2008年9月29日月曜日

横浜トリエンナーレ2008 ~小杉武久コンサート~

行ってきました


一日中回り、夜も更けて、さすがに疲れます。
しかし、暗くなっても、トリエンナーレまだやまず─

この日最初に訪れたリングドームでのパフォーマンス
歌っている人はメニ・ニクラという女性アーティストです。
トリエンナーレの会場は午後5時から午後7時ぐらいに閉館してしまいますが、それ以降にもイベントが開催されていたりします。今日この日も、「赤レンガ倉庫1号館」にて小杉武久のコンサートが企画されていました。そこへ向かう前に、ドームでのイベントを少しのぞいてみました。


さて、小杉武久のパフォーマンスです。
彼は東京芸術大学の楽理科を卒業し、フルクサスに参加・・・
詳しくはウィキなど見てください>>小杉武久(Wikipedia)
それにしても、楽理科なんてあるんだ…
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これが彼の楽器です。なるほど、楽理科卒業か─
オフィスタイプの机と椅子がステージとして設えられ、卓上にこの楽器。そこへ、静か~に白髪で眼鏡をかけた男性が現れ、ん?この人が小杉さん?椅子に座ったからそうかな…?、と会場の多くの人がそう思ったに違いありません。拍手も歓声もないまま、卓の端にある機材のつまみを静かに回して演奏が始まった。

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内容。終始ノイズです。心地よいと感じる人もいれば、もちろん不快と感じる人もいるでしょう。しかし、人間が人間のために創りだしていることは間違いない音だったので、必ずしも全てが聴くに堪えないとは言い切れないでしょう。個人的には、非常に好きな音であり、かなり癒やされたような気がします。
さすがにこの時に映像や音はとれていませんが、YouTubeから引用するとしたならば、このような感じでしょうか─


��時間で演奏は終了しました。終わりはさすがに拍手喝采。それに小杉武久は軽く右手を挙げただけで、恥ずかしげに目の前から消えてしまいました。しばらくして、再び登場して「今回はちょっと演奏時間が短かったですけど─…、…ありがとうございます」と簡単なあいさつと、「機械の説明しますね」と言って数秒演奏して「じゃあこれで」と消えました。秘密であるということなのでしょう。
会場は満席でしが、非常に小規模だったために聴いた人は200人ほどだったのでしょうか。その中、自分は一番前のど真ん中で教授の手元をじっと見つめることができました。まさにプレミアナイト。長かった一日も良い締めで終了。

帰りの電車の中、横浜トリエンナーレ2008のマップ&イベントスケジュールを読んでいると、会場は1番~7番まで存在することを知りました。一日で見ることができたのは─
��新港ピア
��日本郵船海岸通倉庫
��横浜赤レンガ倉庫1号館
��運河パーク
だけでした。残りの─
��三溪園
��大さん橋国際客船ターミナル
��ランドマークプラザ
まだまだ見るべきものが数多くある気がします。
<会場詳細はこちら>横浜トリエンナーレ2008公式HPより

��1月末までの開催なので、最低もう一度は訪れたいと思います。

2008年9月28日日曜日

横浜トリエンナーレ2008 ~日本郵船海岸通倉庫~

行ってきました


神奈川県警本部の隣に第2会場の「日本郵船海岸通倉庫」がありました。第2会場の場所は遠目ですぐに分かったのですが、入り口がなかなか分かりづらいので、県警本部の正面入り口を目指して行けば、すんなりと目的地に到達できるはずです。

会場に入る前に誰もが自由に見ることができる作品─
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これまで見てきた作品とは、何か雰囲気が違います。どことなく生々しいというか、おどろおどろしいというのか…。この最初の作品の印象が、まさに、この第2会場を象徴していたように思います。
会場入り口には、勅使河原三郎の作品を見るための行列。作品によっては、人数制限を設けていたものがいくつかありました。それが素晴らしいという保証はないので、そんなものはどんどんスルーして─…この会場内で最初に見た作品がヘルマン・ニッチェ作のもの。作品入り口前で、一人のトリエンナーレスタッフに「こちらをよくご覧になってから見てください」と注意を促された看板に“Rー15”および“不快を招くおそれがあります”といったことが書かれてありました。そんなの関係ありません。どんどん見ましょう─、と勇んで作品内に入っていくと非常にグロテスクな映像と作品が、まさに血まみれといった表現がぴったりでしょう、ずらりと展示されている…これは、はく人いるな…と思ってしまうほどに“ひどい”作品でした。衝撃こそアートだ、という誰かの言葉が頭をよぎりましたが、それを肯定していいものなのか…いろいろ考えさせられる作品です。映像をこの場に載せるのは気が引けるので、興味がある方は自己責任の下に、彼のオフィシャルサイトへのリンクをクリックしてください。
HERMANN NITSCH

