2007年12月5日水曜日

韃靼人の踊り

ボロディンの有名な曲、♪韃靼人の踊り
不思議なメロディーであり魅惑的なメロディー、なおかつ迫力があって、非常に好きな曲の一つです。

“韃靼"─なんと読むのか分からなかったし、なんでこんな難しい邦題になってしまったのか…そういう民族を題材にした音楽だから仕方ないかな、と思っていたのですけれど、ボロディンが名付けたタイトル“Половецкая пляска с хором"を直訳すれば“ポロヴェツ人の踊り"となるらしいのです。(英語訳:Polovetsian Dances)
韃靼人とはポロヴェツ人を指すのかと思いきや、韃靼人=タタール人でありポロヴェツ人=クマン人である、タタール人はモンゴル系でクマン人はチュルク(トルコ)系…、世界史でうっすらと聞いたことがある響きはあるが、何が何だかよく分からないのが正直なところ…、要するに韃靼人とはПоловецкая=Polovetsian=ポロヴェツ人ではなく、「韃靼人の踊り」は「ポロヴェツ人の踊り」とするべきだということなのです。

それにしても、誰がどういう理由から「韃靼人の踊り」と訳したのか大いに疑問であると同時に、その真意を知りたいところですけれど、誰が訳したかのなど知る由もなさそうです。
韃靼人という呼び方は中国からきているわけですけれど、ポロヴェツ人に対する中国語は存在しなかったのかもしれません。タタールとは、もともとモンゴル系とチュルク系の民族の総称として使用されていたらしく、ポロヴェツ人は韃靼人の中に含まれると考えるのは自然なことだったのでしょう。

いまさら、「韃靼人の踊り」という曲名を「ポロヴェツ人の踊り」とするのは少し違和感を覚えてしまいますが、改名すると英語表記とリンクするので分かりやすいかもしれません。難しい漢字もなくなりますし─。
ただ、何で改名するに至ったのか、これを説明するのはかなり苦労するのではないでしょうか。
個人的には、「韃靼人の踊り」とするほうが曲の内容に合っているのかなと思っています。

小難しいことより、音楽を素直に楽しみましょう。


※途中で終わってしまうのが痛いです












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