2010年6月3日木曜日

John Adams Earbox

 アダムズ、グラス、ライヒなどのミニマル音楽ばかり聴いていると、どうしても飽きてしまう。飽きてもまた聴いてしまうのは、そのメロディーが非常に心地よかったりするからなのだが、ならば何故飽きてしまうかというと、ご想像の通り、永遠に続くかと錯覚してしまうほどのループが煩わしいものに思ってしまうわけだ。
 ジョン・クーリッジ・アダムズの音楽は、グラスやライヒと比べて、反復がそれほど激しくなく、音の変化も比較的大きい方だ。とはいえ、「Earbox」などのボックスセットを聴き続けると、何か物足りない気になってしまう。
The John Adams Earbox [Box Set]
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 ウォークマンなどにこのボックスを納めて、なんとか全て集中して聴こうと試みるのだが、いつの間にか違うこと(読書やメールなど)に気持ちが移っている。アダムズの音楽が見事に周りの世界との壁となってくれて、恐ろしいくらいに読書などに集中できる。サティの“家具の音楽”的な要素が含まれている証拠と言えるのか…。
 こうして、アダムズの音楽に集中できないままに、大量の音楽群はいつの間にか忘れ去られてしまうことになってしまうのだ。それをまた発掘するのは、意外と困難だったりする。
 忘れ去られた音楽を発掘するのには、全曲を対象にシャッフルして聴くことが最もいい。最近シャッフルして、発掘、再発見したものがアダムズだった。あらゆる音楽に囲まれたアダムズの音楽というものが、非常に際立って聴こえた。とくに気に入ったのが♪Christian Zeal and Activity という曲。

 人がまばらな都市のビル群を眺めながらアダムズを聴くと、なぜか非常に悲しい。

 アダムズはいいなと再認識して、再びボックスセットを発掘して、代表作の「Nixon in China」などを聴いてみる。オペラは音楽だけでは楽しめないのかもしれない。
 こうしてまた、これら音楽は埋もれていく。
 でも、またいつの日か─…

2010年5月5日水曜日

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2010 公演番号372

ブリジット・エンゲラー Brigitte Engerer

日時 2010年5月4日 11:15~12:00
会場 東京国際フォーラム ホールG409
料金 指定席 1500円

ショパン:ノクターン 嬰ハ短調 KK IV a-16 [遺作]
ショパン:ノクターン 変ホ長調 op.9-2
ショパン:ノクターン 変ニ長調 op.27-2
ショパン:ノクターン ハ短調 op.48-1
リスト:孤独のなかの神の祝福(「詩的で宗教的な調べ」より)
リスト:葬送(「詩的で宗教的な調べ」より)

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ことしは比較的空いているほうか・・・

本日は
国際フォーラム4階、会議室での演奏
ブリジット・エンゲラーの独奏

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンの常連
去年もエンゲラーの演奏は聴いた
確か、オーケストラの協奏曲とチェロとの二重奏だったか
激烈で力強い演奏が印象に残っている
そういえば、チェロとの共演の際
譜面をめくる助手の女性を傍らに激しく演奏
その途中、その女性がめくるタイミングを間違えてしまい
エンゲラーが演奏しながら激しく制し
その激しい勢いのままに演奏を続けていた
それが強く印象に残っている
協奏曲では譜面をめくる人はいなかったような…
自らものすごい速さでバッサバッサめくっていた
やはり激烈な印象

さて、ことしは─
演目はノクターン中心、最後は葬送
静寂な演奏になる予感
ピアノの両脇には電気式のろうそくランプ
室内は薄暗く
会場は数百人ほどの小規模なもの
座席番号1列1番
ちょうど奏者の真後ろに位置する所
室内は薄暗く
ピアノの両脇には電気式のろうそくランプが設置
何やらブラックな演出
拍手とともにブリジット・エンゲラー登場
衣装も当然黒いもの
「遺作」が静かに演奏される
演目は徐々に激しさを増していく構成
軽やかで流れるようなピアノタッチ
最後のリストの「詩的で宗教的な調べ」での超絶技巧
演奏の素晴らしさもさることながら
その見事な演出に感動
カーテンコールからも大成功というのが理解できた
決して社交辞令ではない拍手が鳴り止まない
そしてそれに応えるアンコール
シューマン
ショパンとともにシューマンの生誕200年でもあるから
拍手、拍手の雨霰
それに応えるアンコール
ショスタコービッチ
予想外の演奏に驚きのオー!
拍手もさらに大きく、当然か
そしてさらにアンコール
ラフマニノフ
仏出身ではあるが、モスクワで学んだことを発揮か
計3回、バリエーションにとんだアンコール
本当に感謝、CDでも買って帰ろうかな
という気持ちになるのも当然
するとタイミング良く会場の外で
“ブリジット・エンゲラー”サイン会のお知らせが
会場は新星堂・特設販売所のすぐ脇にて
おお、それならばCD買ってそれにサイン…
…なるほど、大サービスするわけだ
最初から最後まで見事な演出
��D買うのは我慢しよう