気を取り直して次へ─
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この第2会場はメイン会場同様にインスタレーションが多くて、なかなか見ていて飽きません。メイン会場と大きく違うのは“Rー15”の作品が複数存在すること。見ていて気持ちよい作品ではありません。また、比較的シュールな作品が多いかもしれません。
■椅子に座った男性が、ジャガイモを遠くにあるドラ目がけて放り投げて、数回に1回ドラに当たり、その度ごとに「ゴーン」と大きな音を響かせる…と行った白黒フィルムの作品。
■オノ・ヨーコが黒いドレスを着て椅子に座っていて、そこに入れ替わり立ち替わりあらゆる人が一人ずつ現れてはオノ・ヨーコのドレスをはさみで切り取り持っていく…といったカラービデオ作品(オノ・ヨーコ作)。
■チョコレートを血に見たてた“ひどい”映像作品
といったものがありました。

また、この会場には小杉武久の作品も展示されています─
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主に矩形の物体で作品が構成されていて、その物体一つ一つからそれぞれ違った音が鳴っています。全て電子のノイズ音だと思われますが、それぞれに色んな表情があり、常に有機的に変化しているように思えて、なにか見たこともない生き物が鳴いているような印象を持ちました。ショッキングな作品が多い中、この会場でのオアシス的な作品と言っていいでしょう。
この日の夜には小杉武久のライブ演奏が催されています。大いに期待です。ちょっと一休みして、再びライブ会場となる「赤レンガ倉庫1号館」へと向かいましょう。

参考:祭典
参考:横浜トリエンナーレ2008 ~ドーム、そしてメイン会場~
参考:横浜トリエンナーレ2008 ~赤レンガ倉庫1号館~

2008年9月26日金曜日

横浜トリエンナーレ2008 ~赤レンガ倉庫1号館~

行ってきました


メイン会場の「新港ピア」から第3会場の「赤レンガ倉庫1号館」へは、比較的行きやすそうだったので、そちらのほうへと足を運びました。
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��階、3階が展示会場です。ここの会場は、映像作品が多数展示されていました。プロジェクター、薄型ワイドテレビなどで映像が流されています。
空間的なアートを見た後で、こういった映像作品を提示されても、何か物足りなさを感じてしまいます。故に、どの映像作品を見ても集中することはできなくて、その作品自体、何か陳腐なものに感じてしまうのです。これは一個人の感じ方でしかありませんが…。仮に、映像作品を目的でこのイベントに足を運んだのならば、全てのインスタレーションがただのガラクタにしか見えないのかもしれません。まぁ、極論ですけど…。
もちろん、映像以外の作品も展示されています─
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映像の羅列を通り過ぎてきた後なだけに、ものすごく新鮮で、素晴らしい作品に思えてしまいました。もうこれ以上興味を引くものはここにはないかな、と別会場へと急ごうとするのを引き留めたのが、灰野敬二の爆音パフォーマンス映像だったのです。
爆音といっても、その音が会場中を響かせていたわけではありません。他にも映像作品が隣り合って流れているので、それでは迷惑極まりありません。ではどのようにその“爆音”を展示していたかというと、薄型ワイドテレビにワイヤレスヘッドホンという形での展示でした。ヘッドホンは4つ。たったの4つです。激しい争奪戦は必至。しかし、手に入れるのは比較的楽でした。なぜなら、このような音が終始続いていたからです─

��周だいたい40分ぐらいの映像、全て見て聴いていた人は自分以外いませんでした。ものすごいペースで3つのヘッドホンが入れ替わっていました。無理もないか…

映像の中の灰野敬二は─
最初、リズムマシンでランダムであろうリズムを作り、それをバックグラウンドに2つのテルミンで爆音を奏で始める。それが30分も続いたであろうか、さすがにこちらも飽きてきて、マジで居眠りしそうになると、ついにギターを持ち始め、さらに強烈な爆音、そして最後の最後に歌って終了。
なるほど、灰野敬二はミュージシャンというより、パフォーマーというべきアーティストであると、勝ってながらに実感してしまいました。ある種、メレディス・モンクのような……。


