2008年11月18日火曜日

Farewell to Stromness

仕事帰り─
バスに揺られ、ぐったりしながら─
LAGQが演奏する♪さらばストロムネスで癒やされました。
♪Farewell to Stromness


「さらばストロムネス(farewell to stromness)」
イギリスの作曲家ピーター・マックスウェル・デイビスが作曲(1980)。
環境保全に強い関心があった彼は、スコットランドのオークニー諸島でのウラン採掘に抗議してThe Yellowcake Revueというミュージカルを書く。そしてそれを、オークニーで開催されたあるフェスティバルにおいて、自らがピアノを演奏して女優エレノア・ブロンと共に上演した。♪さらばストロムネスはそこで初めて演奏されたのだ。
ストロムネスとはオークニー第二の町のこと。ゆっくりと重々しく始まるベースラインは、ウラン汚染のために町を出て行く住民の足取りを描写したものだという。
曲全体にわたって、土地を追われた人々の悲哀とその土地を思う郷愁の念が絶妙に表現されている。まるで、その土地に住んでいた先住民によって語り継がれてきたような響き─例えば─、蛍の光、マイボニー、ロンドンデリーの歌…、─といった民謡であるかのようにさえ思ってしまう。
マックスウェル・デイビスは1971年から実際にオークニーに移り住み、その時期から、スコットランドをテーマにした音楽・スコットランドの要素を取り入れた音楽を作り始めたようだ。彼は数多くのシンフォニーやオペラを書いていて、その評価も非常に高い。大英帝国からナイトの称号を戴いていて、サー・ピーター・マックスウェル・デイビスと呼ばれているほどだ。
試しに、交響曲をいくつか聴いてみた。
♪さらばストロムネスとはまるで違う響き─、まさに現代音楽的な作品群、牧歌的な要素は微塵もなかった。想像とあまりにかけ離れた響きであるため、大いに抵抗を感じてしまうが、彼の音楽はまだ聴き始めたばかりなので、聴かず嫌いにはならないよう、これからじっくり聴いていこうと思う。彼のスタイルは多種多様だというから、また奇跡の響きに出会えるかもしれない。


Kyrie
P.M.Davies(サー・ピーター・マックスウェル・デイヴィス)



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