2012年11月11日日曜日

Walkman と iPod

2012年10月、新型Walkmanと新型iPodが発売される。Walkman派の僕はもちろん、どんなにappleが大々的にiPhoneやiPadを発表しようとも、全く気にならないわけではあるけれども、新しいiPodの姿形が非常に気になったので、初めて両方買ってみた。
Walkman派といっても、別にブランドなどにこだわっているわけではなく、良いと思える方を常に選択している結果、現在はウォークマンを愛用しているということだけ。実際に、過去にはiPadを愛用したこともあった。そこのころは、iTunesの便利さとSonicStageの不便さを思っての選択であった。Xアプリに変わって、Wi-FiやAndroidが導入されてきたWalkmanは今のところ最強のように思える。
漠然と比較される(というか単に僕が勝手にそうしているだけなのかもしれないが)、WalkmanとiPod、何がどう違ってどちらがどう優れていて、本当はどちらが僕にとって最良なのか、この機会に比べてみたい、と、こじつけの両方購入である。

さて、今回購入したの下の2つ。どちらも姿形は非常に良い。絵で見るように、Walkmanの方が少し小さくて、がっちりとした印象。一方、iPodは少し大きめで非常に薄い。

SONY ウォークマン Fシリーズ
[メモリータイプ]
64GB ビビッドピンク NW-F807/P
最新モデル
第5世代 Apple iPod touch
64GB ブルー MD718J/A

僕は音楽を楽しむために、WalkmanやiPodを持ちたいわけで、ゲームやソーシャルという機能を使いたいのなら他の端末を使えばいいという考え。iPodにカメラがついていて、Walkmanにはついていないということは、僕にとってそれほど重要なことではなくて、むしろついていない方がいい。過去に「SONY ウォークマン Xシリーズ」を購入したときは、テレビ機能が不必要だと思ったものである。あらゆる機能や開発の力を、操作性や音の質の向上に捧げて欲しいものである。

容姿の次は機能や操作性。僕がiOSを使用するのはこれが初めて。意外と自由度がないんだなという印象。まあ、アプリケーションをほとんど使い慣れていないし、ダウンロードもしていないわけだから、それだけで判断するのは早計なのかもしれないが、見飽きたAndroidのほうがアクション的に楽しいのではと思ってしまった。iPodは所詮appleでしかないわけだから、致し方ないのかも。ただ、電池の持ちはiPodではないかと思った。そうは言っても、iPodをほとんど使用していないわけだから当然とは思うのだが、多少の使用で4~5日持つということは、Walkmanではあり得ない。不要なものがたくさん含まれているということなのだろう。別にOSの優劣を吟味しようというわけではないけれど、Androidは進化し続けるだろうが洗練されることはないだろうし、appleは常に洗練され続けるだろうけれど、進化もあれば退化もあるだろうなぁと感じた。

一番の問題は、音。iPodを購入した動機として、あの変わった形のインナーイヤフォンを使ってみたかったということもある。誰の耳にも合う銘打っているあのイヤフォンは、・・・最悪でした。自分の耳には全く合わず、終始ぽろぽろ落ちてきて非常にストレスを感じる。これだけで今回のこのiPodを買って失敗したと思ってしまうほど。一方、Walkmanの方は相変わらずいい音でした。仕方ないから、同じイヤフォンで同じ楽曲を聴き比べてみても、音の差を感じてしまう。音のクリアさというか質感がまるで違う。WalkmanもiPodも低音部を重視していることはよく分かるのだけれど、Walkmanでは低音が響きつつクリアな高音が鳴り響くのに対し、iPodでは重低音ながらも高音も同時にこもってしまうという印象。iPodは容姿も音も薄いです。

Walkmanを使用していながら、「mora」を全く使用していなかったのだが、10月のリニューアルで配信楽曲がATRAC132kbpsからAAC320kbpsに高音質化し、DRM(デジタル著作権保護)も外されたので、これからかなり使いそうな予感がしている。実際、moraから初めて購入した「機動戦士ガンダム トリビュートアルバム」などを聴いても、明らかに音の良さが伝わってくる。これをiTunesに取り込めばiPodでも聴けるわけだ。が、そんな面倒で無駄なことはやりません。Walkmanならばmusicファイルへ入れればそれで済むのにね。音楽を聴くのだったら、音も使い勝手もやっぱWalkmanでしょう。

個人的にはWalkmanにmoraではなく「Music Unlimited」をくっつけて欲しいのだが、まぁ今のUnlimitedの質なら勘弁だ。ちょくちょくフリーズや音飛びあり、何よりも接続がやたら遅い。まだあまり安定性のないLTE経由などでは安心して聴いていられない。PCのライン接続で聴いていてもたまに止まる。これが今のmora並みの音質で、接続も安定してくれれば、無敵だろうなあと思うわけだが、これはないかな。

