ビル・フリゼールの新作「SIGN OF LIFE」から得られた情報から、2005年にリリースされた「Richter 858」は弦楽四重奏だったということを再認識させられた。
Richter 858 | |
1. 858-1 - 7:58 2. 858-2 - 3:15 3. 858-3 - 4:13 4. 858-4 - 9:00 5. 858-5 - 4:34 6. 858-6 - 6:40 7. 858-7 - 6:34 8. 858-8 - 4:56 | |
Bill Frisell (Guitar) Jenny Scheinman (Violin) Eyvind Kang (Viola) Hank Roberts (Cello) | All compositions by Bill Frisell |
リリースされた当初は、ゲルハルト・リヒターの抽象画とビル・フリゼールの音楽との融合ということばかりが気になって、音楽そのものに対する興味が希薄であったような気がする。そこで改めて音楽だけに集中して鑑賞してみる。
楽曲のタイトルも“無題”に等しいのと同様に、音程そのものも“無調”といえる内容。冒頭などは“雑音”といえるような音から始まるわけで、なかなか手強いという印象を受けてしまう。ただ、作曲したビル・フリゼールの思惑なのか、その破滅的な音群が徐々に形をなしていき、終盤の楽曲においては何らかの規則性を持った音楽を体感するに至る。もっとも、最終8曲目は初めのころの楽曲と比べて明確な形をなしているとはいえ、その響きは“無調”であるといえるもの。
やはりここにある1から8は、抽象画があってこその響きであることが分かった。だからといって、音が鳴るたびにそれに当てはまるべき絵画をいちいち確認していたのでは煩わしい。かといって、音だけ聴いていたのでは、その音が煩わしくなってくるだけ。せめて、音とともに元となる抽象画を想像することができれば、音楽そのものを殺すこともあるまい。
858-1
858-2
858-3
858-4
858-5
858-6
858-7
858-8
858 Quartet
Hank Roberts (Cello) | Jenny Scheinman (Violin) | Bill Frisell (Guitar) | Eyvind Kang (Viola) |
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