2011年3月27日日曜日

走り続けていくことだけ

ほぼ半月ぶりに、川沿いそして海岸沿いをランニングした。半月前と変わらない見慣れた光景が広がり、心がようやく休まる思いがした。大津波を被った人たちがこの気持ちを取り戻すのは、いつのことだろう。

1983年、自分が初めて記憶することになる大地震、日本海中部地震が発生。津波で多くの犠牲者が出た。この地震以前、日本海には津波が押し寄せないということが、半ば常識的に語られていて、自分もそう言い聞かされて育った。しかし、想定外の大津波が押し寄せた。地震発生後、頻発する余震に恐怖して、眠れない夜が続いた。

1993年、奥尻島沖地震の津波は数十メートルの高さまで達し、山の木々がなぎ倒されていたその映像を信じられない思いで眺めていた。このような津波を想定することなどできるはずがない。

1995年、阪神・淡路大震災。報じられる映像すべてが信じられないもの。これ以上の悲劇的な災害は自分の生がある限り、もう二度と目にしないだろうと思ったのだが…。

2004年、新潟県中越地震での新幹線脱線。

2008年、岩手・宮城内陸地震での山崩壊。

信じられないことが何度も発生している。三陸沿岸に住む人たちは長い間津波に備えてきたはずだ。そこから遠く離れた所で暮らしていた自分ですら、あのリアス式海岸には大きな津波が押し寄せると、学校から親からあるいは見ず知らずの地域の大人からも教えられて育ったわけで、地元の人たちは大津波が必然のものとして生きていたはずなのだ。にもかかわらず、想定外のことが起こってしまった。もっとも、流されてしまった街の姿を見ると、あれを想像しておくことなど出来るはずない。

現在自分が住んでいる所から、東京湾まで4キロほどだろうか。今回の大震災では4、5キロ先の建物も津波で被害を受けている。同規模の津波が東京湾に押し寄せたら、家の周りは水で満たされてしまうことは必至だ。

あれこれいらぬことを考えながら走っていたものの、久々のランニングだったため、途中から疲労しきってしまい、とにかく走りきることだけしか考えられなくなった。とにかく前に進むこと、前に進むことを考えながら、必死に前に進むしかない。

原発のことは想像すらしていなかったことで、これからどうなるかさえも分からない。無事に終息したとしても、この国は決して原発から逃れることはできないだろうし、いま現在世界中で原発に対して不安視することがあっても、しばらくは原発が消え去ることなどありえない。あの史上最悪と言われるチェルノブイリ事故以降、原発が減るどころか、その数は著しく増えている。これをなくすというならば、劇的な技術革新もしくは電気の制限のいずれかを求められる。

ゆえに、自分は水道の水も飲むし、福島県・茨城県産のものも食べ続ける。個人的に食べ続けると宣言したところで、流通されていなければ食べようがないのではあるが…。無用の規制はかえって迷惑だ。

いま自分にできること。募金して、節電しながら、ニュースや報道をよく見て、一生懸命働いて、経済活動を落とさずに、走り続けていくことだけ。

 

裁判員を選出する制度があるのなら、東北地方へボランティアとして招集される制度もあるべきか─


2011年3月23日水曜日

野球

"BASEBALL"を「野球」と和訳したのは誰か。自分の中で、なぜか正岡子規というイメージを拭い去ることができないのだが、実際は中馬 庚(ちゅまん かなえ)なる人物が「野球」ということばを創りだした。

明治の教育者、中馬 庚は1870年(明治3年)鹿児島で生まれ、1932年(昭和7年)に62歳で没している。全国各地で校長職を歴任していて、そのせいか、現在大阪府豊中市にあるそのお墓には、センバツ大会で集っている高校球児たちが数多く訪れているという。我が母校の球児たちも墓前を訪れたという新聞記事を目にし、初めて母校が21世紀枠で甲子園初出場をしていることを知った。創部113年、ついに自らの力で勝ち取ることはできなかったか…。とはいえ、与えられたチャンスは最大限に生かしてほしい。必ずや、自慢の校歌を全国に響き渡らせてくれることを信じて、応援しよう。

センバツを追うようにして開幕する予定だったプロ野球は、開幕延期を余儀なくされている。セ・リーグにいたっては、いまだその開催日が流動的だ。野球ファンにとっては、一日も早く開幕してほしい気持が正直なところ。その野球ファンよりも、もっと野球を欲しているのは選手だと思うが、その選手たちが今はまだというのであれば、やはり開幕延期はやむを得ない。クリネックススタジアム宮城が正常に機能できないのであれば、公平な開幕など迎えられようがない。それを対岸の火事のように思っている、そうセントラルリーグのお偉方は考えているのではと捉えられても仕方あるまい。そもそも、何故にこれほどまでに、セントラルリーグとパシフィックリーグの足並みがそろわないのか。何のための野球機構なのか。たとえば、12球団のホームページを片っ端から閲覧するだけでも、セ・リーグの統一感の無さがよく分かる。交流戦でのパ・リーグ圧勝の要因は、こういうところにも含まれているのではないだろうか。

きょう23日、第83回選抜高等学校野球大会が開幕する。21世紀枠の母校登場はあす24日。試合終了後、懐かしい響きを耳に出来ることを信じて応援しよう。

そしてセンバツ終了後、プロの妙技を堪能するというのが、至極自然なことなのかもしれない。今シーズンは全試合チャリティーマッチ。どんな形で開幕を迎えようとも、なるべく多く球場に足を運ぼう。

 

日本赤十字社 東北関東大震災 義捐金