来場者数、東京国際フォーラム館内のみ
今年(3日間)─約41万3000人
去年(3日間)─約40万人
一昨年(5日間)─約64万人
��速報値参照)
大盛況だったということか

来年のテーマはまだ発表されず
ちなみに本家ナントのテーマは
ポスト・ロマン主義
ブラームスからR・シュトラウスまで様々な作曲家が登場
ブラームス、ブルックナー、マーラー、シェーンベルク、
オルフ、ヒンデミット、ヴォルフ....
さすが本家、よい選択
ジャポンもこれでいいんじゃないの?
アンケートではブラームスが一番人気とか
故にブラ中心に調整するとか

いずれにしても来年も今年のように
有料1、2公演のチケットをゲットして
あとは楽に周囲のものを楽しめばいいかな

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ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2010 公演番号246

アナ・マリア・ヨペック (歌) Anna Maria Jopek (vocal)
小曽根真 (ピアノ) Makoto Ozone (piano)

日時 2010年5月3日 18:15~19:00
会場 東京国際フォーラム ホールC
料金 S 3000円/A 2500円

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抽選で当たったS3000円のチケット
��階17列28番
��階前のブロック、一番後ろの右端の席
音・全体を見渡すのには最高の位置
ただ多少遠く感じるのは贅沢か─

東京国際フォーラムのCホール、座席数1502席
ほぼ満席
さすがのネームバリュー

昨年も小曽根真はラ・フォル・ジュルネに登場していた
バッハの楽曲を見事にアレンジ
実際にその公演も見たのだが
その演奏を忘れられず、今年も小曽根をと─
チケットを得ることができてラッキー

今年は事前に予習
この公演に向けてリリースしたのであろう
小曽根真のニューアルバムを聴きながら入場
小曽根真/Road To Chopin


公演もこのアルバムからの演奏となった
何を演奏したのかあまり記憶にないが確か─

マズルカ 第40番 ヘ短調 作品63の2
ポロネーズ 第3番 イ長調 作品40の1≪軍隊≫
ワルツ第6番 変ニ長調 作品64の1
夜想曲 第2番 変ホ長調 作品9の2
─アナ・マリア・ヨペック登場─
ドゥムカ(あるべきもなく)
インプロヴィゼーション
─アンコール─
マズルカ 第2番-ポーランド民謡≪クヤヴィアック≫

─もう1曲あった気がするがどうしても思い出せない

さて公演内容は─
最初のマズルカは原曲を知らないし曲調も静か
故にあまり演奏に入り込んでいけず
次の軍隊ポロネーズはよく知っているわけで
導入部分の演奏が思いっきりミスしているように聞こえて
一気に気持ちが離れていきそうに…
果たして、小曽根真がクラシックを演奏する意味とは…
しかし、軍隊ポロネーズの演奏が深まっていくほどの
その形はどんどん崩されて
非常にグルービーなポロネーズ(?)に変貌すると
後はどっぷり素晴らしい演奏に浸ることができた。

創造力というものにも様々なものがあるものだ。

アナ・マリア・ヨペックが登場しボーカルとピアノのデュオへ
アナはポーランド出身のアーティスト
ポーランドの民族音楽に精通しているとか
確かに演じられた音楽の響きは、牧歌的なもの
アンコールで歌ったポーランド民謡など最たるもの
小曽根真/Road To Chopin」の最後を飾るこの曲で終わってくれて
感謝。


