2008年2月28日木曜日

マーラー交響曲第2番

第1楽章
Allegro maestoso(アレグロ・マエストーソ)
まじめで荘厳な表現で一貫して
ハ短調 4/4拍子 ソナタ形式

私の第1交響曲での英雄を墓に横たえ、その生涯を曇りのない鏡で、いわば高められた位置から映すのである。同時に、この楽章は、大きな問題を表明している。すなわち、いかなる目的のために汝は生まれてきたかということである。……この解答を私は終楽章で与える。
��by マーラー)

第2楽章
Andante moderato(アンダンテ・モデラート)
きわめてくつろいで、急がずに
変イ長調 3/8拍子 ABABAの形式

過去の回想……英雄の過ぎ去った生涯からの純粋で汚れのない太陽の光線。
��by マーラー)

第3楽章
In ruhig fliessender Bewegung (With quietly flowing movement)
静かに流れるような動きで
スケルツォ ハ短調 3/8拍子 三部形式

前の楽章の物足りないような夢から覚め、再び生活の喧噪のなかに戻ると、人生の絶え間ない流れが恐ろしさをもって君たちに迫ってくることがよくある。それは、ちょうど君たちが外部の暗いところから音楽が聴き取れなくなるような距離で眺めたときの、明るく照らされた舞踏場の踊り手たちが揺れ動くのにも似ている。人生は無感覚で君たちの前に現れ、君たちが嫌悪の叫び声を上げて起きあがることのよくある悪夢にも似ている……。
��by マーラー)

第4楽章
Urlicht (Primeval Light):sehr feierlich, aber schlicht
「原光」 きわめて荘重に、しかし素朴に
変ニ長調 4/4拍子 三部形式

単純な信仰の壮快な次のような歌が聞こえてくる。私は神のようになり、神の元へと戻ってゆくであろう。
��by マーラー)

第5楽章
Im Tempo des Scherzos (In the tempo of the scherzo)
スケルツォのテンポで、荒野を進むように
ヘ短調 - 変ホ長調 4/4拍子 拡大されたソナタ形式

荒野に次のような声が響いてくる。あらゆる人生の終末はきた。……最後の審判の日が近づいている。大地は震え、墓は開き、死者が立ち上がり、行進は永久に進んでゆく。この地上の権力者もつまらぬ者も-王も乞食も-進んでゆく。偉大なる声が響いてくる。啓示のトランペットが叫ぶ。そして恐ろしい静寂のまっただ中で、地上の生活の最後のおののく姿を示すかのように、夜鶯を遠くの方で聴く。柔らかに、聖者たちと天上の者たちの合唱が次のように歌う。「復活せよ。復活せよ。汝許されるであろう。」そして、神の栄光が現れる。不思議な柔和な光がわれわれの心の奥底に透徹してくる。……すべてが黙し、幸福である。そして、見よ。そこにはなんの裁判もなく、罪ある人も正しい人も、権力も卑屈もなく、罰も報いもない。……愛の万能の感情がわれわれを至福なものへと浄化する。
��by マーラー)


約80分のマーラー交響曲第2番

ケン・ラッセルの映画「マーラー」は、第5楽章の冒頭から劇的に始まる。この第5楽章は35分前後にもおよぶ。
曲の展開が非常に激しく、1楽章から4楽章までの要素が詰め込まれていると勝手に思い込んでいるため、第2番はこの第5楽章以外ほとんど聴かない。
第5楽章には「復活」と題された象徴的な声楽が含まれていて、それ故、この第2番には「復活」という表題がつけられている。しかし、マーラー自身が正式につけたものではない。
��0分以上と二番目に長い第1楽章は、当初、「葬礼」と表題をつけられた交響詩として発表される予定だった。しかし、音楽出版社のショット社や指揮者ハンス・フォン・ビューローなどに露骨に批判されたため、「葬礼」の発表をあきらめ、のちに手をくわえ「葬礼」という表題を取り除き、第2番の第1楽章として発表された。
第2楽章、第3楽章、第4楽章はどうしても退屈に思えてしまい、気持ちよくというより退屈で寝てしまう。力の入り方から、第1楽章も聴くべきなのかな─、実際に聴いてもそれなりの聴きごたえはあるものの、第5楽章だけで満足だ。

第5楽章 1/4

第5楽章 2/4

第5楽章 3/4

第5楽章 4/4

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