2012年2月18日土曜日

ヴィニシウス・カントゥアリアとビル・フリゼール

 ビル・フリゼールが来日公演をするという記事を目にする。前回の来日公演が素晴らしかっただけに、チケット即買い、といきたかったが、共演の名前に、ヴィニシウス・カントゥアリアと耳慣れないアーティストが─。だれ?
 ブラジル生まれのヴィニシウス・カントゥアリア、ビル・フリゼールのアルバム「The Intercontinentals」に参加していた。個人的にかなり気に入っているアルバムで、すでにヴィニシウス・カントゥアリアの奏でる音楽は聴いていたわけだ。改めてアルバムの名義を確認してみると、ヴィニシウスが担当している楽器は、アコギ・エレキギター・ボーカル・ドラム・パーカッションと、まぁ何と多彩なことか。
 それにしても、「The Intercontinentals」がリリースされたのは2003年であり、今ごろになって何故にビル=ヴィニシウス名義の来日なのかと思ってしまうのだが、去年、2人名義のアルバムをリリースしていた。



見覚えあるジャケット。確かにビル・フリゼールの新譜として陳列されていた。しかし「Lagrimas Mexicanas」というアルバムタイトル、何語で何と読むのか分からなかったので買うのやめた記憶がよみがえる。完全視聴できる所もなかったし─。ライブの記事に興味を持ってしまったことだし、ここは思い切って、チケットもCDも─、というわけで、「Lágrimas Mexicanas」のレビューとなります。
 収録参加アーティストはあくまでヴィニシウス・カントゥアリアとビル・フリーゼルの2人だけ。前編ギターデュオ形式での録音、アコギ&アコギはもちろんのこと、アコギ&エレキの場合も多々あり、そこにヴィニシウスが奏でるパーカッションなどもオーバーダブ。ブラジル生まれのヴィニシウスの音楽センスを前面に出したような中南米色。しかしながら、ボサノバ的要素は非常に少ないと感じる。その要因となっているのは、独特の哀調のせいなのだろう。決して派手とはいえない楽曲群で展開されて、長短の響きが波のように交互に押し寄せる印象。ヴィニシウスの歌唱力もまた予想外、優しく歌い上げるその声は、まさにフォルクローレ。メキシコと銘打ってはいるが、(ステレオタイプ的な見解になってしまうが)メキシコ音楽特有の陽気さは感じられず。それがかえってこのアルバムの質を上げているように感じてしまうほどの、素晴らしい曲と演奏。アルバムタイトル「Lágrimas Mexicanas」をウェブ上で翻訳してみると、それはスペイン語ということが分かり、日本語に訳すと「メキシコの涙」と出た。うまいタイトルを考えたものだ。
 CD付属のDVDでヴィニシウスは言う、「ビルと演奏するときは、なるべく控えめに演奏して音の数を抑えている。そうするとビルのギターがその隙間を見事に埋めてくれる」と─。これを聞いて、このアルバムそして今回の2人の来日を知ることができて幸運だったと実感する。

Vinicius Cantuaria - Calle 7 (Lagrimas Mexicanas) by naiverecords





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