2007年7月23日月曜日

児童虐待問題

フジテレビのプレミアAという番組で児童虐待問題を取り上げていた。子供を養育する能力がない親から、子供を取り上げる児童相談所の苦悩─子供を保護するという大義名分があるとはいえ、積極的に人と人とのつながりを断ち切っているわけだ。

これを見ていて、ケン・ローチ監督の映画「レディーバード・レディーバード」を思い出した。この映画では子供を取り上げられてしまう親の立場を中心に描かれている。

��つの視点で物事を見ただけではなかなか真実がつかめないし、たとえ真実をつかめたとしても、その物事がますます難しいものになってしまうこともあるのだと痛感した。

「レディーバード・レディーバード」を見たときは、強圧的な行政行使に怒りを覚えたものだが、子供が虐待死しているニュースを頻繁に聞くと、子供を保護する目的で親子を引き裂く行為を完全否定できない。
子供を保護したとしても、それが本当にその人の幸せとか将来のためつながるのか分からない。劣悪な環境で育ったとしても、立派にそして幸せに生きている人だっているし、裕福な環境で育ったからといって、それが絶対的に人の幸せにつながるというものではない。
小さな命だからといって粗末に扱われることは、決してあってはならないことではあるが、虐待という線引きが非常に難しい。

プレミアAでパーソナリティーを務めている櫻井よしこさんが、「子供を取り上げられてしまった親へのケア」の重要性を述べていた。
映画「レディーバード・レディーバード」で子供を取り上げられてしまう親の悲しみは非常に大きいもので、一方、その悲しみを少しも理解しようとしない社会福祉局の姿は非常に冷淡だ。
番組で登場していた児童相談所のスタッフは、強引に親から子を取り上げようとしているわけではなく、むしろ親子を引き裂かない方法をかなり模索しているようにみえた。しかし、それが手遅れにならなければよいとは思ってしまう。大変難しい問題だと思うのだが、仮に親から子を取り上げたのならば、その後、その親をほったらかしにしていても誰も救うことはできないのかもしれない。
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