BILL FRISELL, RON CARTER & JOEY BARON
ビル・フリゼール、ロン・カーター & ジョーイ・バロン
1.26.wed - 1.30.sun
Showtimes : 7:00pm & 9:30pm
※1.30.sun showtimes : 5:00pm & 8:00pm
Bill Frisell(g), Ron Carter(b), Joey Baron(ds)
■自由席
テーブル席 : ¥8,400
■指定席
BOX A (4名席) : お1人様¥10,500
BOX B (2名席) : お1人様¥10,000
BOX S (2名席) : お1人様¥10,000
SEAT C (2名席) : お1人様¥9,500
初のコットンクラブ。東京駅から非常に近く、アクセスは最高。それ故に、午後9時半からのセカンド・セットを選択した。シートはボックスB。8時半開場に合わせて会場に向かうと、すでに長蛇の列。最後尾につくべく進んでゆくと、会場の中にまで入ってしまう。こんなことがあり得るのかと疑問を持ちつつも、会場の雰囲気を事前に見ることができる幸運をかみしめながら、内部を一望する。
内部は予想以上に狭い。まさにクラブという趣。これならばトリオ・ジャズに合っていると、期待は高まる。
並んでいる列の中に、ピーター・バラカン氏の姿を確認できた。音楽通のあの方も聴きに来るこのライブ。いやがうえにも期待が高まる。そしていよいよ列の先頭に・・・ところが、そこは会計のカウンターだった。つまり、ファースト・セットの終了の列に並んでいたわけだ。とんだ、赤っ恥をかいたが、あらかじめ中を見ることができたのだから、よしとしよう。
20分遅れで開場。通された席は、ステージを斜め左に眺める位置。近いし、ゆったりした座り心地。すぐに注文した、マンゴージュースとソフトシェルクラブのトルティーヤの味もよい。フルーツトマトとアボカドのサラダは、ドレッシングあまり好みではなかった。隣の知人が注文したギネスビールとスペアリブパイントセットが最もお手ごろ感があったように思う。味でも満たされ、後は演奏を楽しむのみ。
10分ほど遅れての開演だったろうか。3人がステージに登場。フリゼールとカーターのチューニングが終ると、バロンのドラムで静かに開演。
何曲演奏されたのか、はっきり覚えていないが、演奏されたもので知っているのは2曲だけだった。3曲目に演奏された、ソニー・ロリンズの♪NO MOE と、その次に演奏されたフリゼールの♪Steady, Girl だけだったが、全体の演奏は、文句なしに素晴らしいものであった。ひとりひとりの音色が非常に豊かであり、バロンのドラムでさえもメロディーが鳴っているように聴こえたほどだ。
全体にわたって、インプロヴィゼーションの応酬であったと感じられたが、3人の息も見事に合っていて、とくにフリゼールとバロンは何をやっても合ってしまうのではないかと思うくらいの阿吽の呼吸。さすがに長年組んでいたチームだ。この2人に割って入る巨匠カーターはどうなのかという一抹の不安も無用のもので、互いが互いに見事に合わせてしまう。音に関しては文句なし。
ただ、フリゼールが終始ドラム側を見ながらのプレイだったので、どのようにギターの音色が奏でられているのか全く分からなかったのが残念だった。バロンと楽しそうに演奏するのはいいし、それを見るこちらも確かにハッピーになるけれども、ちょっとはこちらを向いてほしかった。フリゼールがこちらを向いたのは、最後のメンバー紹介と、Thank you for coming というMCぐらい・・・当然演奏しているわけでもなく・・・無念。
何度も言うが演奏は素晴らしかった。70オーバーとは思えないカーターの超絶演奏に驚き、超トリッキーなバロンのドラミングに思わず笑みを浮かべてしまい、フリゼールの音色に感動させられた。形を崩そうとするフリゼールとバロン、それに対して崩すまいとするカーターの絶妙なせめぎ合いも感じられ、予想以上のトリオであった。
1曲のアンコールを終えると、時計は11時を指していた。約1時間20分の演奏。濃密な内容に大満足。比較的静かな演奏であったため、会場の反応も穏やかなものだった。しかし、会話の中に多大な満足感を読み取ることができた。この穏やかな空気感を楽しむために、このトリオを観賞しに来た、きっとみんなそう思ったに違いあるまい。
この貴重な時間と空間を与えてくれた、ビル・フリゼール、ロン・カーター、ジョーイ・バロン、そしてコットン・クラブに、感謝。
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