アナ・マリア・ヨペックの歌声に感動した輩は
��D売り場へと群がり、そのCDは飛ぶように売れていた
Anna Maria Jopek/Id

そしてその群に我もあり
��Dの内容は期待に反し、煌びやか
まぁ自分勝手なひとつのイメージだけで
アーティストのイメージを決定するわけにいくまい
新たな出会いをじっくり楽しむか─。

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2010年4月10日土曜日

人生七十古来稀なり

��月9日はコバケンこと指揮者:小林研一郎の誕生日
��010年をもって古希を迎え、それを記念して日本フィルから桂冠指揮者という称号を贈られた─
ということを今日のコンサートで知る。
オービック・スペシャル・コンサート2010
コバケンの復活

��場所>
サントリーホール
��日時>
2010年4月9日(金)19:00開演(18:20開場)
��曲目>
J.S. バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
J.S. バッハ:目覚めよと我らを呼ぶ声あり BWV645
ヴィエルヌ:ウェストミンスターの鐘 op. 54-6
マーラー:交響曲第2番『復活』
��出演>
指揮:小林研一郎
ソプラノ:岩下晶子
アルト:相田麻純
オルガン:徳岡めぐみ
合唱:70thアニバーサリー祝祭合唱団
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団


��席9000円、1階23列21番
一階席の一番後ろ・ど真ん中、最高のポジション

コンサートの始まりが30分ほどのパイプオルガンの独奏、それから15分の休憩をおいて90分ほどのマーラー第2番、アプローズの後はアンコールはなく、指揮者の誕生祝いと桂冠指揮者授与式─不思議な構成だった。
パイプオルガンを生で聴くこと自体初めて。バッハ、ウェストミンスターの鐘という素晴らしい楽曲もさることながら、音そのものが素晴らしくて、あくまで前座的な扱いではあったものの、非常に得した気分。さらに姿形もカッコイイ。一言でいうなら、ジューダスプリーストか─
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そして、いよいよ、長年待ったマーラー2番
じわりと始まるその出だし。荘厳な交響曲に似つかわしくない繊細さが要求されるような、そんな難しさがあるのかもしれない─そう感じてしまうほどの緊張感と不安定さ。一抹の不安。しかし、すべての管弦打楽器が鳴り出すと有無をも言わさぬ重厚感。1楽章でかなりの音の幅、第5楽章は果たしてこれ以上の音を鳴らせるのか…それにしても第1楽章のこの激しい展開には、聴いているこちらも集中して聴かないと、この世界から離れてしまいそうになる。奏者は尚更のことだろう。
第2楽章は弦楽中心。ピチカートが非常に印象的。日本の弦楽は管楽と違って非常に安心して聴いていられるような…というのが個人的な見解。その通りの演奏。この演奏が終わると、アルト/ソプラノの独奏者それぞれ登場。それにともない軽い拍手。当然拍手するだろうとは思いつつも、ここの拍手は邪魔のような思い。
合唱者は全員、最初の演奏から背後でじっと座っている。独奏者もそうするべきなのでは?と思うのは聴き手の単なる我が儘なのだろうか─。
第3楽章は管楽が主体。所々に不穏なものも…。しかし、一斉に音が絡み合い、すさまじい音の塊がその不安をかき消してくれた。また、コバケンの式台でのダンシングも一つの演出のように表現されて、すべての演奏に好感を持ってしまう。元気な70歳古来希なり─。
第4楽章でようやく声楽。アルトの声に癒やされる。重々しい演奏の中で一輪の花が輝くと、一層際立ち、愛おしさをも感じてしまう。人の声こそが最高のインストゥルメントか─。
そして第5楽章。最高の音・爆発力で始まり、会場中の集中力が研ぎ澄まされる。怒濤の音量を持って世界が展開していき、コバケンの両腕も天まで届かんばかりに突き上げられる。これは感涙の予感。しかし、合唱が始まると、なにか気持ちがちぐはぐに(あくまでも聴いているこちら側の個人的な意見ではあるが…)。合唱、独唱、オーケストラ、さらには指揮者までも、なにかバラバラのように感じる。確かに、難易度は高そう。恨むなら、マーラーを恨むべきか。それにしても、憤慨したのは、客席において携帯カメラで「カシャ」と音を立てたヤツ、しかもソプラノが歌い出した途端だから余計にカメラの音が響き渡る。会場中が難題に立ち向かっていただけに、ホントむかついた!
さて、会場中の怒りが徐々に頂点に達していくと、消えかけていたあの感動が再び舞い戻ってきた。フィナーレが近づくにつれて、さらに舞台の袖から奏者が加わってさらに重厚さを増し、すべての音が鳴らされると、もう終わってしまうのかと、ある種の切なさを感じる。そして今までに聴いたことがない音の厚みに囲まれながら、すべての時間が流れていった。

