・ウルフの名前も記されるようになった。
歌詞もロバート・ジョンソンの♪Traveling Riverside Bluesから借用しているようだ。
スタジオでもライブ録音されたこの曲の一番の聴き所は、何といってもジョン・ポール・ジョーンズの見事なベースであろう。曲全体にわたって即興的に弾いていたという。このベースの録音は、ロック界における最高の演奏のひとつとされている。

4 サンキュー (4:49)

(Page & Plant)

ロバート・プラントが彼の妻に捧げたバラード。
冒頭の歌詞がジミ・ヘンドリックスの♪If 6 was 9 と非常によく似ているそうだ。
ジョン・ポール・ジョーンズのオルガンが前面に出ているこの曲は、レッド・ツェッペリンの代表曲になっていると同時に、ジョン・ポールのキーボード演奏を代表する曲のひとつにもなっている。

5 ハートブレイカー (4:14)

(Bonham, Jones, Page & Plant)

ジミー・ペイジのギターリフ・ギターソロ、すべてが特徴的で忘れることができない。すべてが即興的に組み立てられていると、聴けばすぐ分かるのだが、それゆえにペイジの恐ろしさを感じてしまう。レッド・ツェッペリンをジミー・ペイジのバンドだとするならば、その基本的なものはすべてこの曲に内包されているといっても過言ではないだろう。
言うまでもなく、レッド・ツェッペリンの代表曲。

6 リヴィング・ラヴィング・メイド (2:39)

(Page & Plant)

ジミー・ペイジはこの曲があまり好きでなかったらしく、ライブなどではほとんど演奏されなかったという。また、ジミー・ペイジがバック・ボーカルをしている数少ない曲のひとつである。
逆にロバート・プラントはこの曲を気に入っていて、ソロになってからしばしば演奏されている。
ベースラインがどっしりとしていて、シンプルな曲。

7 ランブル・オン (4:24)

(Page & Plant)

歌詞がトールキンの「指輪物語」の影響を強く受けているようだ。
冒頭、ペタペタと聴こえる打楽器は、ジョン・ボーナムがバケツをたたいている音。
ギターとベースとドラムが非常にバランスがいい曲なのだが、ライブでは決して演奏されることはなかったという。

8 モビー・ディック (4:20)

(Bonham, Jones & Page)

ジョン・ボーナムのドラムソロがメインとなっているインストゥルメンタル。ライブでドラムソロをする際の定番の曲となった。
この曲ではデイブ・ブルーベック・カルテットのドラマー、ジョー・モレロの演奏とクリームのドラマー、ジンジャー・ベイカーの演奏が大きく影響している。ハンドドラミング、手足による三連、バスドラでのダブルストロークなどの技は、デイブ・ブルーベック・カルテットのカーネギーホールでのライブ♪Castilian Drums、クリームの♪Toad などから吸収したもの。
ギターのリフはヤードバーズの♪I'm Not Talking に非常によく似ている。

9 ブリング・イット・オン・ホーム (4:21)

(Page & Plant)

作曲:サニー・ボーイ・ウィリアムソンII 作詞:ウイリー・ディクソンのブルースに独自のメロディーを加えたもの。これもやはり裁判沙汰になっている。
導入部と最後でのプラントのブルースハープとペイジのギター演奏がサニー・ボーイのブルースで、途中の激しいバンド演奏はペイジとプラントが作曲したもの。


6 件のコメント:

  1. このアルバムは一般のファンにも結構人気が高いアルバムですよね。
    でも私には「イン・スルー・ジ・アウト・ドア」に続いてあまり聴きこんでないアルバムナンバー2です。
    やはりわかりやすく、比較的キャッチーでロックな曲が多いといったところが、ヘンテコなサウンドを求める私にはあわないんでしょうかね?(笑)
    というわけで次回の「Ⅲ」に期待してます。

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  2. こんばんわ。
    このアルバムは訴訟てんこ盛りなんですね~。驚きです。
    それにしてもジミー・ペイジのギターがカッコイイアルバムですね。やはり勢いのような、また一発勝負みたいな要素はありますね~。

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  3. シュリンパー2007年5月21日 10:05

    けんさん
    このアルバムは意外とテキトーに作られていますよー。全部ジャムから生まれた曲ばかりでしょう。
    “天才”ツェッペリンを堪能できるからこそ、このアルバムはものすごく評価されているのではないでしょうか。

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  4. シュリンパー2007年5月21日 10:19

    人の曲から引用しているのは明らかなのに、クレジットすら入れないから訴えられるんですよ。この曲をもとにジャムってますよーってリリースすれば、訴えられることはなかったでしょう。しかし、それじゃあ売れなかったのかな?

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  5. 最近のサンプリングという物に比べたらパクリなんて可愛いものさ、なあジミィさんよ。
    パクろうが何しようが、ええもんはええ!
    ナンダカンダ言ったってこれは名盤ですにゃ。

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  6. シュリンパー2007年5月22日 7:35

    こんな売れるなんて思ってもみなかったんじゃないでしょうか、ジミィのおっさんは。文句あるんだったらリリースしてすぐ訴えろってんだ。ものすごく売れて何年もたってからじゃあ言い訳もわすれるってんだ。
    オレに吸収されちまえば、すべてオレのもの。オレの中にあるブルースは、誰のものでもない、オレだけのものなのサ。
    このアルバムをじっくり聴き直して、ジミィのおっさんの叫びが、僕には聴こえましたが…

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