ヘルゲ・リエン・トリオが来日したのは9年ぶりだとか。つくづく、見てよかったと思う。そうは言っても、この公演を知ったのは公演の直前。音楽を愛する親切な方が、このブログにコメントしてくれて、ソッコーチケットを予約した。直前なのによく取れたものだとホットしたのだが、そんな焦る必要はなく、当日でも良い席で見ることができたなあ、とライブハウス内を何度も見回した。なんで?
2012年11月3日(土)- 11月4日(日)
両日とも
会場:東京 新宿 Pit Inn
開場 19:30 開演 20:00
自由席 整理番号付 前売 5,000円 当日 6,000円 ドリンク付
Helge Lien ヘルゲ・リエン piano
Knut Aalefjær クヌート・オレフィヤール drums
Frode Berg フローデ・バルグ bass
(専属エンジニア来日)
企画制作 Office Ohsawa
協力 Disk Union
後援 ノルウェー王国大使館
土日のうち見たのは日曜日。日曜の夜だから空いていたのだろうか?一向に満杯にならない会場に、なんで自分がそわそわしなければならないのか、そう思っているうちに3人が静かに登場、初めて生で目にするヘルゲ・リエンは、案外スリムなんだという第一印象。
一曲目はアルバム「Natsukashii」の最後の曲、♪Living In Different Lives
なんと音質の良いこと。上手いとか曲がいいということもさることながら、音そのものが良いのである。そんな特別な音響設備であるとは思えないのだが─。その音質の良さは、専属PA陣も帯同しての公演だからなのか、しかし技術陣の帯同などということは特段珍しいことではないが、メンバー紹介の際にPA陣にも言及していたことは珍しいかなと思えたので、やはりこのトリオの音作りはバックアップがあってこそだということなのだろう。
「Natsukashii」は3月11日以降、初めて購入したアルバム。心にしみた記憶が少し甦る。
アルバムの全曲を演奏したように思うのだが、見事なインプロヴィゼーションとの組み合わせであったために、明確な判断ができなかった。まぁセットリストなどどうでも良くなってしまうほどの、見事な演奏空間を作り上げていた。20121104inPittInという一つのタイトルだけを記せばそれでいいのではなかろうか。
現代音楽を彷彿とさせる自由すぎる演奏が展開する場面もありはするのだが、何か得体の知れないグルーブ感が終始トリオを包み込んでいた。どんなに音が壊れていようと、このトリオのリズムは決して崩れることはない。それが、どんな不協和音を奏でようとも、不思議な安心感を聴いているこちら側に与えてくれているのだろう。演奏している側はどうなのか?相当の熟練度を感じるし、完成度を感じるのだが、決して堅苦しくはなく、常に自由。常に自由でありながら、確固とした楽曲を重んじている印象。兎に角すごいなという─。
9年ぶりの来日ということは、その時はまだアルバム「Hello Troll」のリリース前か─。ぜひともあの曲も演奏してもらいたいものだと、大きな期待。そしてそれに近づくように「Hello Troll」からの演奏も始まる。
はや演奏もすべて終わった様子。はて最後の曲なんだったか・・・覚えていないのは待ち望んでいるあの曲を演奏しないから。当然のアンコールを少数の聴衆が頑張って求める。そして!お決まりのようにアンコールのためプチカーテンコールの中3人登場。曲は!?♪Natsukashii。なんとこの曲もまだだったのかと驚きつつも、いい曲だけどこれじゃないんだよヘルゲ君などと突っ込みたくなるのだが、じっと待つ。そしてまた、プチカーテンコール。さあ絶対アンコールするぞと心に決めたその時、ドラムが業を煮やしたようにリズムを刻むと、仕方がないとばかりに立ったままお行儀悪くヘルゲ君があのメロディーというかリズムを刻みだした!これでございます!!ヘルゲ様!!!
Snurt
そして皆満足のもとに家路につく。すぐまた見たい・聴きたいけれども、なかなかオスロは遠いから・・・
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