ここに訪れた日の夜には、小杉武久のライブ演奏が行われる予定で、そのチケットを持って臨んできていました。ノイズ三昧の一日というのも、悪くないだろう。楽しい夜の前に、まずは小杉武久の展示を見るために、第2会場の「日本郵船海岸通倉庫」へと行ってみましょう。


参考:祭典
参考:横浜トリエンナーレ2008 ~ドーム、そしてメイン会場~

2008年9月25日木曜日

横浜トリエンナーレ2008 ~ドーム、そしてメイン会場~

行ってきました



横浜駅にから「みなとみらい線」に乗車、「馬車駅」というところで下車。6番出口を出て万国橋通りを直進していけば、メイン会場である「新港ピア」に到着します。

画像 新港ピアへの途中、小さな橋の上
 左手には見覚えのある光景─。
 なるほど、横浜だと実感。
 横浜らしい光景とともに
 「ドン!ドン!」という爆音が
 同じ方向から聞こえてきました。
 ちょっと寄り道─



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画像 展示物の一つでした。
 展示はかなり広範囲。
 
 ドーム内ではドラムやシンセの演奏
 時々音に反応し手作りロボットが─。
 
 ドームという作品と
 中での演奏は全く別物
 ドームは一つの施設でした。

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さて─
ようやくメイン会場に到着です。
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会場わきのチケット売り場でチケットを受け取りました。このチケットで全ての会場を回れます。有効期間は2日間。頑張って全て回りましょう。そういえば7番の展示では、チケットは必要ありませんでした。チケットなしでも見ることができる展示もあるということです。
名前を記入し新港ピア入場─
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実際はこの映像の3倍ぐらいの作品が展示されています。インスタレーションを映像におさめて説明するというのはなかなか難しくて、とても全ての作品を撮影することなどできませんでした。そして、平面で説明できたとしても、それは実際の空間で体験することとは全く別物でしょう。興味を持たれた方は、実際に行ってみるべきでしょう。

参考:祭典

2008年9月19日金曜日

CAN

MTVでCANの♪Paper Houseが流れていました。
♪Paper House


ものすごく個性的ですね、特にボーカルが…
この曲はアルバム「Tago Mago」に収録されています。

Tago Mago(1971)

Holger Czukay – bass, engineering, editing
Michael Karoli – guitar
Jaki Liebezeit – drums, double bass, piano
Irmin Schmidt – keyboards, vocals on "Aumgn"
Damo Suzuki – vocals

ボーカルは神奈川県出身のダモ鈴木。このアルバムからCANに加入、合計3枚のアルバムでボーカルとして活躍。知らなかった…

CANといえば「Monster Movie」─



─しか知りません。ジャケットがなんかいいから知っているようなもので、内容はあまり覚えていませんが…。改めて聴いてみると、♪Paper House同様にものすごくアバンギャルドで実験的なサウンド、かなり好きな部類の音楽なのですが、またすぐに忘れてしまうだろうなぁと思ってしまうのです。かたちが曖昧なものを記憶しておくことが、いかに難しいことか─。それとも、耳慣れないから曖昧と感じるだけで、これを耳にこびりつくほど聴いて明確に記憶したなら、音楽的ビジョンが広がるということなのでしょうか。自らの音楽観をさらに高めてくれるのか、それともその逆で単に価値観を崩すだけのものなのか─、ようわからーん!と、結果的に思ってしまうことが多いのです、このような音楽に浸っていると…。

2008年9月18日木曜日

Seaside Rock / Peter Bjorn and John


画像Seaside Rock [Analog]
(2008.9.10)
Peter Bjorn and John


「北欧より登場!激シブ・インスト曲満載の個性派バンド」と紹介されていました。とりあえずこれを─・・・、“とりあえず"として聴くのに最適でしょうか─、そう言うと悪く聞こえるかもしれまえんが、個人的には相当気に入りました。久々にすぐリピートしたアルバムです。
ピーター・ビヨーン・アンド・ジョンとは何者なのか。スウェーデンのロックバンドで、日本のCMでも曲が使用されていたとか。
♪Young Folks

聴いたことあります。ポップで不思議な曲。結構好きです。この曲を聴くと、いわゆるポップとかロックといわれるバンドなのだと思ってしまうのですが、今回のこのニューアルバム?を聴いていると、単にロックバンドだと言われても、いまいちピンときません。インストゥルメンタルのみで構成されているからなのでしょうか。なにかアンビエントのようにも感じてしまいます。

「Seaside Rock」というタイトルと実際の音楽が非常に合って、非常に分かりやすく、なんの不安もなく、“ながら"で聴くことができる、素晴らしいアルバムでした。