2009年 11/14(土) 6:00p.m.
東京オペラシティシリーズ 第52回
指揮=クリストフ・アーバンスキ
ピアノ=ペーテル・ヤブロンスキ
キラール:オラヴァ~弦楽オーケストラのための
ショパン:ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 作品21
ショパン:マズルカop.68-2(アンコール)
ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 作品95 「新世界より」
S\6,000 A\5,000 B\3,000 C\2,000
東京交響楽団 HPより
��月下旬にチケットを取ったコンサート。会場は超満員というほどでもなかったので、そんなに早く取らなくても良かったか─しかし、満員と呼ぶに等しいほどに人がいたので正解だったか。キラールの「オラヴァ」ということで、かなり焦って購入。5ヵ月も間があくと、気持ちの高まりもほとんどなく、あろうことか、億劫な気持ちにまでなってしまう。
雨風強い土曜日だったが、オペラシティは地下鉄から直結しているので天候関係なくスムーズに会場入り。座席はB席、3階、ステージに向かって右側。位置的にコントラバス方面は全く見ることができないが、コンサートマスター(大谷康子)の姿・指揮者・管楽などよく見える位置。2階・3階の中央席にも座ってみたいが、多少遠すぎないだろうか…。あのホールなら、一番いいのは一番前の中央の先頭だろうか。なかなか座れないだろうが…。
指揮者のクリストフ・アーバンスキ(Krzysztof Urbanski)は、ポーランド生まれ(1982-)の若きホープ。ヨーロッパで活躍、日本ではこの日がデビューとなる。
「オラヴァ(ORAWA)」は、ポーランドの作曲家ヴォイチェフ・キラール(Wojciech Kilar)の作品。オラヴァとはポーランド南部とスロバキア北部にまたがる保養地(スロバキアではORAVA)。その地方の豊かさを表現しているのか、複雑な歴史的背景をうたっているのか分からない。勝手に想像するに─
スロバキア北部の山岳地帯にキスツェーオラヴァ・スイッチバック鉄道軌道(The Kysuce-Orava Switchback Railroad)というものがあり、歴史的価値から文化財に指定されている。世界遺産の登録も目指したが、残念ながら願い叶わず、暫定リストからも削除されてしまっている。現在、短距離ではあるが観光客用に運行している。
─ということから、その地域そのものを表現したものではなかろうか。よく聴けば曲調が機関車のような…飛躍しすぎ・安直…。
演奏そのものはというと、安定したバイオリンで非常に素晴らしかった。耳だけで聴くと、とぎれとぎれのフレーズが巧妙に編集されているような印象なのだが、実際の演奏を目にすると、本当に演奏しているんだぁ、バカな発想…それくらいの驚きと新鮮さを感じる。9分ほどの演奏、まだ管楽も登場していないし、挨拶としてのプログラム1曲目なのだろうが、個人的にはもう目的を果たした感があり、会場に来るまでのテンションの低さとは比べものにならないくらいの満足感。
続いてショパン。ショパンの協奏曲は聴いたことがない。正直興味もそれほどないわけで、第1楽章は全く集中できず、頭に入ってこず。第2楽章の穏やかな曲調になるとようやく引き寄せられ、第2楽章は非常に気に入ってしまった。第3楽章になると、ショパンらしいフレーズが随所に表れ、これはショパンだ!とまたしても当たり前の感想を持ってしまう。面白みがない感想こそが、本当に感動している証拠、だろう…。
ピアノのペーテル・ヤブロンスキ(Peter Jablonski)はスウェーデン生まれ(1971-)。彼もポーランドの人かと思うほどのポーランド魂を感じる─あくまで個人的な感想として。ポーランド魂はともかくとして、演奏の素晴らしさは会場の反応が証明していた。拍手喝采のためアンコールも披露。
��0分の休憩─
最後はメインの「新世界」。第1楽章、第2楽章、さすがの演奏。第3楽章、なんか不思議な…今までに聴いたことがないような─新世界。第4楽章、非常に感動、しかし最後はあのような終わり方でいいのだろうか?と何か不思議な演奏で終了。懸命に拍手を送るが、結局、指揮者自らコンマスを舞台裏に引っ張っていってしまったので、アンコールはなし。やはり、自らは納得できなかったのか─。
以降、川崎、そして大阪フィルでクリストフ・アーバンスキ、ペーテル・ヤブロンスキが登場するとか。いずれも足を運ぶことはできないが、せめてその模様の記録など目にしたいものである。