(Material Records, 2008) | |
Wolfgang Muthspiel(G) Jean-Paul Brodbeck(P,Syn) Matthias Pichler(B) Andreas Pichler(Ds) ■ October 15-18,2007,Austria |
ギターのウォルフガング・ムースピール以外、他のメンバーをほとんど知らないカルテットではあるけれども、ギターのみならず、トータルとしてのサウンドが素晴らしいと、昨日一昨日、バスの中で本を読みながら聴いていて、その良さを再発見したアルバム。
ディストーションからクリアトーン、アコースティックな音まで、あらゆるギター音を巧みに他の楽器の音に絡ませながら展開する、あくまでギターが主役の構成、しかしながら、聴こえてくるのはカルテット、たとえそれがギターソロであってもだ。
ムースピールが奏でる音、トーンというのは非常に気持ちがよいもの。音が重厚でしかも温かみを感じる。高音域でさえも分厚く感じる。それが故、イヤフォンで直に音を感じ取ると、体に充満している水分がすべて震えるような感覚となり、非常に心地よい気持ちで、読書も進む。
ただ、あまりのメロディーの良さで、読むことよりも聴くことに集中してしまうことが難点。自分の場合、5曲目の♪Sistahが鳴り出すと、完全に視覚を無視して聴覚に集中、その曲が鳴り止むまで焦点が合わない視線のまま、ただ書物を手にしているだけだった。
ながらで聴くものではないな、これは、と思い至り、スピーカーから改めてこのアルバムを聴いてみる。ウォークマンで聴いていたほどでもない。当然、雑音をシャットダウンしなければならない、そしてまた、読書という要素も重要なのか…、そう思ったのは、なかなか集中できない気持ちから。
自分は本に集中するためにイヤフォンをしているのではなく、音楽を聴くために本を手にしているのかもしれないという、新たな発見。
様々な感覚を与えてもらった。
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