僕の検証では、iPodは美しいおもちゃであり、Walkmanは優れた音楽プレーヤーだという結論になる。とはいっても、iPodをまだ全然使いこなしていないわけで、現段階の偏見的見方で公平性は欠く。それでも、iPodを音楽プレーヤーとして使うことは当分ない。

 

 


2012年11月10日土曜日

Helge Lien Trio in 新宿 PITT INN

 仕事で忙殺の毎日。なかなか更新できない・・・というより、音楽自体を楽しめていないような気がするのだが、久々、無理クリにライブへ赴いたら、めちゃくちゃ空いていて落ち着いた空間ですぐ目の前で演奏を見ることができて、しかも素晴らしいPA陣のおかげで、耳から体中に至るまで感動することができた。演奏も音もこんなに素晴らしいのに、人が全然周りにはいなくて、非常にもったいないような気もした。わざわざノルウェーから来てるっていうのに─。

 ヘルゲ・リエン・トリオが来日したのは9年ぶりだとか。つくづく、見てよかったと思う。そうは言っても、この公演を知ったのは公演の直前。音楽を愛する親切な方が、このブログにコメントしてくれて、ソッコーチケットを予約した。直前なのによく取れたものだとホットしたのだが、そんな焦る必要はなく、当日でも良い席で見ることができたなあ、とライブハウス内を何度も見回した。なんで?

2012年11月3日(土)- 11月4日(日)
両日とも 
会場:東京 新宿 Pit Inn
開場 19:30 開演 20:00
自由席 整理番号付 前売 5,000円  当日 6,000円 ドリンク付

Helge Lien   ヘルゲ・リエン     piano
Knut Aalefjær クヌート・オレフィヤール drums
Frode Berg フローデ・バルグ bass
   (専属エンジニア来日)

企画制作 Office Ohsawa
協力 Disk Union
後援 ノルウェー王国大使館


 土日のうち見たのは日曜日。日曜の夜だから空いていたのだろうか?一向に満杯にならない会場に、なんで自分がそわそわしなければならないのか、そう思っているうちに3人が静かに登場、初めて生で目にするヘルゲ・リエンは、案外スリムなんだという第一印象。

 一曲目はアルバム「Natsukashii」の最後の曲、♪Living In Different Lives
 なんと音質の良いこと。上手いとか曲がいいということもさることながら、音そのものが良いのである。そんな特別な音響設備であるとは思えないのだが─。その音質の良さは、専属PA陣も帯同しての公演だからなのか、しかし技術陣の帯同などということは特段珍しいことではないが、メンバー紹介の際にPA陣にも言及していたことは珍しいかなと思えたので、やはりこのトリオの音作りはバックアップがあってこそだということなのだろう。

 「Natsukashii」は3月11日以降、初めて購入したアルバム。心にしみた記憶が少し甦る。
 アルバムの全曲を演奏したように思うのだが、見事なインプロヴィゼーションとの組み合わせであったために、明確な判断ができなかった。まぁセットリストなどどうでも良くなってしまうほどの、見事な演奏空間を作り上げていた。20121104inPittInという一つのタイトルだけを記せばそれでいいのではなかろうか。
 現代音楽を彷彿とさせる自由すぎる演奏が展開する場面もありはするのだが、何か得体の知れないグルーブ感が終始トリオを包み込んでいた。どんなに音が壊れていようと、このトリオのリズムは決して崩れることはない。それが、どんな不協和音を奏でようとも、不思議な安心感を聴いているこちら側に与えてくれているのだろう。演奏している側はどうなのか?相当の熟練度を感じるし、完成度を感じるのだが、決して堅苦しくはなく、常に自由。常に自由でありながら、確固とした楽曲を重んじている印象。兎に角すごいなという─。
 9年ぶりの来日ということは、その時はまだアルバム「Hello Troll」のリリース前か─。ぜひともあの曲も演奏してもらいたいものだと、大きな期待。そしてそれに近づくように「Hello Troll」からの演奏も始まる。
 はや演奏もすべて終わった様子。はて最後の曲なんだったか・・・覚えていないのは待ち望んでいるあの曲を演奏しないから。当然のアンコールを少数の聴衆が頑張って求める。そして!お決まりのようにアンコールのためプチカーテンコールの中3人登場。曲は!?♪Natsukashii。なんとこの曲もまだだったのかと驚きつつも、いい曲だけどこれじゃないんだよヘルゲ君などと突っ込みたくなるのだが、じっと待つ。そしてまた、プチカーテンコール。さあ絶対アンコールするぞと心に決めたその時、ドラムが業を煮やしたようにリズムを刻むと、仕方がないとばかりに立ったままお行儀悪くヘルゲ君があのメロディーというかリズムを刻みだした!これでございます!!ヘルゲ様!!!

Snurt


 そして皆満足のもとに家路につく。すぐまた見たい・聴きたいけれども、なかなかオスロは遠いから・・・