この交響曲はチャレンジすることに意義があるのかもしれない。
いつかまた─



2010年4月9日金曜日

オービック・スペシャル・コンサート2010 コバケンの復活 予習

サントリーホール
2010年4月9日(金)19:00開演(18:20開場)
J.S. バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565

J.S. バッハ:目覚めよと我らを呼ぶ声あり BWV645

ヴィエルヌ:ウェストミンスターの鐘 op. 54-6

マーラー:交響曲第2番『復活』
マーラー/Sym.2: 小林研一郎 / 日本.po


指揮:小林研一郎
ソプラノ:岩下晶子
アルト:相田麻純
オルガン:徳岡めぐみ
合唱:70thアニバーサリー祝祭合唱団
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団

S12,000円 A9,000円 B6,000円




2010年4月8日木曜日

Heart Chamber Phantoms by yuka Honda

TZADIKレーベルから
久々にチョイスしたアルバム

Heart Chamber Phantoms


昔聴いていた、ジョン・ゾーンやデレク・ベイリーのような
破壊的なものよりも、ある程度形がしっかりしたものをと
選択したもの

サンプリングを多用していて
恣意的にというか勝手にというか、ジャンルを当てはまるならば
エレクトリック・ポップ/ロックといったところか

ショーン・レノンが参加
ドラム、ベース、パーカッションを担当しているようだ

ゾーン、ベイリーら先人たちが
既成の音楽を壊していったその断片を
非常に上手い具合に再構築しているような印象

アルバム6曲目
♪waters on mars



ところで、本田ゆか、なるアーティストとは─
ニューヨークを拠点に音楽活動。
��994年から2001年までチボ・マットという
音楽ユニットで羽鳥美保と共に活動。
その間、ショーン・レノンと交際、
さらには彼のアルバムもプロデュース。
ディスコグラフィー
Memories Are My Only Witness(2002)
Eucademix(2004)
Heart Chamber Phantoms(2010)

過去のものを聴くとボーカルが入っているが
今回のアルバムは、ほぼインストゥルメンタル
歌ものはポップ?
インスト系はややハード?
すべてのアルバムを聴いたわけでないので
確かなことは言えません
気になる方はぜんぶどうぞ─




Heart Chamber Phantoms
Tzadik
Yuka Honda

ユーザレビュー:

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2010年4月6日火曜日

TZADIK

アヴァンギャルドで前衛的(?)な音楽の宝庫
��995年にジョン・ゾーンが立ち上げたレーベル

フリージャズ、インプロ、実験音楽、ノイズ、クレズマー、ロック・・・
あらゆる音楽が雑多する

かつてはよくこのレーベルの音楽を聴いた
ジョン・ゾーン、デレク・ベイリー、フレッド・フリス、エリオット・シャープ、ジーナ・パーキンス、マーク・リボー、ネイキッド・シティー、灰野敬二、メルツバウ、グランドゼロ・・・
いま再び聴き直すとなると、相当な忍耐を要するかもしれない

そもそも、TZADIKとはどう発音するのか?そしてその意味は─

ツァーディク
ツァディック
ツァッディーク

ヘブライ語

��ZADIK=REBBE(レベ)
【レベ】
世界的にも大きな指導力を持つハシディズムの世襲的ラビのこと。
��ウィキペディアより)


非常にユダヤ色が強い名称であるわけで
ユダヤ系のジョン・ゾーンにとって、このレーベルの名称自体にも
何らかの含意があるのかもしれない
しかし、音楽を聴く限り、そんなものは全く感じない

��ZADIKは、他のどのレーベルでもリリースされることのない
��日の目を見ない)前衛的な音楽をリリースすること
それを念頭に置いているようで
非営利目的の音楽共同体であるということ。
音楽というのは自身の表現方法であるのだと主張している。
聴いて楽しむというよりも
聴いて感じとるというものか
そのことを思いながらTZADIKの音楽を聴くと
なかなか頷いてしまうのである


さて、どれを聴いてみようか─

TZADIK