2008年5月8日木曜日

グレート

交響曲の聴き比べ
CDなどレコーディングされた音をもってして比べてみたところで、凡人の自分にはなかなか理解できない。ましてや、CDの音源などはある程度厳選されているものであろうから、どれを聴いても素晴らしいという感想しか持てない。
ということで、今回のラフォル・ジュルネ・オ・ジャポンでは、あるひとつの楽曲を公演を変えて聴き比べてみようと思い、シューベルト交響曲第8番「ザ・グレート」をピックアップしてみました。

最初の公演は、前回書いた・上海交響楽団 演奏、大友直人 指揮による「ザ・グレート」。上海交響楽団とは1897年に創設のアジアで最古の老舗楽団らしい。
しかし、個人的には、あまり満足できる内容ではありませんでした。

そして、次に聴いた「ザ・グレート」は─

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ヴュルテンベルク室内楽管弦楽団 演奏
ルーベン・ガザリアン 指揮

“最初の公演”と比べると、小規模の編成で、聴いたホールも小規模な所。弦楽器の音が多少弱く、管楽器の音が若干強すぎるかなと思いました。
しかし、その演奏内容は非常に素晴らしいものでした。一体感たるやものすごいもので、まるでホール全体が音で漂っている感を持ったほどです。
前回と比べて何がそんなに違うのか─
小規模だから合わせやすいのか
ドイツの楽団だからなのか
西洋と東洋の違いからなのか…
─そういえば、小澤征爾がヨー・ヨー・マに「東洋人が西洋音楽を演奏することの意義に思い悩んでいる」と語っていたのを思い出す─

たまたまその日の楽団の出来が左右していただけかもしれませんが、いずれにせよ、ヴュルテンベルク室内楽管弦楽団とルーベン・ガザリアンの「ザ・グレート」は非常に良かったです。演奏後、あちらこちらで、「すごい良かった!」という声が飛び交っていたことからも、この演奏は大成功だったことを物語ってように思います。


聴き比べなんてできるものではありませんでしたが、2つの「ザ・グレート」をしっかりと見ることができました。楽譜を重んじるクラシックであっても、演奏者によって表情が全く違うのだということを実感できただけでも、収穫でした。

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