神奈川県警本部の隣に第2会場の「日本郵船海岸通倉庫」がありました。第2会場の場所は遠目ですぐに分かったのですが、入り口がなかなか分かりづらいので、県警本部の正面入り口を目指して行けば、すんなりと目的地に到達できるはずです。
会場に入る前に誰もが自由に見ることができる作品─
これまで見てきた作品とは、何か雰囲気が違います。どことなく生々しいというか、おどろおどろしいというのか…。この最初の作品の印象が、まさに、この第2会場を象徴していたように思います。
会場入り口には、勅使河原三郎の作品を見るための行列。作品によっては、人数制限を設けていたものがいくつかありました。それが素晴らしいという保証はないので、そんなものはどんどんスルーして─…この会場内で最初に見た作品がヘルマン・ニッチェ作のもの。作品入り口前で、一人のトリエンナーレスタッフに「こちらをよくご覧になってから見てください」と注意を促された看板に“Rー15”および“不快を招くおそれがあります”といったことが書かれてありました。そんなの関係ありません。どんどん見ましょう─、と勇んで作品内に入っていくと非常にグロテスクな映像と作品が、まさに血まみれといった表現がぴったりでしょう、ずらりと展示されている…これは、はく人いるな…と思ってしまうほどに“ひどい”作品でした。衝撃こそアートだ、という誰かの言葉が頭をよぎりましたが、それを肯定していいものなのか…いろいろ考えさせられる作品です。映像をこの場に載せるのは気が引けるので、興味がある方は自己責任の下に、彼のオフィシャルサイトへのリンクをクリックしてください。
HERMANN NITSCH
気を取り直して次へ─
この第2会場はメイン会場同様にインスタレーションが多くて、なかなか見ていて飽きません。メイン会場と大きく違うのは“Rー15”の作品が複数存在すること。見ていて気持ちよい作品ではありません。また、比較的シュールな作品が多いかもしれません。
■椅子に座った男性が、ジャガイモを遠くにあるドラ目がけて放り投げて、数回に1回ドラに当たり、その度ごとに「ゴーン」と大きな音を響かせる…と行った白黒フィルムの作品。
■オノ・ヨーコが黒いドレスを着て椅子に座っていて、そこに入れ替わり立ち替わりあらゆる人が一人ずつ現れてはオノ・ヨーコのドレスをはさみで切り取り持っていく…といったカラービデオ作品(オノ・ヨーコ作)。
■チョコレートを血に見たてた“ひどい”映像作品
といったものがありました。
また、この会場には小杉武久の作品も展示されています─
主に矩形の物体で作品が構成されていて、その物体一つ一つからそれぞれ違った音が鳴っています。全て電子のノイズ音だと思われますが、それぞれに色んな表情があり、常に有機的に変化しているように思えて、なにか見たこともない生き物が鳴いているような印象を持ちました。ショッキングな作品が多い中、この会場でのオアシス的な作品と言っていいでしょう。
この日の夜には小杉武久のライブ演奏が催されています。大いに期待です。ちょっと一休みして、再びライブ会場となる「赤レンガ倉庫1号館」へと向かいましょう。
参考:祭典
参考:横浜トリエンナーレ2008 ~ドーム、そしてメイン会場~
参考:横浜トリエンナーレ2008 ~赤レンガ倉庫1号館~
0 件のコメント:
コメントを投稿