2007年2月23日金曜日

コヤニスカッツィ Koyaanisqatsi - Life out of Balance

フィリップ・グラスは数多くの映画音楽に携わっていますが、中でも映画「コヤニスカッツィ」ほどその音楽が中心的役割をなしているものはないでしょう。グラスの音楽がなければ、その映画は成立しないといっても過言ではないのです。

コヤニスカッツィ画像
Koyaanisqatsi - Life out of Balance
(1983年アメリカ)
監督:ゴッドフリー・レジオ
製作:フランシス・F・コッポラ/ゴッドフリー・レジオ
脚本:ロン・フリック/アルトン・ウォルポール
撮影:ロン・フリック
音楽:フィリップ・グラス/マイケル・ホーニッグ

コヤニスカッツィ~缶詰の映画
コヤニスカッティ(1983) - goo 映画


コヤニスカッツィとはインディアン・ホピ族の言葉で「バランスを失った世界」というような意味だそうです。つまりこの映画も現代文明を批判する趣旨で制作されたと思うのですが、実際に見ると文明の美しさを感じずにはいられないかも知れません。
文明の巨大建造物と自然とのハーモニー、フィリップ・グラスの音楽に合わせて、時として早回しの映像になったり、文明の力強さ・美しさ、僕の目は文明批判めいた主張を捉えることはできませんでした。

フィリップ・グラスの音楽は現代を象徴しているのだと実感します。
無機的・機械的、秩序正しく、複雑であるようで単純・単純であるようで複雑…。
グラスの音楽の好き嫌いはあるでしょうけれど、グラスが作り上げているものは現代そのものだということは確かです。ここまで明確に現代を描写し表現しきれている作家も珍しいと思うのです。彼の手法が、たまたま、現代文明というものにはまっただけなのかもしれませんが─。

��0分近く音楽と映像だけで展開する作品なので、最初から最後まで集中してみることはつらいかもしれません。決して集中して見なければならない作品とも思えないので、現代の窓として常に流しっぱなしで「コヤニスカッツィ」を楽しむのも一つの方法でしょう。

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