全てのクラシック音楽はカバー曲のようなもので、誰が指揮した・演奏したということが重要な要素であり、それらを比較することが1つの楽しみでもあるでしょう。
クラシックギターの場合、まずはアンドレス・セゴビア(Andres Segovia 1893-1987)を聴いて、それからジョン・ウイリアムス(John Williams)を聴く、というのがよいでしょう。
ジョン・ウイリアムスはセゴビアの門下にあって、セゴビアから賞賛されてデビューしたらしいのですが、テレビでジョン・ウイリアムスは「セゴビアの指導法が厳格すぎ」てあまりよくないと批判的発言をしていたのを覚えています。
♪アストゥリアス(アルベニス)、♪前奏曲~無伴奏チェロ組曲第1番(バッハ)、この2曲を聴けば2人の特徴が明確に知ることができるでしょう。簡単にその特徴をいうと、♪アストゥリアスはトレモロを使用した技巧的な曲で正確無比な演奏をするジョン・ウイリアムスの演奏がすばらしく、一方♪前奏曲は流れるよう自然に弾くセゴビアの演奏がすばらしい。2曲とも有名だから、2人の演奏の違いをよく感じることができると思います。
次にセゴビアが演奏する♪魔笛の主題による変奏曲(ソル)と♪ロス・ピーノスのロマンセ(モレノ・トレーバ)、ジョン・ウイリアムスが演奏する♪最後のトレモロ(バリオス)と♪アルハンブラの思い出(タルレガ)を聴いてみてください。2人の特徴を少しでも分かっていれば、もしかしたら聴いていて鳥肌が立つかもしれません。
クラシックのこのような特徴はJAZZの世界でも顕著に見られます。以前紹介した♪サムワン・ウオッチ・オーバー・ミー、♪枯葉や♪キャラバンといったスタンダードと呼ばれるものがそうです。1つの曲を様々な形で演奏されるのを聴けば、音楽的視野が広がっていくことでしょう。そして演奏することもまた創造的な活動なのだと理解できるはずです。
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