Vinicius Cantuaria & Bill Frisell Japan Tour 2012
3/6(tue) 3/7(wed) @Mt.RAINIER HALL
<Open> 1st 18:00 2nd 20:00
<Start> 1st 18:30 2nd 21:00
全席指定6000円+ドリンク500円
3月7日(水)ファーストセット、A列6番・一番前やや右寄りという最高の座席。ゆったりした座席、座るとステージが目線の高さにある。当然ながら場内の撮影・録音一切禁止。
それほどの混雑なく、ドリンク・マウントレーニアのカフェラテ(オリジナルストラップ付き)を選択、座席のドリンク台を利用しつつスタート待ち。
少々遅れてビル・フリゼールとヴィニシウス・カントゥアリアがステージに登場。ビルは水色のフェンダー・ストラトキャスター、ヴィニシウスはガット弦を張ったアコースティックギター、二人ともに椅子に座りながら演奏する完全なギターデュオ。
ヴィニシウスがリズム的な演奏、それをベースにビルが自由にソロを弾きまくる。
曲目はアルバム「Lagrimas Mexicanas」からのものがほとんど、しかしアルバムに含まれているベースもドラムもなし、さらには多様なインプロヴィゼーションの応酬のために、耳慣れない演奏がほとんど。出だしから聴いたこともないインプロ的な演奏、2曲目からアルバムの曲を演奏しだした、と認識している。
生の演奏で、ヴィニシウスはやはりブラジルの生まれだということを確認、彼の演奏はまさにボサノバ的、“メキシコ”と銘打っているアルバムではあったが、南米の音楽というところまでしか捉えられなかったわけだ。
それにして、ドラムやパーカッションの奏者でもあるヴィニシウスだけあって、素晴らしいリズム感、ビルのような変幻自在なギタリストにとってこの中で“踊る”ことは無上の喜びなのではなかろうか。
目の前のビル。空色のストラト─これが似合うのは彼かジェフ・ベックぐらいではないか、と思わせるくらいの爽やかな音色を奏で続ける。ボリューム、トーン、エフェクターを巧みにコントロール、ギターそのもの歪ませたり引っ掻いたり、とにかくその技のバリエーションには驚いてしまうのではあるが、その技の一つ一つがあくまで楽曲ありきのものなのだということが目や耳を通して確実に伝わってくる、唯一無二のギタリスト。
ブラジル的なギターを奏で続けるヴィニシウスとは違い、ビルの演奏は非常にアメリカ的な印象、さすがはアメリカ音楽のルーツを探求し続けるアーティスト。そしてふと思う、アメリカとブラジルの中間に位置しているもの、それがまさにメキシコだと、今回の彼らのコンセプトはメキシコ音楽を純粋に探求したわけではなくて、ふたつの違った音楽が融合した結果、別の音楽が自然発生した、そしてそれが地理的中間地点のメキシコだった、そう勝手に夢想したのだが、真意は分からない。
あくまで静寂を基調にしたギターデュオ、ヴィニシウスの優しいボイス、ホールの見事な音響──、そしてステージ上ではビルが左足のつま先を真横にしてその上に右足のかかとを載せ不思議な足の組み方をしている、ヴィニシウスのスニーカーが軽やかに左右にリズムを取る、ダークブルーに真っ白に浮かぶビルの顔、ダークレッドに浮かぶビルの顔…、確実に脳にはアルファー波、強烈な睡魔…、この椅子も原因か──。
一日2セットあるだけに実際の演奏時間も短かったとは思うが、そんな心地よい時間もあっという間に終了。アンコールも非常にいい演奏で、もっと観たいという思い。次のセットも控えているわけで、あっさり終了。
正直これまで見たライブで最も地味な演奏の部類だったいう印象。しかし、信じられないくらいの満足感。とにかく年期が違う二人の演奏に感服するばかり。
帰りに「Floratone II」を購入。これでまた別のビル・フリゼールを楽しもう。それにしても、Floratoneまだ続くのかー。
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