��月にライヒの新作がリリースされ、しかも、ライヒが来日していた。
ぜひとも行きたいところだったが、情報を得たのが遅かった上
同時期にかなりのコンサートへと赴いたために、金欠…
ライヒのトークセッションなる催しには
大学時代に現代音楽を教えていただいた白石美雪先生が参加
こ、これは…、が、しかし……
泣く泣くあきらめたのでした。
行った方がいらっしゃいましたら、自慢のコメントよろしくです。
甘んじて受け入れましょう!(T T)。
せめて新作は聴いておきましょう。
Steve Reich: Daniel Variations
この作品は、2002年にパキスタンでテロリストの犠牲になった、ユダヤ系アメリカ人ダニエル・パール記者を題材にしたものだという。声楽部分にはジャーナリストの遺言と、そしてまた、旧約聖書のテキストが組まれているようで、社会問題とユダヤ教的アイデンティティーを扱っているところがいかにもライヒらしいといったところか─。
※参考─CDジャーナル「スティーヴ・ライヒを探る~ライヒ、新作を語る」
個人的な意見として─
いかに音楽に哲学や思想が含まれていたとしても、それを聴いてすぐにその本質をつかむことは難しいと思うわけで、音楽を聴くときはやはり音楽そのものを聴くわけだから、その人の思想の優劣は全く関係のない。素晴らしい思想を持って作曲活動をするのは大いに結構なのだが、まずは素晴らしい音楽を─と思ってしまう。
その点ライヒの音楽は、純粋に音楽そのものが素晴らしい。音楽の評価はともかく、音楽そのものを堪能することができる。
このアルバムもその例外に漏れず、ライヒらしいサウンドを存分に楽しむことができた。そのことは、同時に、ライヒの音楽を表面的にしか理解できないという危うさも含んでいるが、ミニマル特有の反復して聴いてしまう魔力により、少しずつライヒの思想に近づいてゆくことだろう。こればかりは、いかに解説を読んだり聞いたり、トークセッションに参加したりしても、達成できるものではあるまい。…─単なる負け惜しみのような…。
とてもよいアルバムだと思うのだが、新しいものをあまり感じなかったことが少々残念だ。しかし、それは若いもんの仕事だろう、と71歳のライヒが言ったかどうかは分かりません。
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