2007年6月26日、全米のインターネットラジオが音楽業界による楽曲使用料の引き上げに抗議するため、大規模な“ストライキ”に突入した。米Yahoo、米RealNetworksなど1万を超える局が、24時間にわたって放送を停止。値上げはネット・ラジオの存続にかかわるとして、撤回を要求している。
��Open Tech Press より)
こんなニュースを目にしたので、Yahoo! Musicをのぞいてみたらすでに正常に運用していて、あらゆる音楽を聴くことができた。
考えてみたら、自分はすっかりラジオを聴かなくなってしまった。以前はFMラジオを中心によく聴いていたのもだが、現在自宅にラジオの電波を受信する機器はない。
そういえば、インターネットラジオというものがあったなぁと再認識して、改めていろいろ探ってみると、電波は国内あるいは地域限定であったものが、インターネットでは世界規模になっていて、選択肢が膨大になっている。これほどまでに音楽を自由に聴くことができるというのは、やはり音楽業界にとって脅威となるのだろうか。しかもインターネットでは、音質はラジオよりも数段上であるし─。
しかし、考えてみると、ラジオはあくまで情報提供であって、そこから得た情報から音源を探し出し、お金を払い自分のものにしていたように思う。どんなに情報量が増えようともその構図は変わらないだろうから、音楽業界がインターネットラジオに対して、さらなるペイを求めることは的外れな気がする。ラジオの影響で、より音楽への興味が促進されて、売り上げが伸びると思うのだが…。
─話が少しそれてしまいますが─
“ラジオの影響”という言葉で思い出すNHKのドキュメンタリーがある。
NHKスペシャル
「なぜ隣人を殺したか~ルワンダ虐殺と煽動ラジオ放送」
(日本放送協会/NHKエンタープライズ21/ドキュメンタリージャパン)
1998年放送
ルワンダの内戦で発生したジェノサイドは、実はラジオが引き起こしたものだった。終身刑を言い渡されている1人のフツ族受刑者は語っている、「我々は人を殺せとは全く言っていない、ただツチ族の愛国戦線を批判し続けただけだ」と─。現代ではメディアが多岐にわたっているからその影響も分散されているとはいえ、メディアにおける危険性を感じずにはいられない。
ルワンダでは大家族が少なくないわけで、フツ族とツチ族が入り混じっている家族が一般的だ。それが民俗同士の対立で、家族内でも虐殺が発生してしまったのだ。
無理やり虐殺に加担させられていたある1人のフツ族の青年が、3年の刑期を終えて自分の家に帰宅する。そこにはツチ族の子供をその青年に殺されてしまった青年の姉も住んでいる。複雑な感情が永遠に消えることなく、ともに暮らしていかなければならないのだ。
刑務所に入っている受刑者の多くは、自分は罪を犯したという意識が異常なまでに希薄だ。それは、ラジオが我々を動かしたという意識が強いからだ。そして、ラジオを運用していた首謀者は今もなお指名手配中である。
ルワンダが負ってしまった心の傷は、果たして、癒やされる日がくるのだろうか。
このドキュメンタリーは現在なかなか見ることができない。
映画「ホテル・ルワンダ」などを見ると少しはルワンダの悲劇を実感できるかもしれない。
ホテル・ルワンダ
Hotel Rwanda
カナダ/イギリス/イタリア/南アフリカ
2004年
監督:テリー・ジョージ
出演:ドン・チードル
ソフィー・オコネドー
ニック・ノルティ
ホアキン・フェニックス
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