11月22日、23日、24日の3日間、サイモン・ラトル指揮のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が来日公演をする。マーラー没後100年ということで、マーラー交響曲第9番を演目の一つとして選んでいる。その選択に大いに惹かれて、かなり値の張るチケットでも行く価値ありと、手に入れるべく先行抽選販売などに応募して努力してみたものの、落選、そして一般販売においても、その一瞬の完売劇に敢え無く撃沈。今後は、頭にくるオークションでも眺めることになるだろう。
ベルリン・フィルは3月にいち早く東日本大震災のための追悼コンサートを行っていたはず。この来日も追悼色を帯びることは間違いないだろう。しかし、いくらベルリンや東京など離れた場所で追悼追悼と銘打っても仕方あるまい、と不謹慎な思いが日に日に増してくる。福島原発や三陸海岸でという暴挙などはさすがに思わないまでも、せめて東北の地においてチャリティー何某を開催しろと思うのは至極当然のことだと思うのだが─。
数日前のニュースで、岩手・宮城・福島3県のホール93カ所のうち、4割に当たる39カ所が震災の影響で再開できていないという記事を目にした。実行する場もないのである。専用ホールがなくてもどうにかして強行する価値はあると思うのだが─。
クラシック音楽のマネジメント会社カジモトがスイスのルツェルン・フェスティバルと協力して、「ARK NOVA - A Tribute to Higashi Nihon ~東日本への贈りもの~」と題した、被災地における文化復興支援プロジェクトを立ち上げた。カジモトによると、移動式テントをホールとして活用しながら国内外のアーティストの生演奏を提供していくという。原発事故さえなかったら、こういった流れはもっと早くもっと盛んに行われていたことだろう。そう思いながら、果たして本当に国内の原発を全廃していいものだろうかと思う矛盾した自分がいる。今のこの現状を目の当たりにしても、完全に原子力発電というものを否定できない愚かしさ。
11月となると、工程表のステップ2も終わりに近づいているころか。キャンセルが相次いだあのころのようなことが二度とないよう、ただただ祈るばかり。ベルリン・フィルが少しでも安心して来日できるように願いつつ、頭に血を登らせながら、ニュースとオークションとに目を光らせてみますかな。
0 件のコメント:
コメントを投稿