2008年3月3日月曜日

A UN


画像阿吽の音 A UN


音楽家・鳥養 潮と聲明四人の会が共同でつくり出した
音楽世界を体感した。

一部
1. 入堂 (Entrance)
2. 阿吽 I (A UN I)
3. 阿吽 II (A UN II)
4. 阿吽 III (A UN III)
5. 阿吽 IV (A UN IV)
二部
6. 唄・散華 BAI・SANGE
7. 行道~光明真言 GYODO - KOMYOSHINGON
8. 終章 Epilogue

一部では密教における阿(ア)吽(ウン)唵(オン)という音を象徴的に引用、さらに光明真言におけるサンスクリット梵字二十三音による呪文「オン・アボキャ・ベイロシャナウ・マカボタラ・マニ・ハンドラ・ヂンバラ・ハラバリタヤ・ウン」という音が組み合わされた構成。声による音は、この2要素しか使用していない。
阿(ア)─永遠を意味し
吽(ウン)─「阿」の対語で無間の空間を意味している。
つまり「阿」「吽」には万物にそなわる全ての音声が包含している。
「唵」(オン)─梵であり宇宙の根源・万物を表しており
この3音に限定し、根源的なもの、音楽でいうと“発音"というものにスポットが当てられている。3音に呪文が加わり、シンプルでありながら重厚な世界が展開されている。
二部では伝統的な声明というものにスポットが当てられていて、一部よりも豊富な歌声を耳にすることができる。楽器の演奏もより激しくなり、鳥養 潮が作品全体のテーマであると語っている“身体性"と“時間の集積"というものを実感できるだろう。

この作品はスパイラルホール「聲明(しょうみょう)」コンサートシリーズで演奏されている。その公演は、音のみならず、視覚的な効果においてもあらゆる演出が試みられていたようだ。
��演出・構成:田村博巳)
※「阿吽の音」公演の実際の画像ではありませんが、参考までに─
��> visual creation PLASTIC RAINS (by たきしまひろよし)
   聲明の会・千年の聲

2 件のコメント:

  1. なかなか渋いものを聴いてますね。
    お声明聴くと、気持ちが浄化されるような気がしませんか。
    マントラは・・・何となく“悪霊退散”みたいなイメージがありますが・・・
    最近はお寺に行くと、ご本尊の真言が書かれているところがありますね。

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  2. シュリンパー2008年3月4日 4:10

    このCDは声明の公演で購入したもので、その公演でも悪霊退散的なものを見てきました。
    このような根源的な音を追求した作品を聴くと、音楽が発展してきたさまを感覚的に捉えることができて、日常聴いている西洋音楽がさらに素晴らしく聴くことができます。
    この作品で癒やされる─で終わることなく、さらにあらゆる物事への見方が変わるという意味で、声明のような根源的なものを体感する価値があるのだと思います。まぁ、あくまで音楽を聴くという立場で捉えた場合の話ですけれど─。信仰などという概念で声明を捉えることは、僕にはできません。信仰を超えてこそ、声明の良さが見えてくるのではないでしょうか。

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