「ゴールドベルク変奏曲」(1955)。
今年、そのCDがよく売れたとある新聞に書かれていました。レコードが発売された当時から「歴史的名盤」と絶賛されて、毎年売れ続けている非常に有名なアルバムなのですが、今年は例年の10倍の売り上げだったそうです。今年はグールドの生誕75周年、および没後25年にあたるということで、注目されてそれが売り上げにつながったのではないかと分析していました。“のだめ”などの影響でクラシックが流行しているのも影響しているのでしょう。
聴いてみました─
バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1955年モノラル録音)
まるで即興のように軽々と弾いています。
非常に有名なバッハの音楽にもかかわらず、本当に楽譜が存在するのかと疑いたくなります。もしくは、バッハの音楽を奏でているのではなく、グールド自身が作った音楽を自ら弾いているような錯覚をしてしまいます。多少大げさに表現しました。
ちょっと道がそれますが─
キース・ジャレットの「ケルン・コンサート」を聴いたときには、それとは逆に、この音楽には本当に楽譜がなく、本当にすべて即興なのかと、大いに驚いたものです。
ザ・ケルン・コンサート |
驚きの種類は違いますが、その驚きの程度は同様なものでした。
確かキースも「ゴールドベルク変奏曲」を録音していたはず
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 |
そこに紛れもなく楽譜やバッハが存在しています。
��955年録音の「ゴールドベルク変奏曲」は絶賛されて大ヒットし、グールドのピアニストとしての地位も確立したわけですが、当の本人はこれを過大評価だとして、大いに不満だったようだ。
��981年、グールドは新たな解釈のもとに再び「ゴールドベルク変奏曲」を録音する。前の録音はモノラル・アナログ録音で、1981年盤ではステレオ・デジタル録音。
すべてのグレードが上がった演奏を聴いてみました。
バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年録音)
非常に洗練されていて、絶対的なJ.S.バッハのゴルトベルク変奏曲を聴いた思いです。すべての音に迷いがなく、すべての音に思いが込められていました。これを聴けばグレン・グールドのすべてが分かる─というのは詭弁か…。
「グレン・グールドをめぐる32章」という映像作品を見ると、本当にグールドのことが分かるかもしれません。
グレン・グールドをめぐる32章_1
グレン・グールドをめぐる32章_2
グレン・グールドをめぐる32章_3
グレン・グールドをめぐる32章_4
グレン・グールドをめぐる32章_5
グレン・グールドをめぐる32章_6
グレン・グールドをめぐる32章_7
グレン・グールドをめぐる32章_8
グレン・グールドをめぐる32章_9
グレン・グールドをめぐる32章_10
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