上原ひろみのリーダーアルバムや参加したアルバムを、必ずしもすべてを聴いているわけでもなく、むしろ聴いていないものが多いのではあるけれど、なぜか気になるアーティストではある。故に、チック・コリアとの武道館“duet”など見に行ったりしているのだが、どうしても共演のネームバリューをもとに視聴している感がある。
2011年3月にリリースされた「ヴォイス」においても、サイモン・フィリップスとアンソニー・ジャックソンという名前が自分の興味を惹いた大きな要因だった。特に、サイモン・フィリップスと上原ひろみという組み合わせなど、想像すらしていなかったもので、聴き逃すまいという強い心が働いたわけだ。
上原ひろみ/Voice Hiromi (p) | 1. Voice 2. Flashback 3. Now or Never 4. Temptation 5. Labyrinth 6. Desire 7. Haze 8. Delusion 9. Beethoven’s Piano Sonata No/8,Pathtique |
当初、ランニングなどしながら聴いている時分は、非常に心地よく聴いてはいたものの、何度も聴いていると、なぜか飽きてきたような感あり。もっとも、あまりに連続的に聴いてしまったところはあるが─。
サイモン・フィリップスは、クールに淡々と正確無比なビートを刻み、その中で自由に上原ひろみが踊る。どうしてもロック的なビートであるために、良くいえばシンプル、悪くいえば単調なドラミング。それ故、どうしてもピアノの演奏も限られた枠の中に収まってしまうのだが、それが心地よさにもつながっているし、また物足りない部分でもあるのかもしれない。
話は変わって、震災後まもなくBSで放送されていた「上原ひろみの世界」という番組を録画していて見ていなかったのにようやく気がつき、それを見つつの「ヴォイス」を聴きつつ、という邪道を敢行してみた。やはり、「ヴォイス」はきっちりとまとまっているのかなと思ってしまう。とはいえ、通常のロック畑のものと比べると間違いなく群を抜いているのだが─。
発売当初の限定版にはDVDがついたものも発売されている。少々値は高いが、見る価値は十二分にある。内容は演者3人のインタビューと、「Now or Never」の収録のもようが収められている。三者三様の演奏が非常に面白くて、全く違うスタイルの3つの素材が見事に融合しているアルバムなのだと認識させられた。上原ひろみは「このユニットで世界ツアーができたら」という希望をインタビューで語っていたが、それが実現したならば、どんなことしても見なければならない。でも、実現は難しいかなー
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